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共有持分の買取業者とのトラブル事例7選|回避策と連絡が来たときの対処法
相続や離婚で不動産が共有名義のままになっており、自分の持分だけでも売却したいと考えて買取業者を調べ始めた方は少なくありません。
一方で「共有持分の買取業者はトラブルになりやすい」という情報を目にして、売ってよいものか迷いも生まれがちです。
本記事では、共有持分の買取業者との間で実際に起こりやすいトラブル7つと、売却前にできる回避策、業者から突然連絡が来たときの対処法を解説します。

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
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共有持分の買取業者に多いトラブル事例7選
共有持分の買取業者とのトラブルは、売主と業者・業者と他の共有者・売主と他の共有者という3つの関係で起こります。
典型的な事例を知っておけば、契約前の予防も、連絡が来たあとの対応も落ち着いて判断できます。
トラブル①執拗な営業電話や訪問を受ける
査定の依頼や問い合わせをきっかけに、執拗な営業を受けるトラブルが目立ちます。
仕事中や夜間の電話、アポイントのない自宅訪問、断ったあとも続く勧誘が典型例です。
持分を買い取った業者が、他の共有者に対して繰り返し接触するケースもあります。
宅地建物取引業法とその施行規則は、勧誘に先立って商号・担当者名・勧誘の目的を告げないこと、契約しない意思を示した相手への勧誘の継続、迷惑を覚えさせるような時間帯の電話や訪問を禁止しています。
しつこい勧誘は、業者側の法令違反にあたる可能性がある行為です。
対応としては、売却や購入の意思がないことをはっきり伝えたうえで、書面やメールなど記録が残る形で拒否を伝える方法が有効です。
改善されない場合は、免許を出している行政庁や宅地建物取引業保証協会に相談してください。
【参考】
宅地建物取引業法第47条の2|e-Gov法令検索
宅地建物取引業法施行規則第16条の12|e-Gov法令検索
トラブル②相場より大幅に安い価格で買い叩かれる
共有持分の売却では、相場が見えにくいことを利用した買い叩きに注意してください。
共有持分は単独では活用しづらく買い手が限られるため、市場価格に持分割合を掛けた金額より安くなるのが一般的です。
ただ、安くなりやすい事情につけ込んで「持分だけでは価値がない」と告げ、極端な安値で即決を迫る業者も存在します。
国民生活センターも、不動産業者が買主となる取引について、提示された価格で契約したあとに相場より安かったと気づく相談が寄せられていると注意を促しています。
納得できないまま応じる必要はなく、共有物分割の手続きのなかで不動産鑑定を経て、適正な代償金を受け取る道もあります。
提示された金額をそのまま受け入れず、不動産全体の価格から持分相当額を確認する姿勢が大切です。
査定書や鑑定書など、価格の根拠になる資料を手元に集めておきましょう。
トラブル③契約直前に買取価格を引き下げられる
口頭の査定額で話を進め、契約直前になって大幅な減額を提示する手口にも注意してください。
「権利関係に問題が見つかった」「調査の結果、評価が下がった」といった理由で、当初の提示額から大きく下げられたという相談も見られます。
売主側が売却を前提に予定を組んだあとでは断りにくく、不利な条件を受け入れてしまいがちです。
減額の理由を尋ねても、具体的な説明のないまま契約を急がされるなら、いったん交渉を打ち切りましょう。
防止策は、査定額の内訳と、どのような場合にいくら減額されるのかという条件を、契約前に書面で確認しておくことです。
契約前の段階で違約金を理由に即決を迫られても、その根拠を確認しないまま条件を受け入れる必要はありません。
トラブル④買取業者が他の共有者に持分の売却を迫る
持分を売却したあと、買取業者が他の共有者に接触して売却を迫るトラブルもよく起こります。
買取業者のビジネスモデルは、取得した持分を足がかりに残りの持分も買い集め、不動産全体を転売して利益を得ることにあります。
「一緒に売却するか、当社の持分を買い取るか」という提案が親族に対しておこなわれることも、この構造上めずらしくありません。
売却前に業者へ「売却後は他の共有者へどのように連絡するのか」を確認しておくと、親族への影響をある程度コントロールできます。
交渉の域を超えて、立退きの要求や敷地への出入りに発展した例もあります。
売主本人だけでなく、残された共有者にも影響が及ぶ点を理解したうえで、売却を判断してください。
家族への説明の準備も、摩擦を減らす材料になります。
トラブル⑤買取業者から家賃や使用料を請求される
持分を取得した業者が、共有不動産に住んでいる他の共有者へ使用料を請求するケースもあります。
自分の持分割合を超えて共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、ほかの共有者に対して使用の対価を償還する義務を負います。
2023年4月に施行された改正民法で、義務の内容が明文化されました。
業者はこのルールを根拠に持分割合に応じた家賃相当額を求めます。
過去にさかのぼった請求や、相場を超える金額が混じることもあります。
もっとも、この規定が施行されたのは2023年4月1日であり、それ以前の使用分まで同じ条文をそのまま根拠にできるとは限りません。
とはいえ、請求された金額や前提がつねに適正とは限りません。条文には「別段の合意がある場合を除き」という留保があり、以前の共有者との間で無償で住み続ける取り決めがあった場合などは、そのまま請求が通るとは限らないためです。
金額の根拠と、従前の共有者との取り決めの有無を確認し、安易に支払いや合意に応じないでください。
対応に迷う場合は、弁護士に相談するのが安全です。
トラブル⑥共有物分割請求訴訟を起こされる
交渉がまとまらない場合、買取業者から共有物分割請求訴訟を起こされる可能性があります。
各共有者は原則としていつでも共有物の分割を請求でき、協議がまとまらなければ裁判所に分割を求めることができます。
ただし、5年を超えない範囲で分割しない旨の契約がある場合は、その期間中は請求できません。
訴訟になると、裁判所はまず現物分割か賠償分割(一方が代償金を支払って持分を取得する方法)を検討し、いずれもできない場合に競売による換価分割を命じます。
訴訟への対応には時間と費用がかかり、競売になれば市場価格を下回る換価もあり得ます。
一方で、判決前に和解し、他の共有者が業者の持分を買い取って解決した事例もあります。
訴状が届いても慌てず、早めに弁護士へ相談してください。
訴訟の見通しを立てるうえでも、不動産の評価資料は早めに集めておきましょう。
トラブル⑦売主と他の共有者の関係が悪化する
持分の売却をきっかけに、売主と親族との関係が悪化するトラブルも少なくありません。
持分の売却は法律上単独でできますが、他の共有者から見れば、ある日突然、見知らぬ業者が共有者に加わる事態になります。
「勝手に売却された」「事前に言ってくれれば自分が買い取ったのに」という不満が生まれ、親族関係の修復が難しくなるケースが典型です。
売却そのものは有効なため、あとから取り消して関係を戻すことも基本的にできません。
兄弟間や親子間の共有では、感情面のこじれが遺産分割など別の問題に波及することもあります。
売却前のひと言の連絡で防ぎやすいトラブルです。
家族関係を保ちたい場合は、売却以外の選択肢との比較も欠かせません。
共有持分の買取業者とのトラブルが起こりやすい2つの理由
共有持分の買取業者とトラブルが起こりやすい背景には、構造的な理由が2つあります。
理由①:買取業者の目的は持分を安く仕入れて単独所有化・転売すること
買取業者の主な目的は、持分を安く仕入れて不動産全体を単独所有化し、市場価格で転売して利益を得ることです。
持分のままでは市場で高く売れないため、業者は他の共有者からも持分を買い取るか、自社の持分を買い取らせることで、共有状態の解消を急ぎます。
仕入れ値が安いほど利益が大きくなる構造のため、安値の提示や強気の交渉が起こりやすくなります。
買取までのスピードや現金化のしやすさという利点も、同じ構造から生まれたものです。
安く仕入れて転売するという構造を知っておけば、業者の提示額や交渉姿勢の背景を冷静に読み取れます。
売却後にどのような働きかけが親族に及ぶかも、あらかじめ予測できます。
売り急ぐ事情がない限り、価格と条件をじっくり比較する余裕を持ってください。
理由②:共有持分は他の共有者の同意なしに売却できる
不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要ですが、自分の持分だけであれば、ほかの共有者の同意なしに売却できます。
持分は各共有者が単独で処分できる財産で、売却にあたって事前の連絡や承諾は法律上不要です。
だからこそ、ある日突然、見知らぬ買取業者が共有者として現れる事態が起こります。
登記が済めば、業者は共有者としての権利を法律上正当に主張できる立場になります。
また、2023年4月施行の改正民法では、共有物の使用や管理に関するルールが整理され、持分の過半数で決められる事項などが明確になりました。
共有関係の基本ルールを知っておくことが、トラブル対応の出発点になります。
共有持分を売却する前にできるトラブル回避策4つ
これから持分を売る場合、契約前の行動で大半のトラブルは予防しやすくなります。
いずれの回避策も費用はかからず、売却を決める前から実行できるものです。
回避策①複数の買取業者に査定を依頼して相場を把握する
共有持分の買い叩きを防ぐ第一歩は、少なくとも3社に査定を依頼して提示額を比べることです。
1社の言い値だけでは、提示された金額が適正かどうか判断できません。
複数の査定額を並べれば、持分のおおよその価格帯が見えてきます。
査定の際は、物件の所在地・持分割合・他の共有者との関係など、同じ条件を各社に伝えて比較の精度を上げてください。
相見積もりを取っていると業者に伝えること自体が、極端な安値提示への抑止力にもなります。
不動産全体の市場価格を周辺の売出事例などで調べておくことも、持分相当額の目安を立てるうえで有効です。
査定を無料としている業者が多く、依頼したからといって売却する義務は生じません。
受け取った査定書は、書面かデータで必ず保管してください。
回避策②査定額の根拠と減額条件を書面で確認する
契約直前の減額トラブルは、契約前の書面確認で防ぎやすくなります。
確認すべきポイントは次の3点です。
- 査定額の内訳
- 減額があり得る条件と金額
- 通常の費用以外の名目で請求されるものの有無
買取では原則として仲介手数料が発生しないため、「業務委託費」「調整費」といった名目の費用を求められたら、根拠の説明を求めてください。
費用の説明を受けた内容は、契約書や覚書の条文として残すよう依頼します。
口頭の説明だけで書面を出さない業者や、質問への回答があいまいな業者は、候補から外すのが安全です。
書面に残すことを渋る姿勢自体が、信頼性を測る材料になります。
契約書の内容に不安が残る場合は、契約前に弁護士へ確認を依頼する方法もあります。
回避策③売却前に他の共有者へひと言連絡しておく
他の共有者への事前連絡に法律上の義務はありませんが、トラブル予防の効果は大きい行動です。
売却の意向と理由をひと言伝えておくだけで、「勝手に売られた」という不信感の大部分は避けやすくなります。
連絡を受けた共有者が「それなら自分が買い取りたい」と申し出るケースも珍しくありません。
業者に売るより高い価格になったり、円満な解決につながったりする展開も現実的です。
話し合いの結果として全体売却に発展すれば、売主自身の手取りが増える可能性もあります。
なお、関係がこじれていて直接話しづらい場合の手段は、手紙や、不動産会社・弁護士など第三者を介した連絡です。
いずれの場合も、伝えた記録を残しておくと後日の誤解を防げます。
回避策④契約を急かす業者とは契約しない
「今日中に決めてもらえれば高く買える」「ほかに知られると価値が下がる」などと即決を迫る業者とは、契約しないでください。
買取業者の即決を求める圧力は、比較検討されると困る事情のある業者に共通するサインです。
冷静に比べる時間を奪い、安値や不利な条件を受け入れさせる狙いです。
国民生活センターにも、長時間の勧誘や事実と異なる説明によって望まない契約をしてしまったという相談が寄せられています。
信頼できる業者は、他社との比較や親族への相談を当然のものとして受け入れます。
迷ったらいったん持ち帰り、家族や専門家に相談してから返答してください。
検討時間を求めただけで態度が変わるようであれば、契約を見送る判断材料になります。
信頼できる共有持分買取業者の見分け方3つ
業者選びの段階では、行動面の対策に加えて、業者そのものの信頼性を確認します。
免許・実績・専門家との連携という3つの視点で、公的システムや公式サイトから無料で確かめられます。
見分け方①宅建業免許の有無と行政処分歴を公的システムで確認する
業者の基本的な信頼性は、国の公的システムを使って無料で確認できます。
不動産の売買を業としておこなうには、宅地建物取引業の免許が必要です(宅地建物取引業法第3条第1項)。
宅地建物取引業の免許番号は「東京都知事(5)第12345号」のように表記され、かっこ内の数字は免許を受けた回数で、(1)が新規、以後は5年ごとの更新のたびに1つ増えます。
数字が大きいほど、営業年数が長い目安です。
免許情報は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、行政処分の履歴は同省の「ネガティブ情報等検索システム」で調べられます。
免許が確認できない業者や、直近で処分歴のある業者は候補から外してください。
確認にかかる時間は数分程度で、費用もかかりません。
【参考】
建設業者・宅建業者等企業情報検索システム|国土交通省
ネガティブ情報等検索サイト|国土交通省
見分け方②共有持分の買取実績と評判を確認する
共有持分は登記や権利関係の確認に手間がかかる物件のため、持分買取の実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
一般の不動産会社では、共有持分の仲介や買取自体を断られることも珍しくありません。
公式サイトで買取事例・年間の取扱件数・運営歴を確認し、共有持分を継続的に扱っているかを見てください。
買取後の登記手続きまで自社で完了させた事例があるかどうかも、確認しておきたいポイントです。
また、利用者の評判は、複数の口コミサイトを見比べて確認しましょう。
極端な高評価だけが並ぶページは、割り引いて読む姿勢も必要です。
実績の説明を求めたときに、具体的な件数や事例を示せるかどうかも判断材料になります。
買取業者の運営歴の長さと実績の両方がそろっていれば、判断の確度は高まります。
見分け方③弁護士など専門家につないでもらえる業者を選ぶ
売却後のトラブルまで見据えるなら、法律面の相談先を案内してもらえる業者を選んでください。
持分の売買では、登記手続きや権利関係の確認など、法律や登記の知識が必要になる場面が避けられません。
弁護士や司法書士につないでもらえる業者であれば、権利関係の確認や必要書類の準備もスムーズです。
ただし、他の共有者との交渉そのものを不動産会社が代理することはできません。
紛争性のある交渉の代理は弁護士の業務です。
反対に、法律面の質問への回答があいまいな業者は、売却後の対応を想定していないおそれがあります。
確認方法として、顧問弁護士の有無や、買取後に他の共有者へいつ・どのような内容で連絡するのかを質問してみてください。
対応方針を具体的に説明できる業者は、売却後の紛争リスクまで考えて動いていると判断できます。
質問への回答の速さや正確さも、あわせて確認しておきましょう。
買取業者から「持分を買い取った」と連絡が来たときの対処法4つ

他の共有者が持分を売却し、買取業者から突然連絡が来た側の対処法を解説します。
無視や放置をせず対応方針を決める
業者からの通知や電話を無視し続ける対応は、おすすめできません。
放置しても業者の持分がなくなるわけではなく、交渉に応じない状態が続けば、業者が共有物分割請求訴訟に踏み切りかねないためです。
通知には、回答の期限が区切られていることも少なくありません。
訴訟になると、望まないタイミングと条件で共有関係の清算を迫られ、時間や費用の負担も生じがちです。
一方で、業者の言いなりになる必要もありません。
無視でも即答でもなく、情報を集めて準備したうえで対応方針を決めることが、連絡を受けた側の基本姿勢です。
届いた書面は捨てずに保管し、日付と内容を整理しておきましょう。
対応の期限を自分で決めておくと、先延ばしが続く事態を防げます。
「一緒に売るか買い取るか」の二者択一には即答しない
「一緒に売却するか、当社の持分を買い取るか、どちらかを選んでください」と迫られても、即答しないでください。
二者択一の提示は、単独所有化を急ぎたい業者側の都合による提案にすぎません。
選択肢を2つに絞る言い方自体が、交渉術のひとつです。
提案に応じる法律上の義務はなく、当面は現状のまま維持する選択も、共有物分割など別の手段を選ぶこともできます。
提案内容は必ず書面で受け取り、検討の時間を確保してください。
「応じなければ競売になる」といった強い言葉や、繰り返しの訪問など行き過ぎた言動があれば、日時と内容を記録してください。
記録は、弁護士や警察へ相談する際の材料になります。
回答を保留しても、法律上の不利益が直ちに生じるわけではありません。
不動産全体の適正価格を把握してから交渉する
業者の持分を買い取る場合も、自分の持分を売る場合も、交渉の前に不動産全体の適正価格を把握してください。
連絡を受けた側の主な選択肢は次の3つです。
- 業者の持分を買い取って単独所有にする
- 自分の持分も売却して共有関係から抜ける
- 共有物分割の手続きで清算する
どれを選ぶにしても、価格の基準がなければ交渉が成り立ちません。
複数の不動産会社への査定依頼や、不動産鑑定士による鑑定で、全体の市場価格と持分相当額を確認しましょう。
固定資産税評価額や周辺の取引事例も、価格の妥当性を確かめる手がかりになります。
鑑定結果に基づいて交渉や訴訟に臨み、適正な代償金での解決に至った事例もあります。
資料の充実は、交渉の主導権を握るための土台です。
早めに共有持分トラブルを得意とする弁護士へ相談する
対応に迷いがあるなら、早い段階で共有持分のトラブルに詳しい弁護士へ相談してください。
弁護士に依頼すれば、業者との交渉窓口を一本化でき、直接の連絡や訪問をやめるよう通知することも可能です。
共有物分割請求訴訟を起こされた場合の対応や、和解交渉もそのまま任せられます。
初回相談を無料とする事務所も多く、相談だけでも初動の誤りを防ぎやすくなります。
相談の際は、業者から届いた書面・登記事項証明書・固定資産税の課税明細書の持参がおすすめです。
具体的な助言を受けやすくなります。
早い段階の相談ほど、選べる手段も豊富です。
なお、強引な勧誘や契約に関するトラブルは、消費生活センター(消費者ホットライン188)も相談先になります。
状況に応じて使い分けてください。
買取業者に売る以外で共有状態を解消する3つの方法

買取業者への売却は、共有状態を解消する唯一の方法ではありません。
全体売却・親族間での売買・共有物分割請求という代替手段を、価格や関係への影響とあわせて解説します。
共有者全員で不動産全体を売却する
共有者全員の同意を得られるなら、不動産全体をまとめて売却する方法が価格面で有利になりやすい選択肢です。
全体売却であれば通常の不動産市場で買い手を探せるため、持分だけを売る場合の割安な価格を避けられます。
売却代金の分け方は、持分割合に応じた分配が基本です。
仲介での売却なら、価格交渉の余地も大きくなります。
ただし課題は、共有者全員の同意という条件です。
1人でも反対すれば実行できません。
反対の理由が価格や税金への不安であれば、条件面の調整で合意に至る余地もあります。
もっとも、時間はかかっても金額面の納得感を得やすい方法です。
話し合いのきっかけとして、査定額など具体的な数字を示したり、不動産会社や専門家に間へ入ってもらったりする方法が有効です。
他の共有者に持分を買い取ってもらう
第三者を共有関係に入れたくない場合は、他の共有者に持分を買い取ってもらう方法を検討してください。
親族間の売買であれば、見知らぬ業者が共有者に加わる事態を避けられ、感情面の摩擦も起こりにくくなります。
価格や支払い方法も、当事者間で柔軟に決められます。
分割払いなど、事情に応じた条件設定もしやすい方法です。
ただし注意したいのは価格設定です。
市場価格より著しく安い金額で売買すると、差額分が贈与とみなされて贈与税の課税対象になるおそれがあります(相続税法第7条)。
そのため、査定書などで適正価格の根拠を残してください。
税額の判断が必要な場合は、税理士に相談するのが確実です。
持分の名義変更には登記が必要になるため、手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。
共有物分割請求で共有関係を清算する
話し合いで解決できないときは、共有物分割請求で共有関係を清算する方法があります。
各共有者は原則としていつでも共有物の分割を請求できます。
まず共有者間で協議し、まとまらなければ裁判所に分割を求める流れです。
裁判所は、土地を物理的に分ける現物分割か、一方が代償金を支払って取得する賠償分割をまず検討し、いずれもできない場合に競売で換価して分配する方法を命じます。
相手方との交渉や訴訟の代理を依頼できるのは弁護士だけです。
紛争性のある共有物分割を検討する段階になったら、弁護士への相談を前提に進めてください。
解決までの期間や費用は事案によって幅があるため、見通しは相談時に確認しておきましょう。
共有持分の売却相談はベンナビ不動産売却へ
共有持分の売却先や相談先を探すなら、不動産売却のポータルサイト「ベンナビ不動産売却」を活用してください。
ベンナビ不動産売却は、共有持分をはじめとする売りにくい不動産の売却に対応できる不動産会社を探せるサービスです。
活用する主なメリットは次の2つです。
- 共有持分の売却に対応できる不動産会社で無料査定できる
- 掲載情報から実績や対応範囲を確認したうえで問い合わせできる
なお、買取業者との紛争がすでに深刻化している場合や、訴訟を起こされている場合は、不動産会社より先に弁護士へ相談してください。
売却の検討と紛争への対応では、頼るべき専門家が異なります。
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共有持分の買取業者トラブルに関するよくある質問
共有持分買取業者の目的は何?
取得した持分を足がかりに他の共有者の持分も取得し、不動産全体を単独所有化して市場価格で転売することが主な目的です。
持分を相場より安く仕入れるほど利益が大きくなるため、安値の提示や強気の交渉が起こりやすい構造になっています。
共有持分は他の共有者に内緒で売却できる?
自分の持分だけであれば、他の共有者の同意や事前連絡なしに売却でき、売却自体は法律上有効です。
ただし、売却後には買取業者から他の共有者へ連絡が入るのが通常で、無断での売却は親族関係の悪化を招きがちです。
可能な範囲で事前に伝えておくことをおすすめします。
共有物分割請求訴訟を起こされたら不動産を失う?
訴訟を起こされても、不動産を失うと決まったわけではありません。
裁判所は現物分割・賠償分割・競売のいずれかを選びますが、あなたが業者の持分を適正価格で買い取り、単独所有にできる可能性もあります。
鑑定に基づく主張が結果を左右するため、早めに弁護士へ相談してください。
共有持分の買取相場はいくらくらい?
一般に、不動産全体の市場価格に持分割合を掛けた金額より安くなり、物件の条件や権利関係によって差が大きくなります。
1社の提示額だけで判断せず、複数社の査定と不動産全体の価格調査で、適正な価格帯を確認してください。
まとめ|共有持分の買取業者トラブルは事前の備えと早期相談で防げる
共有持分の買取業者とのトラブルには、安値での買い叩きや執拗な営業、共有物分割請求訴訟など、典型的な型があります。
型を知っていれば、買取業者との取引を過度に恐れる必要はありません。
本記事で紹介した回避策と対処法は、売る側・売られた側のどちらの立場でも有効です。
これから売却する方は、複数社への査定依頼と業者の信頼性確認で、大半のトラブルを予防しやすくなります。
業者から突然連絡が来た方は、即答を避け、適正価格を把握したうえで買取・売却・分割のいずれかを選んでください。
売却先や相談先の候補を広げたい方は、共有持分に対応できる不動産会社を探せる「ベンナビ不動産売却」を活用してみてください。
買取業者との紛争が深刻な場合は、弁護士への相談を優先しましょう。
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