共有名義不動産

マンションの共有持分は同意なしで売却できる?4つの方法と手取りの目安

マンションの共有持分は同意なしで売却できる?4つの方法と手取りの目安

相続や離婚でマンションが共有名義のまま残り、ほかの共有者と話がまとまらないまま管理費だけを払い続けている方は少なくありません。
自分の共有持分は、ほかの共有者の同意を得なくても売却できる財産です。

ただし区分所有マンションには、土地や戸建てにはないルールがあります。
住戸と敷地の権利が一体になっている敷地利用権や、管理費の滞納が買主へ引き継がれる仕組みです。
売却先の選び方によって手取り額も大きく変わります。

本記事のテーマは、マンションの共有持分を売却する4つの方法と価格の目安、マンションに特有の注意点、手続きの流れと費用です。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

目次

マンションの「共有持分」には2つの意味がある

マンションで共有持分という言葉が使われる場面は2つあり、どちらの話かによって結論は正反対になります
売却できるのは「1つの住戸を複数人で共有している場合の持分」だけです。
まず、自分がどちらの持分を持っているのかを切り分けます。

  • 分譲マンションを買えば誰もが持つ「敷地・共用部分の共有持分」
  • 1つの住戸を複数人で共有している場合の「持分」
  • 自分がどちらの持分を持っているかの確認方法

分譲マンションを買えば誰もが持つ「敷地・共用部分の共有持分」

エントランスや敷地の持分は、住戸と切り離して売る対象になりません
廊下、階段、エレベーターは共用部分にあたります。
マンションが建っている敷地も同様に共用部分であり、区分所有者全員の共有に属する扱いです。
各区分所有者が持つ割合は、専有部分の床面積の割合で決まります。
毎月の管理費が住戸の広さに応じて変わるのも、同じ考え方によるものです。

敷地・共用部分の持分は、住戸を売れば自動的に一緒に移ります。
分譲マンションを1人の名義で所有している方であれば、敷地・共用部分の共有持分だけを切り出して売ることはできず、売却の検討対象外です。

登記簿の表題部にある敷地権の割合が、敷地・共用部分の共有持分にあたります。

売却の対象になるのかを判断するときは、まず自分がどちらの持分の話をしているのかを確かめてください。

【参考元】建物の区分所有等に関する法律|e-Gov 法令検索

1つの住戸を複数人で共有している場合の「持分」が売却の対象

売却の対象になるのは、1つの住戸そのものを複数人の名義にしている場合の各自の割合です。
発生する原因は、主に次の3つに分かれます。

  • 相続で兄弟が法定相続分どおりに登記した
  • 夫婦や親子で資金を出し合って購入した
  • 離婚後も共有名義のまま整理せずに残した

まず、持分割合は購入時の出資額または相続分に応じて決まる仕組みです。
登記簿には「持分2分の1 山田太郎」のように、名義人ごとの割合が記録されます。
出資額と登記の割合がずれていると贈与とみなされる場面もあるため、購入時の負担額と登記内容は一度突き合わせておいてください。

本記事では、1つの住戸を複数人で共有している場合の持分を扱います。
相続や離婚をきっかけに共有状態が生まれた住戸を想定して読み進めてください。
自分の住戸が対象になるかは、ベンナビ不動産売却の無料査定で確かめられます。

自分がどちらの持分を持っているかは登記事項証明書で確認する

自分の持分の種類と割合は、法務局で登記事項証明書を取得すれば確認できます。
権利部(甲区)の所有者欄に自分以外の名前が並び、それぞれに「持分」の表記があれば、売却できる共有持分を持っています。
取得方法は3つあり、法務省が公表する手数料は令和7年4月1日から次のとおりです。

請求方法1通あたりの手数料
法務局の窓口・郵送での書面請求600円
オンライン請求・郵送で受け取り520円
オンライン請求・窓口で受け取り490円

なお、表題部に「敷地権の表示」という欄があるマンションでは、住戸と土地の権利が一体のものとして登記されています。
敷地権の一体性は、売却の進め方を左右する要素です。

敷地権の表示がない古いマンションでは、住戸と土地の権利が別々に登記されています。

別々に登記されていれば土地の持分にも移転登記が必要になるため、査定を依頼するときに登記事項証明書の写しを渡してください。
写しがあれば、無料査定でより実態に近い金額を受け取れます。

マンションの共有持分はほかの共有者の同意がなくても売却できる

自分の共有持分の処分は単独でできます。
同意を取らずに売っても、売買契約は有効に成立する扱いです。

一方で、住戸そのものを丸ごと売るには共有者全員の同意が必要になります。
単独処分と共有物処分の線引きを押さえておくと、交渉すべき相手が見えてきます。

  • 自分の持分の売却は単独でできる
  • 住戸そのものを売るには共有者全員の同意が必要
  • 通知義務の有無と、事前に伝えたほうがよい理由

自分の持分の売却は単独でできる

共有持分は、各共有者が単独で持つ所有権です
所有者は法令の制限内で自由に所有物を使用・収益・処分できるとされており、処分の自由には売却も含まれます。
ほかの共有者の同意は要りません。

同意が必要になるのは、共有物に変更を加える場合です。
禁じられているのは住戸そのものに手を入れる行為であり、自分の持分を第三者に譲る行為は含まれません。
したがって、共有者からの反対だけでは、売買契約は有効なままです。

区分所有マンションでも扱いは変わりません。

管理規約に共有者どうしの取り決めがあっても、効力は区分所有者間のルールにとどまり、住戸の持分を処分する権利までは制限されない扱いです。
実際にいくらで売れるかは、無料査定で確かめられます。

【参考元】民法|e-Gov 法令検索

住戸そのものを売るには共有者全員の同意が必要

住戸を丸ごと第三者に売る行為は、共有物そのものの処分にあたります。
そのため、持分割合の大小にかかわらず共有者全員の同意が要ります。
持分3分の2を持っていても、残る3分の1の共有者が反対すれば全体売却は不成立です。

なお、共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従って過半数で決めます。
ただし、共有物の管理に関する規定が指す「管理」は住戸を賃貸に出すといった行為であり、売却は含まれない扱いです。

つまり、1人でも反対すれば全体売却は止まります。
反対の理由が「住み続けたい」「思い出があるから手放したくない」といった感情面にある場合、時間をかけても意見が変わりにくいものです。
話し合いが進まない状況で現金化を急ぐなら、自分の持分だけを売る選択に実質的な意味が生まれます。

【参考元】民法|e-Gov 法令検索

通知義務はないが事前に伝えたほうがよい

法律上、ほかの共有者への通知義務も承諾も必要ありません。
ただし、無断で売ると関係が悪化し、買主と残った共有者のあいだで新たな争いが起きやすくなります。
事前に伝えたほうがよい理由は次の2つです。

  • 共有者自身が買い取る意向を示せば、市場価格に近い金額で売れる可能性が出てくる
  • ある日突然、見知らぬ第三者が共有者になるという事態を避けられる

一方で、連絡が取れない相手や、話し合いのたびに感情的な対立になる相手であれば、無理に伝えずに進める判断もあります。
伝えると決めた場合も、売却の意思だけを短く共有し、価格や時期の交渉は買主が決まってからにすると話がこじれにくくなります。
自分が置かれた状況に応じて選んでください。
伝える前に条件だけ把握したい場合は、先に無料査定を受けておく方法もあります。

マンションの共有持分を売却する4つの方法

売却先は4つあり、手取り額の大きさと実現しやすさは逆の関係にあります。
高く売れる方法ほど相手の協力が必要で、協力が不要な方法ほど価格は下がる関係です。

方法ほかの共有者の協力価格の目安向いているケース
方法1 ほかの共有者に売る必要市場価格×持分割合共有者に買い取る意向と資金がある
方法2 全員で住戸を丸ごと売る全員の同意が必要市場価格の満額を分配全員が売却に前向きで足並みが揃う
方法3 単独名義にしてから売る必要市場価格の満額自分に買取資金があり共有者が少ない
方法4 専門の買取業者に売る不要持分相当額の3割〜5割話し合いが進まない、早く現金化したい

共有者と話し合いができるなら方法1か方法2、自分に買取資金があるなら方法3、話し合いが進まないなら方法4が候補になります。
以下では、方法1から順に利点と弱点を確認します。

方法1:ほかの共有者に自分の持分を買い取ってもらう

価格の面で有利になりやすい相手は、ほかの共有者です。
共有者にとっては単独名義に近づく買い物になり、住戸を自由に使えるようになるため、価格が下がりにくくなります。
市場価格に自分の持分割合を掛けた水準が交渉の基準になります。

ただし、売買が成立するには相手に資金が必要です。
共有持分の購入は金融機関の評価が低く、住宅ローンを組みにくいという事情もあります。
手持ち資金で払える金額でなければ、話がまとまらないまま時間だけが過ぎる展開になりやすいです。

また、親族どうしの売買では価格の決め方に注意が要ります。
安すぎる価格をつけると税務上の問題が生じるため、査定書などの根拠を残したうえで金額に合意してください。
合意した内容は口約束にせず、売買契約書と持分移転登記まで済ませて初めて共有関係から抜けられます。

方法2:共有者全員で合意して住戸を丸ごと売る

全員の足並みが揃うなら、住戸を丸ごと売る方法で売却総額が大きくなりやすくなります。
通常の中古マンション売却と同じ手順で市場に出せるため、買主も見つかりやすい方法です。
代金は持分割合で分ければよく、配分でもめる余地も小さくなります。

弱点は、共有者全員の実印と印鑑登録証明書が要る点です。
1人でも協力しなければ売買契約そのものが成立しません。
遠方に住む共有者や、連絡が途絶えている共有者がいる場合は現実味の薄い方法です。

また、売却する住戸が自分の居住用であれば、3,000万円特別控除を共有者それぞれが使えます。
共有者が2人なら合計6,000万円まで譲渡所得から差し引けるため、税負担を抑えられる点も全員で売る方法の利点です。
合意が取れない場合に備えて、持分だけの無料査定も並行しておくと判断が早まります。

方法3:ほかの共有者の持分を買い取って単独名義にしてから売る

自分に資金があるなら、全員の持分を買い集めて単独名義にしてから売る方法もあります。
通常のマンションとして売却できるため、最終的な手取りが大きくなりやすい方法といえます。

ただし、買取資金と持分移転登記の費用が先に必要です。
持分の買い取りには住宅ローンを使いにくく、手持ち資金か親族からの借り入れで用意することになります。
売れるまでのあいだは管理費、修繕積立金、固定資産税の全額が自己負担です。
買主が決まるまでの期間が長引くほど、負担は積み上がります。

相手に売る意思がなければ成立しないため、方法3が機能するのは共有者が少なく関係が良好な場合に限られる選択肢です。
共有者が3人以上いる住戸では、1人でも合意しなければ単独名義にできず、資金だけが拘束される展開になります。
拘束を避けたいなら、持分売却の金額を無料査定で先に押さえておいてください。

方法4:共有持分を専門に扱う買取業者に売る

話し合いが不可能な状況でも、共有持分の買取を専門とする不動産会社であれば出口があります。
ほかの共有者と接触しないまま、自分の持分だけを現金化できます。

というのも、一般の仲介で買い手がつきにくいのは、買主が住戸を自由に使えないためです。
持分だけを買っても、ほかの共有者の同意がなければ住むことも貸すこともできず、資産として扱いにくくなります。
専門業者は、共有状態を解消するノウハウを持つ共有持分の買い手です。

また、早ければ数日から数週間で現金化できます。
契約後に見つかった不具合について売主が負う責任、いわゆる契約不適合責任を免除する契約を結ぶのが一般的で、売却後に責任を追及される心配も小さい契約です。
ただし、知りながら告げなかった不具合については、免除の特約があっても責任を免れません。
その代わり価格は下がります。
売却後に業者がほかの共有者へ買取や売却の交渉を持ちかける場合がある点も、あらかじめ知っておいてください。

マンションの共有持分に特有の4つのルール

区分所有マンションには、土地や戸建ての共有持分にはないルールが4つあります。
いずれも査定額に直結するため、査定を受ける前に自分の物件がどれに当てはまるかを確認してください。

  • 専有部分と敷地利用権は切り離して売れない
  • 管理費・修繕積立金の滞納は買主に引き継がれる
  • 住宅ローンの抵当権は持分だけを売っても消えない
  • 賃貸に出している住戸の家賃は持分割合で分ける

専有部分と敷地利用権は切り離して売れない

敷地利用権とは、住戸(専有部分)を所有するためにマンションの敷地を使う権利で、多くの場合は敷地の共有持分の形をとります。
マンションの共有持分を売るとき、売買の対象は住戸の持分と敷地利用権がセットになります。
敷地利用権が数人の共有になっている場合、区分所有者は専有部分と敷地利用権を分離して処分できないと定められているためです。

なお、登記簿の表題部に「敷地権の表示」がある物件では、住戸の持分を移転する登記だけで土地の権利も一緒に移ります。
手続きは1回で完了する仕組みです。
ただし、規約に別段の定めを置いている場合は分離して処分できます。
実際に分離処分を認める規約を置くマンションはまれなため、手元の管理規約を一度確認しておけば十分です。

一方、土地であれば1筆の土地を複数に分ける分筆によって共有を解消する道も残されています。
マンションの敷地では分筆の方法をとれないため、持分売却が現実的な出口になります。

【参考元】建物の区分所有等に関する法律|e-Gov 法令検索

管理費・修繕積立金の滞納は買主に引き継がれる

管理費や修繕積立金の滞納があると、滞納額の分だけ買取価格から差し引かれる仕組みです。
滞納された管理費などについては、他の債権者に優先して回収できる先取特権が管理組合に認められています。

さらに先取特権は、持分を買い取った新しい所有者に対しても行使できる権利です。
買主は滞納分を引き継ぐ立場になるため、滞納分に相当する金額を査定額から差し引きます。
滞納額は、管理組合または管理会社に照会すれば確認できます。
売買では「管理費等の額を証する書面」の提出を求められるため、金額はいずれ明らかです。

なお、共有者のうち1人が払っていない場合でも売却はできます。
ただし、査定の前に滞納額を伝えたほうが、あとから価格を引き下げられる展開を避けられます。
滞納が長期にわたる住戸では、遅延損害金が上乗せされている場合もあるため、元本と併せて確認してください。
共有者のあいだで滞納分の負担をめぐる争いがある場合は、売却の前に弁護士へ相談し、誰がいくら負担するかを整理しておいてください。

【参考元】建物の区分所有等に関する法律|e-Gov 法令検索

住宅ローンの抵当権は持分だけを売っても消えない

住宅ローンが残っている住戸では、抵当権が住戸全体に設定されています
抵当権者は他の債権者に先立って弁済を受けられる立場にあり、抵当権は持分が移転しても消えない権利です。
買主は、返済が滞れば住戸ごと競売にかけられるリスクを引き受けることになります。

たとえば、夫婦の共同購入や連帯債務では、抵当権が住戸全体に及ぶ状況がよく起こります。
抵当権を抹消するには、残債の一括返済か、金融機関の同意のいずれかが必要です。

なお、残債があっても買い取る業者はありますが、価格は下がります。
まずは金融機関から残高証明書を取り寄せ、いくら残っているのかを確かめてください。
売却代金で残債を返しきれるかどうかで、選べる方法そのものが変わります。

返しきれる見込みがあるなら、決済と同時に抵当権を抹消して引き渡す流れです。

足りなければ、不足分を自己資金で補うか、残債より低い価格でも金融機関の同意を得て売る任意売却について、先に金融機関へ相談することになります。
残債の処理と持分の売却をどう組み合わせるかは、金融機関との交渉に慣れた弁護士に相談すると整理しやすくなります。

【参考元】民法|e-Gov 法令検索

賃貸に出している住戸の家賃は持分割合で分ける

住戸を賃貸に出している場合、家賃は持分割合に応じて各共有者が受け取ります。
共有者の1人が無償で住んでいる場合も同じ考え方が働き、別段の合意がなければ、自分の持分を超える使用の対価をほかの共有者へ支払う義務を負います。

また、費用の負担も同じ割合です。
各共有者は持分に応じて管理の費用を支払い、共有物に関する負担を負うとされています。
管理費や固定資産税は、持分割合で分け合うのが原則になります。

そのため、持分を売る前に未清算の家賃や自分が立て替えた管理費を精算しておいてください。
売却後に金銭の貸し借りだけが残ると、争いの火種になります。

精算の記録は、振込の控えや管理会社の明細を年ごとにまとめておいてください。

持分を売ったあとに請求する場合、いつ誰がいくら負担したかを示せるかどうかで結論が変わります。
賃貸中の住戸でも買取の対象になるかは、買取相談で確かめられます。

【参考元】民法|e-Gov 法令検索

マンションの共有持分の売却価格は売却先で変わる

売却価格は売却先によって水準が変わります。
共有持分の買取相場について公的な統計は存在しないため、本記事では一般社団法人共有持分支援協会が公表している値を、計算のもとを示したうえで幅として扱います。

  • ほかの共有者に売る場合の考え方
  • 買取業者に売る場合の目安
  • 持分割合と共有者の人数、立地と占有の状況で価格は上下する

ほかの共有者に売るなら「市場価格×持分割合」が出発点

ほかの共有者への売却では価格が下がりにくく、住戸の市場価格に自分の持分割合を掛けた金額が交渉の基準になります。
市場価格3,000万円のマンションで持分2分の1を持っているなら、1,500万円が出発点です。
市場価格の調べ方は次の2つです。

  • 国土交通省の不動産情報ライブラリで同じマンションや近隣の成約事例を調べる
  • 複数の不動産会社に査定を依頼して金額を並べる

両方を突き合わせれば、相場観がつかめます。
ただし、算出した金額はあくまで交渉の出発点です。
相手の資金力によっては、実際に合意する金額が下がることもあります。
分割払いを持ちかけられた場合は、支払いが途中で止まるリスクを織り込み、公正証書の作成や一括払いへの変更を検討してください。
交渉の基準になる金額は、無料査定で先に取っておいてください。

【参考元】不動産情報ライブラリ|国土交通省

買取業者に売るなら持分相当額の3割〜5割が目安

買取業者への売却では、持分相当額に評価割合を掛けた金額が目安になります
一般社団法人共有持分支援協会は、共有持分の買取相場を「実勢価格 × 持分割合 × 評価割合(30%〜50%)」と説明しています。

計算のもと持分相当額評価割合30%〜50%を掛けた買取価格
市場価格3,000万円・持分2分の1持分相当額1,500万円450万円〜750万円

というのも、同じ30%〜50%のなかでも業者ごとに出口の想定が違うためです。
ほかの共有者から残りの持分を買い集める前提の業者と、持分のまま転売する前提の業者では、払える金額が変わります。
物件の立地や共有者の人数によっても評価は変動する要素です。

ただし、評価割合30%〜50%は同協会による公表値であり、公的な統計ではありません。
実際の金額は、査定を受けなければ分からない性質のものです。
ベンナビ不動産売却の無料査定なら、複数社の金額をまとめて受け取れます。

持分割合と共有者の人数、立地と占有の状況で価格は上下する

査定額を左右するのは次の4点です。

  • 持分割合の大きさ
  • 共有者の人数と関係性
  • 住戸の立地と築年数
  • 占有者の有無

いずれの条件も、査定額に大きく影響します。

まず、上振れする条件は次の3つです。

  • 持分割合が2分の1以上あること
  • 共有者が2名で関係が良好なこと
  • 駅に近く築年数の浅い住戸であること

いずれも、業者が共有状態を解消しやすい条件です。

一方、下振れする条件も3つあります。

  • 共有者が多数で高齢または遠方に住んでいること
  • 共有者の1人が住んでいて明け渡しの交渉が必要なこと
  • 管理費の滞納や抵当権が残っていること

いずれも、業者が持分を買ったあとに共有状態を解消するまでの手間と期間が延びる要因です。

ただし、下振れの条件に当てはまっても買い取る業者はあります。
条件が悪いからと諦めずに査定を受けてください。

マンションの共有持分の査定はベンナビ不動産売却で無料で受けられる

共有持分のマンションは、一般の不動産会社では「取り扱いができない」と断られることがある物件です。
実際の金額を知るには、訳あり不動産を専門に扱う窓口で査定を受けるのが近道になります。

ベンナビ不動産売却は、訳あり不動産を取り扱う不動産会社へ無料査定を申し込める窓口です。
運営は株式会社アシロで、共有持分をはじめ、空き家や再建築不可物件、事故物件も対象になります。
査定の申し込みに費用はかからず、ほかの共有者への連絡も不要です。
査定を受けたからといって、売却しなければならないわけでもありません。

なお、査定を依頼する前に次の3点を手元にそろえておくと話がスムーズです。

  • 登記事項証明書、または持分割合がわかる書類
  • 管理費・修繕積立金の滞納の有無と、滞納がある場合はその金額
  • 住宅ローン残債の有無と、残っている場合はおおよその金額

ほかの共有者との権利関係を先に整理したい場合は、査定と併せて、司法書士や弁護士と連携している会社に相談することもできます。
売却の可否と金額、権利関係の整理を同じ窓口で聞けるため、共有者と話が進まない段階でも次の一手を決めやすくなります。

マンションの共有持分を売却する手続きの5ステップ

売却を決めてから入金までは5つのステップで進みます。
業者買取であれば、早いケースで数日から2週間程度で決済まで到達する見込みです。

一方、ほかの共有者との交渉を挟む場合は数ヵ月かかることもあります。
相続登記が終わっていない住戸では、先に登記を済ませる期間も見込んでください。

  • STEP1 必要書類をそろえる
  • STEP2 複数の会社に査定を依頼する
  • STEP3 売買契約を結んで条件を確認する
  • STEP4 決済と持分移転登記をおこなう
  • STEP5 譲渡益が出たら確定申告をする

STEP1:必要書類をそろえる|数日〜1週間

持分だけを売る場合、必要なのは自分の分の書類だけです。
住戸全体を売る場合は、共有者全員分をそろえる必要があります。

書類取得先持分のみ売却全体売却
登記識別情報・権利証手元に保管必要全員分が必要
印鑑登録証明書市区町村役場必要全員分が必要
本人確認書類手元に保管必要全員分が必要
住民票市区町村役場必要全員分が必要
固定資産税納税通知書手元に保管必要必要
管理費等の額を証する書面管理会社必要必要

印鑑登録証明書は、発行後3ヵ月以内のものを求められるのが一般的です。
取得の時期が早すぎると再取得になるため、契約日から逆算して用意してください。
管理費等の額を証する書面は、管理会社に依頼すれば発行してもらえます。
発行までに1週間程度かかる管理会社もある点に注意してください。
どの書類が必須かは、無料査定の申し込み時に確認できます。

STEP2:複数の会社に査定を依頼する|2日〜1週間

共有持分の査定額は会社ごとの差が大きいため、3社程度から見積もりを取って条件を並べてください。
1社だけで決めると、相場より低い金額で手放すことになりかねません。

まず、査定を依頼するときに最初に伝える情報は次の3点です。

  • 自分の持分割合
  • 管理費・修繕積立金の滞納の有無
  • 住宅ローン残債の有無

あとから伝えると、査定額が引き下げられる展開になります。

また、比較する軸は金額だけではありません。
決済までの日数と、ほかの共有者への接触方針も並べて見てください。
とくに接触方針は、親族が住み続けている住戸では売却後の関係を左右します。
査定額の根拠を説明できない会社や、その場で契約を迫る会社は避けたほうが安全です。
複数社への依頼は、ベンナビ不動産売却の無料査定から一度に出せます。

STEP3:売買契約を結んで条件を確認する|数日

契約書では、金額のほかに2つの点を確かめます。
1つ目は、契約不適合責任をどう扱うかです。
業者買取では、契約不適合責任を免除する特約を入れるのが一般的です。
免除の特約があれば、売却後に不具合を指摘されるリスクを小さくできます。

2つ目は、残った共有者への連絡の方法と時期です。
業者によっては、契約でこの取り決めを設けられます。
親族が住み続けている住戸であれば、伝え方を調整しておくと関係の悪化を抑えられます。

あわせて、手付金の額と決済日も契約時に確定させてください。
決済日が決まれば、書類の準備や司法書士の手配を逆算して進められます。
契約書に不明な条項があれば署名の前に説明を求め、納得できないまま押印しないようにしてください。

STEP4:決済と持分移転登記をおこなう|決済は当日・登記完了まで1〜2週間

決済日には、代金の入金と持分移転登記の申請を同時におこないます。
司法書士が立ち会い、書類の確認を済ませたうえで法務局へ登記を申請する流れです。
場所は買主側の金融機関の応接室を使うのが一般的で、所要時間は1時間程度です。

あわせて、決済日に登録免許税と司法書士報酬を負担します。
買主から受け取る代金から差し引いて精算するのが通例です。
固定資産税や管理費についても、決済日を境に日割りで清算します。

そして、登記の完了後は登記事項証明書の名義が買主に変わる仕組みです。
同時に、以後の管理費や修繕積立金を負担する義務からも外れます。
登記完了によって共有関係から抜けられる仕組みです。
登記完了までは申請から1週間から2週間ほどかかり、完了後は法務局から登記完了証を受け取ります。

STEP5:譲渡益が出たら確定申告をする|売却の翌年2月16日〜3月15日

売却価格が取得費と譲渡費用の合計を上回った場合は、売却した翌年に確定申告をして譲渡所得税を納めます。
申告期間は、売却した翌年の2月16日から3月15日までです。

取得費がわからない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。
ただし、実際の取得費が5%を上回るなら、購入時の売買契約書を探したほうが税額を抑えられます。
相続した持分であれば、被相続人が購入したときの契約書が実家に残っていないか確認してください。

なお、特例を使って税額がゼロになる場合でも、申告そのものは必要です。
申告をしなければ特例は適用されないため、忘れずに手続きしてください。
売却で損失が出た場合は申告義務がありませんが、給与所得との損益通算ができる特例に当てはまるなら申告したほうが有利になります。

マンションの共有持分の売却にかかる費用と税金

売却時には登記費用、印紙税、仲介手数料がかかります
買ったときより高く売れて利益が出た場合は、譲渡所得税がかかる点に注意してください。
業者への直接売却であれば、仲介手数料は発生しません。
仲介手数料がかからない分だけ手取りは増えます。

  • 売却時にかかる費用
  • 利益が出たときにかかる譲渡所得税
  • 居住用なら使える3,000万円特別控除

売却時にかかる費用

業者への直接売却なら、主な出費は登記費用と印紙税です。
仲介で売る場合は仲介手数料が加わります。

費目金額の目安備考
仲介手数料売買価格の3%+6万円+消費税が上限売買価格800万円超の場合。業者買取では発生しない
印紙税5,000円〜3万円売買価格1,000万円超5,000万円以下は軽減後1万円
登録免許税固定資産税評価額×持分割合×税率持分移転登記にかかる
司法書士報酬5万円〜10万円事務所により異なる
抵当権抹消登記費用抵当権1件につき2万円程度ローン残債がある場合

印紙税の軽減措置は令和9年3月31日までに作成される契約書が対象です。
契約時点で軽減が続いているかは、国税庁の該当ページで確認してください。
共有持分の売却では売買価格が低くなりやすく、印紙税も1,000万円以下の区分に収まる場合があります。
費用を差し引いた手取りは、無料査定で出た金額から計算できます。

利益が出たときにかかる譲渡所得税

譲渡所得は「売却価格−取得費−譲渡費用」で計算します
所有期間が5年を超えるかどうかで、税率はおよそ2倍違う仕組みです。

区分所有期間税率の合計内訳
短期譲渡所得5年以下39.63%所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%
長期譲渡所得5年超20.315%所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%

所有期間は、売却した年の1月1日時点で判定します。
売却した日から数えるわけではないため、5年前後で売る場合は判定の基準日に注意してください。
相続で取得した持分は、被相続人が取得した時期を引き継ぎます。
親が30年前に購入したマンションを相続してすぐに売った場合でも、長期譲渡所得として扱われます。

居住用なら3,000万円特別控除を共有者それぞれが使える

自分が住んでいた住戸を売る場合、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除を使えます。
3,000万円特別控除は共有者ごとに適用されるため、2人の共有なら合計6,000万円まで譲渡所得から差し引けます。
適用の主な要件は次の3つです。

  • 自分が住んでいた住戸であること
  • 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 親子や夫婦など特別の関係にある人への売却でないこと

3つ目の要件により、ほかの共有者が親族であれば控除は使えません。
方法1でほかの共有者に売る場合は、税負担が変わる点も含めて金額を決めてください。
控除を受けるには確定申告が必要で、申告の際は住民票の除票など居住していたことを示す書類を添えます。
控除が使えるかどうかで手取りは大きく変わるため、無料査定の金額と併せて試算してください。

マンションの共有持分を売却する前に確認しておきたい3つの注意点

共有持分の売却では、つまずきやすい場面が3つあります。
親族間の安すぎる売買、共有者の判断能力や所在の問題、そして売却後の共有物分割請求です。
いずれも事前に手を打てます。

  • 相場より著しく安く親族に売ると贈与税がかかることがある
  • 共有者が認知症や所在不明のときは全体売却が止まる
  • 売却後に買主から共有物分割請求を起こされることがある

相場より著しく安く親族に売ると贈与税がかかることがある

時価より著しく低い価格で売買すると、時価との差額が贈与とみなされて買主に贈与税が課されます。
著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合、時価との差額に相当する金額を贈与により取得したものとみなす扱いになるためです。

とくに親族に持分を譲るときほど、金額を情に流されて決めがちです。
対策としては、不動産会社の査定書を根拠に価格を決めてください。
金額が大きい場合は、不動産鑑定士の評価を取る方法もあります。

なお、いくらから著しく低いといえるかは、個別の事情によって判断が分かれます。
判断に迷う金額であれば、契約前に税理士へ確認するのが安全です。
贈与税を負担するのは持分を受け取った買主側になるため、相手にとっても事前の確認は意味があります。

【参考元】相続税法|e-Gov 法令検索

共有者が認知症や所在不明のときは全体売却が止まる

判断能力を欠く共有者や、所在のわからない共有者がいると、全員の同意を取れません。
家庭裁判所の手続きを経ないかぎり、住戸全体の売却は止まったままです。

まず、認知症の共有者がいる場合は、成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てます。
選任までに数ヵ月かかり、後見人が就いたあとも売却には裁判所の許可が要る場面がある点に注意してください。
所在不明の共有者がいる場合は、不在者財産管理人の選任を家庭裁判所へ求める方法が使えます。
2023年4月施行の改正民法では、裁判所の決定を得て所在不明の共有者の持分を取得する制度も加わりました。

このように、どちらも時間と費用がかかります。
申立てには戸籍や住民票のほか、医師の診断書や所在調査の資料が要ります。
全体売却を待つあいだも管理費と固定資産税は発生するため、自分の持分だけを売る選択が現実的になる場面です。
成年後見や不在者財産管理人の申立てをどう進めるか、持分だけを先に売るかの判断は、共有持分の案件を扱う弁護士に相談してください。
ベンナビ不動産売却では、弁護士と連携している不動産会社も探せます。

売却後に買主から共有物分割請求を起こされることがある

持分を買い取った業者が、残った共有者に共有状態の解消を求める場合があります。
共有者は、いつでも共有物の分割を請求できるとされているためです。

そして、協議が調わないときは裁判所へ分割を請求できます。
裁判所が命じるのは、現物を分ける方法か、一方が取得して他方に代金を支払う方法です。
どちらの方法でも分割できない場合に、競売が命じられます。
マンションの1住戸は物理的に分けられないため、実際に選ばれるのは後ろ2つのどちらかです。

なお、持分を売った本人はこの手続きの当事者から外れます。
ただし、住み続ける親族がいる住戸であれば、共有物分割請求という展開が起こりうることを事前に共有しておいてください。
伝えておくだけでも、親族が突然の請求に驚いて対応を誤る事態を防げます。
分割請求を受けた親族の側に立つ場合も、請求する側に回る場合も、対応の方針は弁護士に相談して決めてください。
ベンナビ不動産売却では、司法書士や弁護士と連携している不動産会社を探せます。

【参考元】民法|e-Gov 法令検索

マンションの共有持分でトラブルになっているなら弁護士に相談するのがおすすめ

ほかの共有者と話し合いができない、持分を勝手に売られた、住み続けている住戸の使用料を請求されたという段階では、査定より先に弁護士に相談してください。
共有物分割請求への対応や、持分に応じた使用の対価をめぐる交渉は、不動産会社が代理できない領域だからです。
管理費や修繕積立金の滞納が重なっている住戸では、管理組合からの請求と買主への承継を先に整理しないと、査定額の前提が固まりません。

ベンナビ不動産売却は、共有持分や訳あり不動産を扱う会社を探せる窓口です。
権利関係の調整で司法書士や弁護士と連携している会社も掲載しています。
相談したからといって売却を決める必要はありません。
まず自分の立場でどこまで請求できるのか、どこからが相手の権利なのかを整理するところから始めてください。

マンションの共有持分に関する悩みは「ベンナビ不動産売却」で解決しよう

共有持分のマンションは、売却先の選び方で手取り額も売却後の共有者との関係も変わります。
ベンナビ不動産売却は、共有持分をはじめとする訳あり不動産を扱う不動産会社を、条件を並べて探せる窓口です。
会社ごとの取り扱う物件の種類や対応地域を確かめたうえで、無料査定を申し込めます。

掲載している会社には、権利関係の調整で司法書士や弁護士と連携している会社も含まれる構成です。
ほかの共有者との交渉や登記の手続きに不安がある場合も、査定の相談と同じ窓口で聞けます。
申し込みに費用はかからず、査定を受けたあとに売却を見送っても問題ありません。
まずは複数の会社の条件を並べて、自分に合う売却先を選んでください。

マンションの共有持分の売却に関するよくある質問

Q

共有者に知られずにマンションの共有持分を売れますか

A

売却そのものは共有者に知らせずにできますが、持分移転登記によって最終的には知られます
登記は公開されている情報で、共有者が登記事項証明書を取得すれば新しい所有者がわかるためです。
買主から共有者へ連絡が入る時期は、契約で調整できる場合があります。

Q

持分割合が10分の1でも買い取ってもらえますか

A

割合が小さくても、専門業者であれば買取の対象になります
ただし価格は下がりやすくなります。
割合が小さいほど、買主が住戸を使える見込みが薄くなるためです。
それでも、固定資産税と管理費の負担から外れる効果は変わりません。

Q

売却にはどれくらいの期間がかかりますか

A

業者買取なら数日から2週間程度、共有者との交渉を挟む場合は数ヵ月かかることもあります
査定に2日から1週間、契約手続きに数日、決済までにさらに1週間程度が目安です。
相続登記が終わっていない場合は、先に登記が必要なため期間が延びます。

Q

ほかの共有者が売却に反対している場合はどうすればよいですか

A

自分の持分だけであれば、ほかの共有者が反対していても売却できます。
反対されて止まるのは住戸全体の売却であり、持分の売却に共有者の同意は要りません。
関係が悪化していて交渉が難しい場合は、共有持分を専門に扱う買取業者への売却か、弁護士への相談を検討してください。

まとめ

マンションの共有持分は、ほかの共有者の同意がなくても自分の判断だけで売却できます。
本記事の要点は4つです。

  • 売却できるのは、1つの住戸を複数人で共有している場合の持分である
  • 自分の持分の処分は単独でできる
  • 出口は4つあり、手取り額と実現しやすさは逆の関係にある
  • 敷地利用権の一体性と管理費の承継は、マンションに固有の論点である

共有状態を放置すると、管理費と固定資産税の負担が続く点に注意してください。
相続が重なれば共有者はさらに増え、話し合いはいっそう難しくなります。
動くなら早いほうが選択肢は多く残ります。

まずは自分の持分がいくらになるのかを確かめてください。
ベンナビ不動産売却では、共有持分のマンションをはじめとする訳あり不動産について、取り扱いのある不動産会社へ無料で査定を申し込めます。
申し込みに費用はかからず、ほかの共有者への連絡も不要です。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。