共有名義不動産

共有名義の不動産売却でかかる税金は?計算方法と共有者ごとに使える特例を解説

共有名義の不動産売却でかかる税金は?計算方法と共有者ごとに使える特例を解説

兄弟で相続した実家や、夫婦で購入したマイホームを売ることになったとき、売却代金の分け方は決まっても税金の扱いで手が止まる方は少なくありません。
誰がいくら納めるのか、売却手続きの代表者がまとめて申告してよいのか、判断のつかない論点が続きます。
共有名義の不動産は、かかる税金の種類こそ単独名義と同じです。
ただし譲渡所得税だけは持分割合に応じて按分(あんぶん/持分の割合で分けること)され、税率も特例の適用可否も共有者ごとに判定されます。

本記事では、共有名義の不動産を売却したときにかかる税金6つと、持分割合に応じた譲渡所得税の計算方法を取り上げる記事です。
共有者それぞれが使える4つの特例と、確定申告の進め方、共有者が売却に同意しないときの解決方法もあわせて整理します。
読み終えるころには、自分の持分でいくら納税するかを試算でき、税理士や弁護士に相談すべきかも判断できる内容です。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

目次

共有名義の不動産を売却したときにかかる税金6つ

共有名義の不動産を売却したときにかかる税金は、次の6つです。
税目そのものは単独名義と変わらず、共有名義で扱いが変わるのは譲渡所得税と固定資産税の清算金だけです。

  • 譲渡所得税・住民税
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 消費税
  • 固定資産税・都市計画税
  • 相続税
税金の種類課税される場面共有名義での扱い
譲渡所得税・住民税売却によって利益が出たとき譲渡所得を持分割合で按分し、共有者ごとに課税される
印紙税売買契約書を作成したとき契約書1通につき1回。共有者間で持分割合に応じて負担するのが一般的
登録免許税抵当権抹消登記や相続登記をするとき単独名義と同じ。相続登記が未了なら売却前に必要
消費税仲介手数料などのサービスを受けたとき単独名義と同じ。個人が売主なら売却代金には課税されない
固定資産税・都市計画税毎年1月1日時点で所有しているとき買主から受け取る清算金を持分割合で分ける
相続税相続によって不動産を取得したとき納めた相続税の一部を取得費に加算できる

譲渡所得税・住民税は売却益に対して持分割合に応じてかかる

譲渡所得税とは、不動産を売って得た利益に課される所得税・復興特別所得税・住民税をまとめた呼び方です。
売却代金そのものではなく、購入と売却にかかった費用を差し引いた利益に対して課されます。
利益にあたる譲渡所得は、収入金額から取得費と譲渡費用を引き、さらに特別控除額を引いて求めます。
譲渡所得がゼロ以下なら、譲渡所得税も住民税も発生しない仕組みです。

共有名義の場合は、不動産全体で計算した譲渡所得に持分割合を掛けて按分し、共有者がそれぞれ自分の分を納めます。
税率は所有期間に応じた2段階です。
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば20.315%、5年以下であれば39.63%です。

区分所得税復興特別所得税住民税合計
長期譲渡所得 5年超15%0.315%5%20.315%
短期譲渡所得 5年以下30%0.63%9%39.63%

【参考】No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁

印紙税は売買契約書の記載金額に応じてかかる

印紙税は、売買契約書という文書に対して課される税金です。
契約書に書かれた売買金額に応じて段階的に高くなり、収入印紙を貼って消印することで納めます。

共有者が何人いても、印紙税がかかるのは契約書1通につき1回です。
共有者全員が売主として1通の契約書に署名するのが通常のため、税額は持分割合に応じて負担を分けるのが一般的です。
売主と買主が1通ずつ保管する場合は2通分かかるため、どちらが負担するかを契約前に決めておきましょう。
記載金額が10万円を超える不動産の譲渡に関する契約書は、2027年(令和9年)3月31日までに作成されるものであれば軽減税率が適用されます。

契約金額本則税率軽減税率
500万円超1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超1億円以下6万円3万円
1億円超5億円以下10万円6万円

【参考】不動産の譲渡に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁

登録免許税は抵当権抹消登記や相続登記でかかる

登録免許税は、不動産の登記を申請するときに国に納める税金です。
売主が負担するのは、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記と、名義が被相続人のままになっている場合の相続登記の2つです。
買主へ名義を移す所有権移転登記の費用は、通例では買主が負担します。

まず、抵当権抹消登記は不動産1個につき1,000円のため、土地と建物であれば2,000円です。
相続登記は固定資産税評価額の0.4%が目安になります。

また、相続した実家を共有名義のまま放置しているケースでは、売却前に相続登記を済ませる必要があります。
2024年4月1日から相続登記は義務となり、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければ、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象です。
登記を司法書士に依頼する場合は、登録免許税とは別に報酬がかかります。

【参考】相続登記の申請義務化特設ページ|法務省

消費税は個人が売主なら原則かからない

共有名義であっても単独名義であっても、個人が自宅や相続した実家を売る場合、売却代金に消費税はかかりません。
土地の譲渡はそもそも消費税が非課税とされており、建物についても事業として売買していない個人であれば課税の対象外です。

一方で、売却の過程で受けるサービスの対価には消費税がかかり、不動産会社に支払う仲介手数料や司法書士に支払う登記の報酬が該当します。
建物を取り壊す場合の解体費用や土地の測量費用にも消費税がかかります。

こうした費用は共有者が持分割合に応じて負担するのが通常のため、消費税分も同じ比率で分け合うのが一般的です。
売主が不動産の貸付けなどをおこなう事業者にあたる場合は、建物部分が課税対象となることもあります。
相続した実家をアパートとして貸していた場合が典型例です。
自分が課税事業者にあたるかどうかの判断に迷うときは、税理士に確認しましょう。

固定資産税・都市計画税は清算金を持分割合で受け取る

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に対して1年分がまとめて課される税金です。
税率は自治体によって異なり、固定資産税は標準で1.4%、都市計画税は上限0.3%が目安になります。
年の途中で売却して所有者が変わっても、売却した年の納税義務者は1月1日時点の所有者である売主のままです。
そのため実務では、引渡日を境に日割り計算し、引渡日以降の分を買主が清算金として売主に支払います。

共有不動産では、共有者の代表1名に対して1年分の納付書が送られるのが一般的です。
代表者が立て替えた税額と、買主から受け取る清算金の両方を、持分割合に応じて共有者間で精算する必要があります。
買主から受け取る清算金は税金の還付ではなく売買代金の一部として扱われ、譲渡所得の収入金額に含めて申告します。

相続税はすでに納めていれば取得費に加算できる

不動産を売ったことに対して相続税が課されるわけではありません。
相続税は相続によって財産を取得したときにかかる税金であり、売却時に改めて課税されることはないためです。
相続時に相続税を納めている場合は、納めた相続税のうち売却した不動産に対応する部分を取得費に上乗せできます。
取得費が増えれば譲渡所得が小さくなるため、譲渡所得税の負担を抑えられます。

ただし、取得費加算の特例を使えるのは期限内に売却した場合だけです。
相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却しなければ適用されません。
相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヵ月のため、実質的には相続開始から3年10ヵ月が期限です。
相続税を納めていない方は対象外となります。

共有名義の不動産売却で税金が単独名義と変わる3つの違い

共有名義で扱いが変わるのは、次の3点です。
共有者全員をまとめて1人の売主として計算するのではなく、いずれも共有者ごとに個別に判定されます。

  • 譲渡所得は持分割合に応じて按分される
  • 所有期間による税率は共有者ごとに判定される
  • 特別控除の適用可否も共有者ごとに判定される

3点とも共有者ごとの個別判定であるため、同じ不動産を同じ日に売っても、共有者によって納税額が変わります。

譲渡所得は持分割合に応じて按分される

共有名義の不動産を売ったときの譲渡所得は、まず不動産全体で計算し、次に各共有者の持分割合を掛けて按分します
共有者はそれぞれ、自分の持分に対応する譲渡所得に対してのみ課税されます。
持分割合の確認先は、法務局で取得できる登記事項証明書の甲区です。
兄弟2人で2分の1ずつであれば譲渡所得も2分の1ずつ、3分の2と3分の1で登記されていれば同じ比率で分かれます。

そのため、按分によって1人あたりの譲渡所得が小さくなり、同じ売却価格でも単独名義より税負担は軽くなる傾向があります。
取得費と譲渡費用も同じ持分割合で按分し、それぞれの申告に計上してください。

ただし注意したいのは、按分の基準が登記上の持分割合だけである点です。
共有者のうち1人が固定資産税を長年立て替えていたとしても、立て替えた負担分を譲渡所得の按分に反映させることはできません。
立て替えた分は共有者間の精算として、売却代金の分配とは別に処理します。

所有期間による税率は共有者ごとに判定される

譲渡所得税の税率を決める所有期間は、共有者ごとに判定されます。
同じ不動産を同じ日に売っても、取得した時期が違えば適用される税率が分かれます。

まず、判定の基準は「売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているか」です。
売却日から数えて5年ではない点に注意してください。
たとえば2020年5月に取得した不動産を2026年3月に売った場合、2026年1月1日時点の所有期間は5年8ヵ月のため長期譲渡所得になります。

なお、相続や贈与で取得した持分の取得時期は、被相続人や贈与者の取得時期と同じです。

そのため、相続してすぐに売却しても長期譲渡所得として扱われるケースが多くなります。
一方、自分で購入した持分は取得日から数えるため、同じ不動産でも共有者間で税率が分かれる点に注意してください。

特別控除の適用可否も共有者ごとに判定される

居住用財産の3,000万円特別控除などの特例は、共有者一人ひとりについて要件を満たすかどうかを判定します。
そのため、同じ不動産を売っても、控除の可否は共有者ごとに別々です。

たとえば実家に同居していた長男は控除を使えても、遠方に住んでいた次男は使えません。
反対に、夫婦がともに住んでいた自宅であれば2人とも控除を使えます。
共有者3人がそれぞれ要件を満たせば、合計で9,000万円分の譲渡所得を控除できる計算です。

控除は自動で適用されるものではなく、共有者それぞれが確定申告をして初めて認められます
売却手続きの代表者がまとめて申告しても、ほかの共有者に控除は適用されません。
控除を使えるかどうかで手取りが数百万円単位で変わるため、売却の前に共有者ごとの適用可否を確認しておきましょう。

共有名義の不動産売却にかかる譲渡所得税の計算方法4ステップ

譲渡所得税は、次の4ステップで計算します。
按分してから控除を差し引く順序で進める点が、単独名義との違いです。
共有者はそれぞれ、自分の数字でこの4ステップをたどります。

  • STEP1 不動産全体の譲渡所得を計算する
  • STEP2 譲渡所得を持分割合で按分する
  • STEP3 共有者ごとに特別控除を差し引く
  • STEP4 所有期間に応じた税率をかけて税額を出す

STEP1 不動産全体の譲渡所得を計算する

最初に、不動産全体でいくらの利益が出たかを計算します。
譲渡所得は、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いた金額です。
取得費と譲渡費用を漏れなく計上するほど、課税される所得は小さく抑えられます

収入金額には、売買代金だけでなく買主から受け取る固定資産税の清算金も含めます。
取得費のうち建物部分は、購入代金から使用期間に応じた減価償却相当額を差し引いた金額です。

区分含められるもの含められないもの
取得費購入代金、購入時の仲介手数料、登記費用、不動産取得税、測量費、造成費購入後の修繕費、維持管理費、火災保険料
譲渡費用売却時の仲介手数料、売買契約書の印紙税、建物の解体費用、借家人への立退料引越代、住宅ローンの返済額、売却前のリフォーム費用

STEP2 譲渡所得を持分割合で按分する

次に、全体の譲渡所得に自分の持分割合を掛けて、自分が申告すべき譲渡所得を切り出します。
按分の基準になるのは登記事項証明書に記載された持分割合であり、売却代金を実際にどう分けたかではありません。

たとえば全体の譲渡所得が3,000万円で、兄弟2人が2分の1ずつを持っている場合、それぞれの譲渡所得は1,500万円です。
持分が3分の2と3分の1であれば、2,000万円と1,000万円に分かれます。

取得費と譲渡費用も同じ持分割合で按分し、各自の申告書に計上します。
仲介手数料を代表者がまとめて支払った場合も、譲渡費用としては持分割合で分けて計上してください。
売却代金の分配比率と登記上の持分割合が食い違うと贈与税の問題が生じるため、分配は持分割合どおりにおこないましょう。

STEP3 共有者ごとに特別控除を差し引く

按分して求めた自分の譲渡所得から、要件を満たす場合に特別控除を差し引きます。
控除後に残った金額が、実際に課税される所得です。
按分後の譲渡所得が3,000万円以下であれば、居住用財産の3,000万円特別控除を使える共有者は課税所得がゼロになります。
先ほどの例で兄弟それぞれの譲渡所得が1,500万円であれば、実家に住んでいた共有者は納税額がゼロです。

一方、住んでいなかった共有者は控除を使えないため、按分した1,500万円がそのまま課税対象になります。
同じ不動産を売っても、居住実態の有無で納税額が数百万円変わる計算です。

複数の特例を使える場合は、適用する順序や組み合わせによって税額が変わります。
相続税額の取得費加算は取得費側で効き、3,000万円特別控除は譲渡所得から直接差し引きます。
効き方が異なるため、試算をしたうえで有利なものを選びましょう。

STEP4 所有期間に応じた税率をかけて税額を出す

最後に、控除後の課税所得に所有期間に応じた税率を掛けて税額を算出します。
長期譲渡所得であれば20.315%、短期譲渡所得であれば39.63%です。
譲渡所得は分離課税といって、給与所得や年金所得とは合算せずに単独で税額を計算します。
給与の累進税率が上がらない利点がある一方、売却で損失が出ても原則としてほかの所得と相殺できません。

たとえば控除後の課税所得が1,000万円で長期譲渡所得にあたる場合、税額は約203万円です。
同じ金額でも短期譲渡所得であれば約396万円となり、負担は2倍近くまで開きます。
所得税は売却した年の翌年3月15日までに納め、住民税は翌年6月以降に自治体から届く納税通知書に従って納めます。
所得税と住民税で納付時期がずれるため、売却代金から納税資金を確保しておきましょう。

ケース別|共有名義の不動産売却にかかる税金シミュレーション

共有名義の不動産売却では、取得の経緯と居住実態によって使える控除が変わり、税額も大きく動きます。
以下は、代表的な3つのケースについて前提条件を置いた概算です。
実際の税額は、取得費の資料の有無や居住実態によって変動します。

  • 兄弟2人で相続した実家を売却したケース
  • 夫婦共有のマイホームを売却したケース
  • 自分の共有持分だけを売却したケース
ケース1人あたりの譲渡所得使える控除1人あたりの税額の目安
兄弟2人で相続した実家1,825万円空き家の3,000万円特別控除0円 ※控除を使えない場合は約370万円
夫婦共有のマイホーム1,400万円居住用財産の3,000万円特別控除0円
自分の共有持分だけを売却730万円なし約148万円

兄弟2人で相続した実家を売却したケース

被相続人が一人暮らしをしていた昭和築の実家を、兄弟2人が2分の1ずつ相続し、相続から2年後に4,000万円で売却したケースを考えます。
購入時の契約書が見つからず、取得費は不明という前提です。

まず、取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として計上できます。
上記の例では200万円です。
譲渡費用が150万円であれば、全体の譲渡所得は3,650万円、1人あたりでは1,825万円になります。

相続した空き家を売るときに使える空き家の3,000万円特別控除の要件を満たせば、2人とも課税所得はゼロです。
要件を満たせず控除を使えない場合は、長期譲渡所得の税率20.315%を掛けて1人あたり約370万円の税額が生じます。
取得費の資料が見つかるかどうかで、負担は大きく変わります。

夫婦共有のマイホームを売却したケース

夫婦が2分の1ずつの持分で12年間住んでいた自宅を、5,000万円で売却したケースを考えます。
取得費は2,000万円、譲渡費用は200万円とします。
全体の譲渡所得は2,800万円で、按分すると1人あたり1,400万円です。
夫婦がともに居住していれば、それぞれが居住用財産の3,000万円特別控除を使えるため、2人とも課税所得はゼロになります。

離婚にともなう売却で一方がすでに転居している場合も、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売却すれば控除の対象です。

ただし、離婚が成立する前に配偶者へ持分を売る形をとると、特別の関係にある人への売却として控除を使えなくなります。
売却と離婚の順序は慎重に決めましょう。

自分の共有持分だけを売却したケース

ほかの共有者と合意できず、3分の1の持分だけを800万円で売却したケースを考えます。
相続で取得しており、取得費は不明とします。
概算取得費は40万円、譲渡費用が30万円であれば、譲渡所得は730万円です。
被相続人の所有期間を引き継いで5年を超えるため長期譲渡所得にあたり、税率20.315%を掛けると税額は約148万円です。

自分が住んでいない不動産の持分売却では、居住用財産の3,000万円特別控除を使えません。
相続税を納めていれば取得費加算の特例は使えるため、期限内であれば税額を抑えられます。
持分だけを売る場合の価格と税額の見通しは、共有持分の買取に対応する会社の査定と弁護士の助言を並べて確かめてください。
ベンナビ不動産売却では、弁護士や司法書士と連携する会社に無料で査定を依頼できます。

共有名義の不動産売却で使える税金の特例4つ

共有名義の不動産売却で使える可能性がある特例は、次の4つです。
いずれも共有者ごとに要件を判定し、確定申告をして初めて適用を受けられます。
申告しなければ自動では適用されません。

  • 居住用財産の3,000万円特別控除
  • 空き家の3,000万円特別控除
  • 相続税額の取得費加算の特例
  • 10年超所有のマイホームの軽減税率の特例
特例控除・軽減の内容主な要件期限
居住用財産の3,000万円特別控除譲渡所得から最大3,000万円を控除自分が住んでいた家屋とその敷地を売ること住まなくなってから3年を経過する年の12月31日まで
空き家の3,000万円特別控除譲渡所得から最大3,000万円を控除 ※相続人3人以上は2,000万円被相続人が一人で住んでいた1981年5月31日以前建築の家屋であること相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
相続税額の取得費加算の特例納めた相続税の一部を取得費に加算相続税を納めていること相続開始の翌日から3年10ヵ月以内
10年超所有の軽減税率の特例課税所得6,000万円以下の部分の税率を14.21%に軽減売却年の1月1日時点で所有期間が10年を超えること3,000万円特別控除と併用可

居住用財産の3,000万円特別控除は共有者それぞれが使える

自分が住んでいたマイホームを売る場合、共有者一人ひとりが譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
主な要件は次のとおりです。

  • 現に住んでいる家屋とその敷地を売ること
  • すでに転居している場合は、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売ること
  • 売った年の前年および前々年に同じ控除を使っていないこと
  • 別荘や一時的な入居ではなく、生活の実態があること
  • 親子や夫婦など特別の関係にある人への売却でないこと

ただし、建物を所有していない共有者は控除を使えません
父が土地の2分の1だけを持ち、長男が土地の2分の1と建物すべてを持っている場合、原則として控除を使えるのは長男だけです。
父が長男と同居して生計を一にしているなど一定の要件を満たす場合に限り、長男の控除の残額の範囲で父も控除を受けられます。
3,000万円特別控除を使うと買換え先で住宅ローン控除を受けられなくなるため、住み替えではどちらが有利かを試算して選びましょう。

【参考】No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

空き家の3,000万円特別控除は相続した実家の売却で使える

自分が住んでいなくても、被相続人が一人暮らしをしていた実家を相続して売る場合は、要件を満たせば共有者それぞれが最大3,000万円を控除できます。
相続人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除額が2,000万円に下がります。
主な要件は次の5つです。

  • 1981年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物でないこと
  • 相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと
  • 相続時から売却時まで事業や貸付け、居住に使っていないこと
  • 売却代金が1億円以下であること

さらに、耐震基準を満たすようリフォームしてから売るか、家屋を取り壊して敷地だけを売る必要があります。
買主が売買の翌年2月15日までに耐震改修や取壊しをした場合も対象です。
期限は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までで、かつ2027年12月31日までに売却する必要があります。

【参考】No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

相続税額の取得費加算の特例は3年10ヵ月以内に売れば使える

相続税を納めた方が一定期間内に不動産を売却した場合、納めた相続税のうち売却した不動産に対応する部分を取得費に加算できます。
取得費が増えるぶん譲渡所得が小さくなり、譲渡所得税の負担を抑えられます。
期限は、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。
相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヵ月のため、実質的には相続開始から3年10ヵ月が区切りになります。

相続税を納めていない方は対象外です。
基礎控除の範囲内で相続税の申告が不要だった場合は、取得費加算の特例を使えません。
居住用財産の3,000万円特別控除とは併用できますが、空き家の3,000万円特別控除とは併用できないため、有利なほうを選んでください。
取得費が不明で概算取得費を使う場合でも、相続税額の加算はできます。

【参考】No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁

10年超所有のマイホームは軽減税率の特例を併用できる

3,000万円特別控除を差し引いてもなお課税所得が残る場合は、軽減税率の特例で税率を下げられます。
売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えるマイホームが対象です。

具体的には、軽減税率が適用されるのは控除後の課税所得のうち6,000万円以下の部分です。
所得税10%、復興特別所得税0.21%、住民税4%の合計14.21%となり、通常の長期譲渡所得の20.315%より6%以上低くなります。
6,000万円を超える部分の税率は通常どおりです。

また、所有期間は相続で取得した場合に被相続人の所有期間を引き継ぐため、古い実家では10年超になりやすい傾向があります。

ただし、軽減税率の特例を使えるのは自分が住んでいた共有者だけです。
同居していなかった共有者は、通常の長期譲渡所得の税率で計算します。
どの特例を組み合わせるかで税額が変わるため、売却前に弁護士や税理士へ相談し、共有者ごとの適用可否を確認しておきましょう。

【参考】No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

共有名義の不動産売却で贈与税がかかる3つのケース

手続きを簡単にするつもりの行動が、贈与税につながる場合があります。
次の3つのケースは、いずれも実行前に確認してください。

  • 持分を無償で移して単独名義にするケース
  • 親族間で相場より安く持分を売るケース
  • 売却代金を持分割合と違う比率で分けるケース

登記の異動があると、登記所から税務署に情報が伝わります。
申告がなければ税務署から「お尋ね」が届きます。

持分を無償で移して単独名義にすると贈与税がかかる

共有名義のまま売ると全員の同意が必要になるため、持分を1人にまとめてから売ろうと考える方がいます。

しかし、持分を無償で移すと受け取った側に贈与税がかかり、共有のまま売るより負担が重くなりがちです。
贈与税は、1年間に受けた贈与の合計額が基礎控除110万円を超える部分に課されます。
不動産の贈与額は相続税評価額で計算し、土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額が基準です。

たとえば評価額2,000万円の不動産について、父から18歳以上の子へ2分の1の持分を贈与した場合を考えます。
1,000万円から110万円を引いた890万円が課税価格です。
直系尊属からの贈与に適用される税率30%と控除額90万円を当てはめると、贈与税は177万円になります。
兄弟間や夫婦間の贈与では税率が上がり、同じ条件で231万円になります。
持分をまとめてから売るべきか共有のまま売るべきかは、売却前に弁護士へ相談し、贈与税と譲渡所得税を合わせた負担で比べてください。

【参考】No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

親族間で相場より安く持分を売ると差額が贈与とみなされる

親族の間で持分を売買するときは、価格の設定が課税の分かれ目です。
時価より著しく低い価額で持分を売ると、時価との差額を贈与で受け取ったとみなされ、買主に贈与税が課されます。

著しく低い価額にあたるかどうかは、個々の事案ごとに判定されます。
「時価の80%未満なら課税される」といった一律の基準が法令で定められているわけではないため、インターネット上で見かける目安をそのまま当てはめないでください。
時価の根拠を残すため、不動産鑑定評価や複数の不動産会社による査定を取得しておきましょう。

なお、時価の2分の1に満たない金額で売った場合に時価で譲渡したものとみなす規定は、法人に対して譲渡したときの取扱いです。
個人どうしの売買には適用されません。
個人間で問題になるのは、買主に課される贈与税のほうです。

【参考】No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき|国税庁

売却代金を持分割合と違う比率で分けると贈与税の対象になる

売却代金は、登記事項証明書に記載された持分割合どおりに分けるのが原則です。
持分より多く受け取った共有者は、持分を超える差額を贈与されたとみなされ、贈与税の対象になります。
代表者の口座に売却代金が一括で入金されたまま分配せずに放置している場合も、実質的に誰の財産かが問題になります。
決済後は速やかに精算し、振込記録や精算書を残しておきましょう。

購入時の資金の出し方と登記上の持分がもともと食い違っている場合は、売却前に是正を検討する余地があります。
夫が全額を出したのに夫婦2分の1ずつで登記しているようなケースが典型です。

ただし持分の移転そのものに贈与税や譲渡所得税がかかるため、是正した場合としなかった場合の税負担を比べたうえで判断してください。
判断に迷うときは、売買契約を結ぶ前に弁護士や税理士へ相談しておくと手戻りを避けられます。
ベンナビ不動産売却なら、弁護士や司法書士と連携する会社に売却の進め方から相談できます。

共有名義の不動産を売却したあとの確定申告は共有者ごとにおこなう

確定申告は、共有者それぞれが個別におこないます。
売却手続きの代表者がまとめて申告することはできず、1人でも申告を忘れるとその方にペナルティが及びます。

  • 確定申告は共有者がそれぞれ個別におこなう
  • 確定申告は売却した年の翌年2月16日から3月15日までにおこなう
  • 共有名義の確定申告では登記事項証明書などの書類を用意する
  • 譲渡所得の内訳書は共有者と持分割合の記入欄に注意する
  • 申告しないと無申告加算税や延滞税が課される

譲渡所得がゼロになる場合でも、特例を使うときは申告が必要です。

確定申告は共有者がそれぞれ個別におこなう

売却した不動産が1つであっても、確定申告は共有者の人数分必要です。
税務署の手続きは個人単位で進むため、代表者がほかの共有者の分をまとめて提出することはできません。
申告書に記載するのは、自分の持分に対応する譲渡所得だけです。
全体の売却価格ではなく、按分した後の金額を自分の数字として扱います。

また、特別控除や特例の適用を受けられるのも申告した方だけです。
申告を忘れると納税額が増えるだけでなく、本来使えたはずの控除の恩恵も受けられなくなります。

そこで、按分の計算根拠となる資料は共有者間で共有しておきましょう。
売買契約書の写しや按分の計算メモを全員が持っていれば、税務署から問い合わせがあったときに同じ内容で回答できます。
共有者が遠方に住んでいる場合は、決済後すぐに資料をまとめて送っておくと申告漏れを防げます。

確定申告は売却した年の翌年2月16日から3月15日までにおこなう

確定申告と所得税の納付は、譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までにおこないます。
2026年中に売却した場合であれば、2027年の申告期間が対象です。
住民税は同じ年の6月以降に自治体から届く納税通知書に従って納めます。

また、譲渡所得が発生していない場合でも、特例を適用するときや譲渡損失の繰越控除を使うときは申告が必要です。
申告しなければ特例は適用されないため、税額がゼロになる見込みでも手続きは省けません。

e-Taxを使えばマイナンバーカードで24時間いつでも提出でき、添付書類の一部は省略の対象です。
共有者が遠方に住んでいても、それぞれが自宅から手続きを完結できます。
書類の準備には時間がかかるため、売買契約の段階から領収書などを整理しておきましょう。

共有名義の確定申告では登記事項証明書などの書類を用意する

共有名義でも確定申告に必要な書類は単独名義とほぼ同じですが、持分割合とほかの共有者の情報を確認するために登記事項証明書を用意します。
基本となる書類は次のとおりです。

  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
  • 売買契約書の写し
  • 購入時の契約書や領収書など取得費がわかる書類
  • 仲介手数料などの領収書
  • 登記事項証明書
  • 本人確認書類

居住用財産の3,000万円特別控除を使う場合は、戸籍の附票の写しが加わります。
空き家の3,000万円特別控除を使う場合は、被相続人居住用家屋等確認書や耐震基準適合証明書が必要です。
購入時の契約書を紛失しているときは、仲介した不動産会社や住宅ローンを組んだ金融機関に問い合わせると資料が見つかることがあります。
e-Taxで提出する場合も原本の保管義務があるため、まとめて保存しておきましょう。

譲渡所得の内訳書は共有者と持分割合の記入欄に注意する

譲渡所得の内訳書には、共有名義の場合にだけ記入する欄があります。
売却した不動産の全体の情報を記載したうえで、自分の持分割合と、ほかの共有者の氏名と住所を書きます。

とくに収入金額の欄に記入するのは、全体の売却価格ではなく自分の持分に対応する金額です。
様式の案内に沿って、按分前の金額と按分後の金額を書き分けてください。
取得費と譲渡費用も同じ考え方で按分します。

また、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に従って持分割合を入力するだけで按分計算が自動で処理されます。
手計算による書き間違いを防げるため、共有名義の申告では特に有効です。
ほかの共有者の氏名や住所は事前に確認しておきましょう。
相続で共有になった場合は、遺産分割協議書や登記事項証明書から必要な情報を拾えます。

申告しないと無申告加算税や延滞税が課される

期限までに確定申告をしないと、本来の税額に加えて無申告加算税と延滞税が課されます。
意図的に所得を隠したと判断された場合は、さらに重い重加算税の対象です。

まず無申告加算税は、納めるべき税額に応じた割合で加算されます。
税務調査の通知を受ける前に自主的に申告すれば、加算される割合は軽くなります。
延滞税の額は、法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて増える仕組みです。
気づいた時点で早く申告するほど、負担は軽くなります。

なお、共有者の1人が申告しなかったとしても、ほかの共有者の申告は有効なままです。
ただし税務署は登記情報から共有者全員を把握しているため、申告のない方には個別に照会が入ります。

共有者が売却に同意しないときの3つの解決方法

共有不動産の全体を売るには、共有者全員の同意が必要です。
1人でも反対すれば売却できないため、同意が得られないときは次の3つの選択肢を検討します。

解決方法ほかの共有者の同意手取りの目安かかる期間の目安
自分の持分だけを売却する不要市場価格を持分で按分した額より低い1ヵ月〜3ヵ月
遺産分割調停を申し立てる不要 ※裁判所が関与市場価格に近い6ヵ月〜2年
共有物分割請求をする不要 ※裁判所が関与競売になると市場価格より低い1年〜2年

どの方法を選ぶかで最終的な手取り額と税額が変わるため、早い段階で弁護士に相談する価値があります。

自分の共有持分だけを売却する

自分の持分は自分だけの財産にあたるため、ほかの共有者の同意がなくても自由に処分できます
話し合いが進まないときに、単独で実行できる手段です。

まず検討したいのは、ほかの共有者に買い取りを打診する方法です。
第三者に売るより高い価格がつきやすく、共有関係も整理できます。
相手が買い取り資金を用意できるかどうかを確認したうえで交渉しましょう。

第三者や買取業者に売る場合は、価格が下がる点を織り込む必要があります。
持分だけを買っても不動産を自由に使えないため、市場価格を持分割合で按分した額より安くなるのが通常です。
残った共有者にとっては見知らぬ相手と共有関係になるため、後日買主から共有物分割請求を受ける可能性もあります。
売却先と価格に迷うときは、共有持分の買取に対応するベンナビ不動産売却で無料査定を受け、弁護士と連携して残った共有者との調整も進めてください。

遺産分割が終わっていなければ調停で分け方を決める

法定相続分のまま登記されているだけで遺産分割協議が済んでいない場合は、まず遺産分割から手をつけます。
遺産の分け方には現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の4種類があり、不動産を売って現金で分ける方法は換価分割と呼ばれる方法です。

共有者どうしの話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、調停委員を交えて協議を進めます。
調停でも合意できない場合は審判に移行し、裁判官が分け方を決定します。

そして、調停で換価分割が決まれば、調停の内容に沿って売却と代金の分配を進めてください。
分配の比率が裁判所の手続きで確定するため、代金の分け方をめぐる贈与税の問題も起こりにくくなります。

【関連記事】遺産分割協議の手順と流れ|不動産の分け方や協議書のサンプルを紹介

共有物分割請求で共有関係を解消する

遺産分割が終わったあとも共有状態が続いている場合は、共有物分割請求という手続きで共有関係を解消できます。
各共有者はいつでも共有物の分割を請求でき、協議が調わないときは裁判所に分割を求められます。
裁判所が命じる分割の方法は3種類です。
土地を物理的に分ける現物分割、1人がほかの共有者の持分を取得して代金を支払う賠償分割、そして不動産を競売にかけて代金を分ける競売分割です。

競売による分割になると、売却価格は市場価格より低くなりやすく、共有者全員の手取りが減ります。
訴訟を起こす前に、弁護士を通じて任意売却で合意できないかを交渉するのが得策です。
共有者との関係が悪化している場合ほど、代理人を立てて話を進めるほうが、解決までの時間が短くなる傾向にあります。

【参考】民法第256条|e-Gov 法令検索

共有名義の不動産売却でトラブルになっているなら弁護士に相談するのがおすすめ

共有名義の不動産売却では、税額の計算より先に、共有者との合意形成でつまずくケースが少なくありません。
売却に反対する共有者がいる、代金の分け方で揉めているといった段階なら、税理士や司法書士より先に弁護士へ相談するのが早道です。
課題ごとの相談先を次の表に整理しました。

専門家対応できること相談すべきタイミング
税理士譲渡所得税の試算、特例の適用判定、確定申告の代理売却価格が決まり、税額を試算したいとき
司法書士相続登記、抵当権抹消登記、所有権移転登記名義が被相続人のままになっているとき
弁護士共有者との交渉、遺産分割調停、共有物分割請求共有者と合意できず売却が進まないとき
不動産会社査定、売却の仲介、買主探し売却の意思が固まり、価格を知りたいとき

税務申告は税理士、登記は司法書士の領域ですが、共有者との交渉と法的手続きをまとめて任せられるのは弁護士だけです。
弁護士に依頼すると、次のような対応を任せられます。

  • 共有者との交渉を代理してもらえるため、直接やり取りする負担がなくなる
  • 話し合いが決裂しても、遺産分割調停や共有物分割請求まで一貫して任せられる
  • 提携する税理士や司法書士とまとめて進められ、窓口を1つにできる
  • 売却の進め方と税負担を合わせて設計できるため、手取りの目減りを抑えやすい

共有者と揉めたまま売却を進めたいときは、ベンナビ不動産売却に相談してください。
共有持分や相続した実家など売りにくい不動産の無料査定を受け付け、権利関係の調整で弁護士や司法書士と連携している会社を紹介しています。
売却の進め方と法的な選択肢を並べて検討でき、税負担を含めた手取りの見通しも立てやすいのが利点です。
弁護士に依頼した場合、別途弁護士費用が発生します。
費用の目安や支払時期は相談時に確認してください。

共有名義の不動産売却の税金に関する悩みは「ベンナビ不動産売却」で解決しよう

共有名義の不動産売却では、税額の試算だけでなく、共有者との合意形成や登記の整理まで同時に進める必要があります。
税理士に税額を聞き、司法書士に登記を頼み、不動産会社に査定を依頼すると、窓口が3つに分かれて話が進みません。

ベンナビ不動産売却は、共有持分や相続した実家など売りにくい不動産の無料査定を受け付ける窓口です。
司法書士や弁護士と連携している会社を紹介しているため、持分割合の確認や共有者との調整を含めて1か所で相談できます。
査定額を見てから売るかどうかを決められるため、まず自分の持分がいくらになるかを知りたい段階でも利用可能です。

相談の際は、登記事項証明書と固定資産税の納税通知書を手元に用意しておくと、持分割合と評価額をその場で確認できます。
特例を使えるかどうかで手取りが数百万円単位で変わるため、売却の方針を固める前に相談してください。

共有名義の不動産売却の税金に関するよくある質問

Q

共有名義の不動産を売却しても税金がかからないことはある?

A

あります。
売却によって利益が出ていない場合や、按分した譲渡所得が特別控除の範囲に収まる場合は、譲渡所得税も住民税もかかりません。
ただし特例を使って税額をゼロにするときは確定申告が必要です。
申告しなければ特例は適用されません。

Q

共有名義のマンションを売却する場合も計算方法は同じ?

A

同じです。
マンションでも譲渡所得の計算方法と持分割合による按分の考え方は変わらず、建物部分の減価償却を計算する点も戸建てと同様です。
ただし空き家の3,000万円特別控除は区分所有建物が対象外のため、相続したマンションの売却では使えません。

Q

共有名義の不動産売却で税金以外にかかる費用は?

A

仲介手数料・測量費・建物の解体費用・抵当権抹消登記の司法書士報酬などがかかります。
仲介手数料は売買価格が400万円を超える場合、売買価格の3%に6万円と消費税を加えた額が上限です。
多くは譲渡費用として計上でき、共有者間では持分割合に応じて負担します。

Q

共有名義の不動産は共有者の同意がなくても売却できる?

A

不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要ですが、自分の持分だけであれば同意なしで売却できます。
持分だけを買い取る相手は限られるため、価格は不動産全体の市場価格を持分割合で按分した額より低くなるのが通常です。
持分の売却か共有物分割請求かで迷うときは、弁護士に相談して選択肢を整理しましょう。

Q

取得費がわかる書類が見つからないときはどうする?

A

売却価格の5%を概算取得費として使えますが、実際の取得費より低くなり税負担が大きくなります
まずは購入時に仲介した不動産会社へ問い合わせてください。
住宅ローンを組んだ金融機関の残高証明書や返済予定表、当時の通帳の入出金記録、登記事項証明書に記載された抵当権の設定額からも取得費を裏づけられます。

Q

共有持分を勝手に売却されたらどうなる?

A

ほかの共有者が自分の持分を売ること自体は適法で、止めることはできません
不動産全体を無断で売ることはできないため、所有権を丸ごと失うわけではありません。
買主から持分の買い取りや共有物分割を求められる可能性があるため、通知が届いた段階で弁護士に相談しましょう。
持分を自分が買い戻す交渉も選択肢になります。

まとめ

共有名義の不動産を売却したときにかかる税金は次の6つです。

  • 譲渡所得税・住民税
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 消費税
  • 固定資産税・都市計画税
  • 相続税

6つのうち持分割合に応じて按分されるのは譲渡所得税だけになります。
税率も特例の適用可否も、共有者ごとに個別に判定する仕組みです。

なお、使える特例には期限があります。
相続税額の取得費加算は相続開始から3年10ヵ月が区切りです。
空き家の3,000万円特別控除は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までで、2027年12月31日までの売却に限られます。
相続登記の申請義務は不動産の取得を知った日から3年以内です。
時間の経過とともに使えなくなる制度があるため、売却の方針は早めに固めましょう。

共有者と合意できず売却が進まない場合や、税額の試算と特例の適用判定に不安がある場合は、ベンナビ不動産売却に相談してください。
弁護士や司法書士と連携する会社と一緒に、売却の進め方を早めに固められます。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。