再建築不可物件

再建築不可物件で建て替えられない土地 該当する5つのケースと選べる対処法を解説

再建築不可物件で建て替えられない土地 該当する5つのケースと選べる対処法を解説

相続や親からの承継で家を受け取ったあと、不動産会社や役所から「再建築不可です」と告げられる場合があります。
言葉だけでは、何ができなくなり、どんな不利益が生じるのかまでは伝わりません。

再建築不可物件とは、いま建っている建物を取り壊すと、同じ敷地に新しい建物を建てられない土地です。
原因となる状態は5つの類型に分かれ、類型が違えば取れる打ち手も変わります。

以下では、5つの類型による判定と、法務局と役所での確認手順を先に示します。
続けて扱うのは、2025年4月の建築基準法改正で変わったリフォームの範囲と、持ち続けた場合の負担です。
最後に、活用・仲介・買取という3つの出口を整理しました。

読み終えるころには、自分の物件がどの類型に当たるかを判定し、次にとる行動を1つ選べる状態になります。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

再建築不可物件とは建て替えられない土地で、原因は5つの類型に分かれる

再建築不可物件とは建て替えられない土地で、原因は5つの類型に分かれる

再建築不可物件とは、いま建っている建物を取り壊すと、同じ敷地に新しい建物を建てられない土地を指します。
原因となる状態は、次の5つに分かれます。

  • 接道間口2メートル未満|敷地が道路に接する幅が足りない土地
  • 建築基準法上の道路に接していない|前面の道が法律上の道路でない土地
  • 幅員4メートル未満の道路|セットバックしなければ建てられない土地
  • 袋地・囲繞地|他人の土地に囲まれて道路に出られない土地
  • 市街化調整区域|接道を満たしても原則として建てられない土地
類型土地の状態再建築できない理由建て替え可能にできる余地
接道間口2メートル未満道路には接するが、接する幅が2メートルに満たない建築基準法43条1項の接道義務を満たさない隣地の一部買取や等価交換で間口を広げれば解消できる
建築基準法上の道路でない前面の道が通路・水路敷・里道にあたる接している相手が法律上の道路にあたらない位置指定道路の申請や43条2項の認定・許可で道が開ける場合がある
幅員4メートル未満前面道路が42条2項のみなし道路にあたる後退していない敷地では建築確認が下りないセットバックで解消できる
袋地・囲繞地周囲を他人の土地に囲まれ、道路に接していない接道義務を満たす道路が存在しない隣地の買取か通路部分の取得が要る
市街化調整区域市街化を抑える区域に位置する都市計画法の許可がなければ建築できない既存宅地の扱いや条例の緩和で許可が下りる場合がある
再建築不可物件とは建て替えられない土地で、原因は5つの類型に分かれる

2つ以上の類型が重なる物件もある点は要注意です。
間口が2メートルに足りず、かつ前面の道も幅員4メートル未満というケースでは、両方の手当てが要ります。

接道間口2メートル未満|敷地が道路に接する幅が足りない土地

接道義務とは、建築物の敷地を道路に一定の幅で接させる決まりです。
建築基準法43条1項は、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定めています。
間口の不足だけで、建物の建て直しは止まります。

2メートルという数字が指すのは、敷地と道路が実際に接している部分の長さです。
細長い通路の先に敷地が広がる旗竿地では、通路の全体で判定します。
通路の途中が1.8メートルまで狭まっていれば、道路に面した入口が2メートルあっても要件は満たせません。
通路のうち幅が細くなっている場所を、まず測ってください。

接道義務は、火災時の消火活動と、救急車や住民の避難経路を確保するために設けられました。
つまり、幅の足りない敷地で建て替えが認められない理由は、安全の確保にあります。

建築基準法上の道路に接していない|前面の道が法律上の道路でない土地

建築基準法上の道路とは、同法42条1項が種類を列挙して認めた幅員4メートル以上の道です。
特定行政庁が指定した区域では6メートル以上に上がります。
列挙されているのは、次の5種類にとどまります。

  • 道路法による道路(国道・都道府県道・市町村道)
  • 都市計画法や土地区画整理法などによる道路
  • 法の適用時にすでに存在した道
  • 2年以内に事業が執行される予定として特定行政庁が指定した道路
  • 特定行政庁から位置の指定を受けた私道

列挙から外れる道に接している場合、接道義務は満たせないままです。

見た目が舗装された立派な道でも、公図や道路台帳では通路・水路敷・里道に分類されている場合があります。
分類が違えば、幅が4メートルあっても道路として扱われません。
「道はあるのに再建築不可」と言われる原因の多くは、道路の種別です。
分譲時に造られた私道でも、位置の指定を受けていなければ同じ扱いになります。

私道の持分や通行の可否をめぐって隣地と揉めているなら、弁護士に相談してください。
持分の有無は登記で確かめられますが、通行と掘削の承諾は交渉になります。

【参考】建築基準法(e-Gov 法令検索)

幅員4メートル未満の道路|セットバックしなければ建てられない土地

2項道路とは、幅員が4メートルに足りないまま道路とみなされた道です。
建築基準法42条2項は、幅員4メートル未満の道のうち特定行政庁が指定したものを道路とみなします。
対象は、法の適用時にすでに建築物が立ち並んでいた道に限られます。
道の中心線から水平距離2メートルの線を道路の境界線とみなすことも、同項が定めた内容です。

後退した部分は道路として扱われ、敷地面積から外れます。
建ぺい率と容積率の計算からも除かれるため、建てられる建物は後退前より小さくなります。
幅員3メートルの道に面した敷地なら、片側0.5メートルずつ下がる計算です。

向かい側が崖地・川・線路敷に沿う場合の扱いは異なります。
同項ただし書が定めるのは、崖地などの道の側の境界線から道の側へ、水平距離4メートルの線を境界線とみなす扱いです。
後退の負担は、自分の側だけに寄ります。

袋地・囲繞地|他人の土地に囲まれて道路に出られない土地

袋地とは、周りを他人の土地に囲まれて公道に出られない土地です。
民法210条1項は、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者に、公道に至るため周囲の土地を通行する権利を認めています。
囲んでいる側の土地を囲繞地と呼びます。

通行できる状態と、建物を建てられる状態は別物です。
民法が認めるのは通行だけで、建築基準法上の接道義務を満たした扱いにはなりません。
日常の出入りに困っていない所有者ほど、建て替えの段階で初めて制約に気づきます。

通行や掘削の承諾をめぐって隣地と対立しているなら、弁護士に相談してください。
承諾書がないまま水道管の引き直しに着手すると、工事の差止めを求められる場合があります。

【参考】民法(e-Gov 法令検索)

市街化調整区域|接道を満たしても原則として建てられない土地

市街化調整区域とは、市街化を抑えるものと定められた区域です。
都市計画法7条3項が区域の性格を定め、29条1項は都市計画区域内で開発行為をしようとする者に都道府県知事などの許可を求めています。
接道義務を満たしていても、許可が下りなければ建て替えは進みません。

許可が下りる余地として残るのは、既存宅地の扱いや自治体の条例による緩和です。
判断は自治体ごとに分かれ、線引き前から宅地だった証明を求められる場合もあります。

接道の問題と区域の問題を混同すると、打ち手を誤ってしまいます。
間口を広げても、区域の制限は解けないままです。
役所の都市計画課で区域区分を先に確認してください。
市街化調整区域だと分かった段階で、接道の話とは別の相談窓口へ進みます。

【参考】都市計画法(e-Gov 法令検索)

再建築不可物件は通常の不動産と、建て替え・住宅ローン・売却先・税評価の4点で扱いが変わる

再建築不可物件と通常の不動産の違いは、4点に集約できます。
前の3点は出口を狭める方向に働き、最後の1点だけは保有中の負担を軽くする方向に働きます。

土地の価値がゼロになるわけではない点も事実です。
値段が下がる主因は、地価の低さではなく、買える人と使える用途が絞られる点にあります。
同じ地域の通常の宅地と比べたとき、坪単価の差より買い手の数の差のほうが大きく効いてきます。

項目通常の不動産再建築不可物件
新築への建て替えできるできない
増築建ぺい率と容積率の範囲でできるできない
大規模の修繕・模様替建築確認を受けて実施できる建築確認が下りず実施できない
住宅ローン一般の住宅ローンを使える審査が通りにくい
主な買い手一般の個人現金購入者・隣地所有者・買取業者
固定資産税と相続税の評価市場価値に沿って決まる建て替え不可の分だけ低くなる

建て替えができず、住宅ローンも通りにくく、買い手も限定的です。
このように3つの制約が重なると、売りたいときに買い手が見つからない状態になります。
評価額が下がるため、保有している間の税負担は通常の土地より軽く済みます。
保有は楽で売却は難しい、という偏りが再建築不可物件の特徴です。

建て替えは原則できないが、修繕と模様替えは条件つきで続けられる

大規模の修繕とは、建築物の主要構造部の一種以上について、過半におよぶ修繕を指します。
建築基準法2条5号は主要構造部を壁・柱・床・はり・屋根・階段と定め、間仕切壁や最下階の床、屋外階段などは除いています。

再建築不可物件でできないのは、建築確認が必要になる工事です。
新築・増築・改築に加え、大規模の修繕と大規模の模様替も確認の対象になります。
すなわち、工事を続けられるのは、確認が要らない範囲です。
内装の張り替え、外壁の塗装、キッチンや浴室の入れ替えは、主要構造部の過半に届きません。

内装の張り替えや設備の入れ替えを繰り返せば、住み続けるだけなら可能です。
柱やはりの傷みが進んだ段階では、直せる範囲を超えます。
線引きは2025年4月の建築基準法改正で動き、確認が必要になる工事の範囲は広がりました。

住宅ローンは担保評価が下がり、買い手が現金で払える層に限られる

金融機関は、担保に取る土地の再調達価値を審査で見ます。
建て替えができない土地は再調達の見込みが立たないため、評価額が下がり、住宅ローンの審査は通りにくくなります。

住宅ローンを使えない場合、買い手は自己資金で全額を払える層だけです。
結果として、売り出しても内見が入らない、内見は入っても融資が下りずに契約に至らないという流れになりやすく、成約までの期間が延びます。

リフォームローンや、ノンバンクが扱う不動産担保ローンで対応する例はあります。
金利は住宅ローンより高く、返済期間も短めに設定されるのが通例です。
審査の判断は金融機関ごとに分かれるため、1行で断られても複数行に当たる価値は残ります。
売り出す前に、地元の金融機関へ担保評価の見通しを聞いておくと、買主候補の幅を見積もれます。

仲介では買い手がつきにくく、買取が現実的な出口になりやすい

仲介と買取は、買主・期間・価格の3点で違います。
仲介は不動産会社が一般の買主を探す方式で、価格は市場相場に近づく一方、成約まで数ヵ月から1年以上かかる場合があります。
買取は不動産会社が自ら買主になる方式で、価格は下がるものの、期間を区切って手放せる仕組みです。

買取価格の水準に公的統計はありません。
訳あり不動産を扱う各社の公表値では、仲介での相場に対して5割から7割程度という説明が多く見られます。
数字は物件の立地と状態で動くため、幅として受け止めてください。

相続登記が終わっていない、共有者と連絡が取れないという事情があるなら、司法書士・弁護士と連携した窓口に相談してください。
名義の整理を先に片づけないと、売買契約を結べません。

持ち続ける面では固定資産税と相続税の評価が通常より低くなる

固定資産税評価額とは、固定資産税を計算する土台になる土地建物の価格です。
市場での取引価格を土台に決まるため、建て替えができない分だけ評価は下がります。
保有している間の固定資産税と都市計画税は、同じ広さの通常の宅地より軽くなります。

相続税の計算に使う路線価による評価でも、働く方向は同じです。
間口が狭い土地には間口狭小補正率が、奥行きが長い土地には奥行長大補正率が適用され、評価額を引き下げます。
無道路地として評価される土地では、さらに補正が入ります。

評価が低いのは、保有中と相続時に限った話です。
売るときの手取りが増えるわけではありません。
税が軽い点を根拠に保有を続けると、建物の老朽化だけが進みます。
利点と不利点を切り分けて、保有と売却を比べてください。

自分の物件が再建築不可かどうかは法務局と役所の2か所で確認できる

再建築不可かどうかは、伝聞ではなく公的な資料で確かめられます。
手順は3段階です。

  • ①法務局で公図と登記事項証明書を取り、敷地と道の位置関係を確かめる
  • ②役所の道路担当課で前面の道が建築基準法上の道路かを聞く
  • ③役所の建築担当課で接道の可否と例外の余地を聞く

法務局で図面をそろえてから役所に向かうと、窓口での確認が1回で済みます。

①法務局で公図と登記事項証明書を取り、敷地と道の位置関係を確かめる

公図とは、土地の区画と地番を示した図面で、法務局が備えています。
登記事項証明書は、所在・地番・地目・地積と権利関係を記載した書面です。
2つをそろえると、敷地の形と前面の道の位置関係が読み取れます。

公図で見るべき点は2つあります。
1つは敷地が道に接している幅、もう1つは前面の道に地番が振られているかどうかです。
地番がある道は私有地であり、私道か、道路として扱われない通路の可能性が高くなります。
地番のない道は公道である場合が多くなります。

取得方法は3通りです。
登記事項証明書は、法務局の窓口で申請すると1通600円、オンライン請求で窓口受取なら480円、郵送受取なら500円かかります。
登記情報提供サービスを使う場合、画面上で閲覧するだけなら1通332円です。
まず登記情報提供サービスで形だけ確かめ、役所に持参する分を窓口で取る進め方が無駄になりません。

②役所の道路担当課で前面の道が建築基準法上の道路かを聞く

窓口の名称は自治体で異なります。
道路課・道路管理課・建築指導課のいずれかに、建築基準法上の道路種別を示した図面が備えられています。
公図の写しと住宅地図を持参して地番を伝えれば、窓口で回答をもらえるはずです。

聞くべき質問は2つに絞れます。
「前面の道は建築基準法42条の何項の何号にあたるか」と「幅員は何メートルか」です。
曖昧に「再建築できますか」と尋ねると、担当が違うと言われて回されます。

回答によって、進む先が分かれます。
42条2項の道路だと言われた場合の次の一手は、セットバックの検討です。
そもそも道路にあたらないと言われたら、位置指定道路の申請か43条2項の検討へ移ります。
幅員4メートル以上の1項道路で、接する幅も2メートル以上あるなら、再建築不可ではありません。

③役所の建築担当課で接道の可否と例外の余地を聞く

建築指導課や建築審査課では、接道義務を満たすかどうかの判断に加え、例外として建てられる余地の見通しも聞けます。
持参する資料は、公図・住宅地図・登記事項証明書の3点で足ります。
敷地の実測図があれば、判断はさらに具体的です。

窓口の回答は、最終的な決定ではありません。
正式な可否は建築確認の審査で決まります。
担当者が「43条2項の許可を検討できる」と述べた場合も、建築審査会の同意を得る段階で結論が変わることもあるためです。
回答は見通しとして受け止めてください。

役所で「再建築できない」と告げられた段階で、売却を含めた選択肢を並べ直す価値があります。
無料査定で手放した場合の金額を把握し、権利関係に気がかりな点があれば弁護士に相談してください。

2025年4月の建築基準法改正でリフォームにも建築確認が必要になった

2025年4月の改正で、建築確認の対象が広がりました。
改正後の建築基準法6条1項2号は、2以上の階数がある建築物や、延べ面積が200平方メートルを超える建築物を確認の対象としています。
木造の2階建て住宅の大半が、新たに対象へ入りました。

同条1項は、対象となる建築物の大規模の修繕と大規模の模様替にも確認を求めています。
同条8項は、確認済証の交付を受けたあとでなければ工事に着手できないと定めています。
再建築不可物件では接道義務を満たさないため確認が下りず、確認が必要になる工事は事実上できなくなりました。

対象になる建物、確認が要る工事の規模、確認が要らない工事の3点に分けて確認します。
改正の内容を知らないまま工事を発注すると、着工後に中止を求められる場合があります。

2階建てと延べ面積200平方メートル超の建物が確認申請の対象になった

改正前は、木造2階建て以下かつ延べ面積500平方メートル以下の小規模建築物について、建築確認の審査の一部が省略されていました。
省略の対象は俗に4号建築物と呼ばれ、大規模の修繕・模様替には確認が不要でした。

改正後の6条1項2号は、2以上の階数がある建築物、または延べ面積が200平方メートルを超える建築物を対象と定めています。
構造を木造に限っていない点が要注意です。
木造2階建ての戸建て住宅は、延べ面積にかかわらず対象へ入りました。

自宅が対象かどうかは、階数と延べ面積の2つで判定できます。
建築確認済証か、毎年届く固定資産税の課税明細書に記載された床面積を確かめてください。
平屋で延べ面積200平方メートル以下なら、従来どおり大規模の修繕に確認は要りません。

【参考】建築基準法(e-Gov 法令検索)

主要構造部の過半を直す工事は大規模の修繕にあたり確認申請が要る

主要構造部は、壁・柱・床・はり・屋根・階段の6つです。
大規模の修繕は、6つのうち一種以上について過半、つまり2分の1を超える範囲を直す工事を指します。
材料や仕様を変えて造り替える場合は、大規模の模様替にあたります。

判定の目安は、部位ごとに次のように整理できます。

部位確認申請が必要になる規模の目安
屋根改修面積が屋根全体の2分の1を超える
外壁改修面積が壁全体の2分の1を超える
床改修面積が床全体の2分の1を超える
柱改修する本数が総本数の2分の1を超える
はり改修する本数が総本数の2分の1を超える
階段建物内の階段の2分の1以上を架け替える

面積や本数で線を引くため、同じ「屋根の葺き替え」でも範囲によって扱いは別です。
半分だけ葺き替えるなら確認は不要で、全面を葺き替えるなら必要になります。

耐震補強と間取りの全面変更は、柱やはりに手が及びやすい工事です。
スケルトンリフォームを検討しているなら、着工前に規模の判定を取ってください。
判定を取らずに進めると、着工後に工事の中止を求められる場合があります。

設備交換やカバー工法など申請が要らない工事は続けられる

建築確認が要らない工事なら、再建築不可物件でも実施できます。
対象は次のとおりです。

  • 配管の経路を変えない給湯器・浴室・キッチンなどの設備交換
  • 手すりやスロープの設置
  • 構造に影響しない間仕切壁の変更
  • 既存の屋根や外壁を残したまま重ねるカバー工法
  • 既存の床を残したうえで新しい仕上げ材を張る工事
  • 総本数の2分の1未満にとどまる柱やはりの改修

工事がどの分類に入るかは、自治体と指定確認検査機関が判断します。
同じ工事名でも、施工の方法によって結論が変わる点が落とし穴です。
屋根を既存の上から重ねるカバー工法は対象外でも、既存を撤去して葺き替える工法は対象に入る場合があります。

見積もりの段階で施工業者に規模の判定を依頼し、確認申請の要否を書面で残してください。
口頭の説明だけで着工すると、責任の所在が曖昧になります。

確認の要らない工事だけで築古の建物の寿命を大きく延ばすのは困難です。
あと何年住むのかを決め、必要な年数に届かないと分かった時点で、売却へ切り替える判断が要ります。

再建築不可物件を持ち続けると税負担と管理責任だけが積み上がる

再建築不可物件を放置すると、負担は税と責任の2方向から増えます。
内訳は次の3点です。

  • 建物を壊して更地にすると固定資産税が最大6倍になる
  • 老朽化した建物が倒壊すると所有者が損害賠償責任を負う
  • 管理不全空家に指定されると住宅用地の特例が外れる

住宅用地の特例が外れる経路は2つあります。
解体して更地にする経路と、建物を残したまま勧告を受ける経路です。

建物を壊して更地にすると固定資産税が最大6倍になる

住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地の固定資産税の課税標準を引き下げる仕組みです。
地方税法349条の3の2は、住宅用地の課税標準を価格の3分の1と定めています。
さらに面積200平方メートル以下の小規模住宅用地については、6分の1まで下がります。

建物を取り壊すと、土地は住宅用地の対象外です。
課税標準は6分の1から本来の価格へ戻り、固定資産税はおおむね6倍まで増えてしまいます。
負担調整の措置があるため単年で6倍になるとは限りませんが、上昇の方向は変わりません。

再建築不可物件では、更地にすると二度と建物を建てられないままです。
したがって、解体を先に進めると、税は上がり、買い手はさらに減ります。
更地にする判断は、駐車場や資材置き場としての採算が取れると確かめてから下してください。

【参考】地方税法(e-Gov 法令検索)

老朽化した建物が倒壊すると所有者が損害賠償責任を負う

工作物責任とは、建物などの設置や保存の欠陥によって生じた損害を賠償する責任です。
民法717条1項は、土地の工作物の設置または保存に瑕疵があって他人に損害が生じたとき、まず占有者が賠償責任を負うと定めています。
ただし占有者が損害の発生を防ぐのに必要な注意をしていた場合は、所有者が賠償しなければなりません。

所有者の責任は、注意を尽くしたかどうかを問わない仕組みです。
空き家として誰も住んでいない物件では占有者が不在に近く、責任は所有者へ向かいます。

実際に起きやすい事故は、屋根瓦や外壁材の落下、老朽化したブロック塀の倒壊、庭木の倒伏です。
通行人がけがをすれば治療費と慰謝料が、隣家を壊せば修理費が請求されます。

すでに近隣から苦情が届いているなら、弁護士に相談してください。
放置した期間の長さは、責任の重さを判断する材料になります。

【参考】民法(e-Gov 法令検索)

管理不全空家に指定されると住宅用地の特例が外れる

特定空家等とは、倒壊のおそれや衛生上の有害性が著しい状態にある空き家です。
管理不全空家等は、放置を続ければ特定空家等に該当するおそれのある状態を指します。
空家等対策の推進に関する特別措置法13条1項が定めた区分で、2023年12月の改正により新設されました。

市町村長は、管理不全空家等の所有者へ指導をおこない、改善されなければ勧告に進みます。
地方税法349条の3の2は、勧告を受けた管理不全空家等と特定空家等の敷地を住宅用地から除くと定めています。
したがって、建物を残していても、特例が外れるのは勧告の時点です。

解体による特例の喪失とは、経路が異なります。
解体は自分の判断で起きる一方、勧告は行政の判断で起きます。
特定空家等については、勧告のあとに命令、行政代執行と段階が進み、代執行にかかった費用の請求先は所有者です。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov 法令検索)

再建築不可を解消する方法は隣地との交渉と行政の許可の2系統に分かれる

再建築不可を解消する打ち手は、接道義務を直接満たしにいく系統と、道路として認めてもらう系統の2つに分かれます。

方法内容向いている類型費用と期間の目安
隣地の一部買取隣地の一部を買って間口を2メートル以上にする接道間口2メートル未満土地代のほか登記費用と測量費用がかかり、交渉に数ヵ月から数年
等価交換隣地の道路側部分と自分の奥の部分を等価で交換する接道間口2メートル未満の旗竿地測量費用と登記費用が中心で、交渉に数ヵ月から数年
セットバック道路の中心線から2メートル下がって境界とみなす扱いを受ける幅員4メートル未満測量費用と後退部分の整備費用で数十万円、期間は数ヵ月
43条2項1号の認定省令の基準に合う道に接する建築物を特定行政庁が認める建築基準法上の道路でない申請費用は自治体で異なり、期間は1ヵ月から数ヵ月
43条2項2号の許可建築審査会の同意を得て特定行政庁が個別に許可する建築基準法上の道路でない・袋地申請費用は自治体で異なり、期間は数ヵ月

費用と期間に公的統計はありません。
表の数字は、各自治体の窓口案内と不動産会社の公表値をもとにした目安です。
実額は敷地の広さと交渉の相手方で動きます。

どの方法でも、最後に必要になるのは特定行政庁の判断です。
役所の窓口で見通しを聞けても、正式な可否は建築確認や許可の審査で決まります。
着手する前に、通らなかった場合にどうするかまで決めておいてください。

隣地交渉は相手の同意が前提になるため、自分の努力だけでは進みません。
行政の許可は基準に沿って判断されるため、要件を満たすかどうかで結論が読めます。
着手の順番を決めるのは、相手のいる打ち手か基準で決まる打ち手かという違いです。

手続きの詳しい進め方には踏み込まず、選び分けの基準までを示します。

隣地の一部を買い取るか等価交換して間口を2メートル以上にする

接道間口が2メートルに足りない敷地では、隣地の一部を取得すれば要件を満たせます。
買取は土地代を払って所有権を得る方法で、等価交換は同じ価値の土地どうしを取り替える方法です。
買取は費用が大きくなる一方で交渉が単純に済み、等価交換は費用を抑えられる一方で相手の土地の形が変わるため合意が難しくなります。

等価交換では、固定資産の交換の特例を使える場合があります。
同じ種類の固定資産を交換し、1年以上所有しているなど所定の要件を満たす場合の扱いです。
要件を満たせば譲渡がなかったものとされ、譲渡所得への課税は生じません。
適用の可否は税務署か税理士に確認してください。

隣地所有者が応じるかどうかは、相手の事情で決まります。
断られた時点で次の打ち手へ移れるよう、売却の見積もりも並行して取っておいてください。

【参考記事】固定資産の交換の特例(国税庁タックスアンサー No.3502)

幅員4メートル未満の道路ならセットバックで建て替えられる場合がある

前面道路が42条2項のみなし道路なら、後退によって幅員不足を解消できます。
道路の中心線から2メートル下がった線を敷地の境界とみなす扱いを受け入れると、後退後の敷地で建築確認を受けられます。

後退した部分に置けないのは、建物・塀・門です。
敷地面積からも除かれるため、建ぺい率と容積率の上限が下がります。
もとの敷地が狭い場合、後退後に成り立つ建物の規模を先に試算してください。

間口が2メートルに満たない敷地では、後退だけでは解決しません。
幅員の問題と間口の問題は別で、間口を広げるには隣地の一部取得が要ります。
両方に該当する敷地では、費用も期間も倍近くです。

向かい側の所有者がすでに後退を済ませているかどうかも、役所の道路担当課で確かめられます。
両側が後退して初めて幅員4メートルが実現するため、自分の側だけ下がっても道は広がりません。

建築基準法43条2項の認定と許可は要件も手間も別物として扱う

建築基準法43条2項は、接道義務を適用しない場合を2つの号に分けています。
1号は認定、2号は許可で、要件も手間も異なります。

1号は、敷地が幅員4メートル以上の道に2メートル以上接し、避難と通行の安全上必要な国土交通省令の基準に適合する場合の扱いです。
加えて建築物の利用者が少数である点も求められ、特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと認めれば適用されます。
基準に合えば比較的短期間で通ります。

2号は、敷地の周囲に広い空地があるなど省令の基準に適合する建築物について、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可する扱いです。
個別の審査が入るため、事前相談から許可まで数ヵ月かかります。

2018年9月施行の改正までは「43条ただし書」と呼ばれていました。
現在の条文は2項です。
申請が通らなかった場合の出口まで含めて整理したいなら、無料査定と弁護士相談を同時に進めてください。

【参考】建築基準法(e-Gov 法令検索)

再建築不可物件の出口は活用・仲介・買取の3つで、条件で選び分ける

再建築不可物件の出口は3つです。
判断軸は、建物の状態・時間の余裕・権利関係の3点に整理できます。

建物の状態は、耐震性と雨漏りの有無で判断します。
時間の余裕を測る基準は、相続税の納付期限や転居の予定といった外側の締切です。
権利関係は、名義が単独か共有か、相続登記が済んでいるかで見分けられます。

出口向いている条件かかる期間の目安手取りの傾向
住む・貸す建物が使え、修繕費を回収できる見込みがある修繕に1ヵ月から3ヵ月家賃収入が入るが修繕費が先に出る
隣地所有者に売る隣地所有者に敷地を広げる動機がある交渉に数ヵ月から1年一般の買主より高くなる場合がある
仲介で売る立地が良く、成約まで待てる数ヵ月から1年以上市場相場に近づくが売れ残る場合がある
買取で売る期限がある、または権利関係が複雑数日から1ヵ月仲介の相場より下がる

建物が使えるなら活用、時間をかけられて立地が良ければ仲介、期限があるか権利関係が複雑なら買取を選んでください。
3つの軸のうち2つ以上が売却へ傾いたら、保有を続ける理由は薄くなります。

どの出口でも共通するのは、解体を買主か活用方法が決まってから判断する点です。
先に更地にすると、活用も仲介も買取も条件が悪くなります。

建物が使える状態なら住むか貸して活用する

建て替えができなくても、修繕と模様替えの範囲で直せば住み続けられます。
戸建て賃貸として貸す方法もあり、住宅が建ったままなら住宅用地の特例も維持できます。

初期費用は工事の範囲で大きく変わる項目です。
水回りを含めたフルリフォームでは、リフォーム各社の公表値で500万円から1,500万円程度という説明が多く見られます。
内装と設備の更新にとどめれば、100万円から300万円程度に収まる例もあります。
数字は建物の広さと傷み方で動くため、幅として受け止めてください。

将来の建て替えができない以上、20年、30年先を前提にした投資回収は成り立ちません。
耐震性と雨漏りの有無を先に診断し、修繕費を家賃で回収できる見込みが立たないと分かった時点で、売却へ切り替えてください。

仲介で売るなら隣地所有者が最有力の買い手になる

仲介では、不動産会社が一般の買主を探します。
住宅ローンを使えない物件では買主の母数が小さく、成約までは数ヵ月から1年以上が目安です。
待てる時間があるなら仲介を選ぶ価値はありますが、買主の当てを最初から絞っておくと成約が早まります。

最有力の相手は、隣地の所有者です。
隣地所有者にとって再建築不可の土地は、自分の敷地と合わせれば接道要件を満たす資産になります。
間口の確保や敷地の拡張という動機があるため、一般の買主より高く評価される場合があります。

交渉は長引きやすい打ち手です。
関係が近いほど、価格の話は切り出しにくくなります。
境界や通行をめぐって過去に揉めた相手なら、直接の交渉は避けてください。
関係がすでにこじれているなら、弁護士を通した交渉に切り替えるほうが早く進みます。

期限があるか権利関係が複雑なら買取を選ぶ

訳あり不動産を扱う買取なら、期間を区切って手放せます。
相続税の納付期限が迫っている、遠方に住んでいて管理が続かないといった事情があるなら、買取が現実的です。
共有名義や相続登記未了のまま持ち込める窓口もあり、司法書士・弁護士と連携して名義の整理から進められます。

買取価格は仲介の相場を下回る水準です。
訳あり不動産を扱う各社の公表値では、仲介での相場に対して5割から7割程度という説明が多く見られます。
金額の低さと引き換えに、期間の短さと確実性を得る取引だと理解してください。

契約不適合責任を免除する条件で引き取る買取もあります。
売ったあとに雨漏りやシロアリ被害が見つかっても、修補や損害賠償を求められません。

売却後の責任を残したくないなら、免責の有無を契約前に確かめてください。
無料査定と提携弁護士・司法書士への相談は同時に申し込めます。

再建築不可物件を手放す前に確認する3つの注意点

手放す前に確認すべき点は3つです。
いずれも、先に確認しないと後戻りできません。

  • 活用方法が決まる前に建物を解体しない
  • 相続で取得したなら登記が済んでいるかを先に確認する
  • 共有名義なら共有者全員の同意がないと売却できない

確認の順番は、解体の可否、名義、共有者の同意の順です。

活用方法が決まる前に建物を解体しない

更地にすると、住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がります。
再建築不可物件では建物を建て直せないため、更地の用途は限られてしまいます。
そのため、買い手の側から見ても、建物がない土地は活用の幅が狭く、値がつきにくい土地です。

解体費用の水準に公的統計はありません。
解体業者の公表値では、木造住宅で1坪あたり3万円から5万円程度という説明が多く見られます。
30坪の住宅なら、総額90万円から150万円程度が目安です。
接道が狭い敷地では重機が入らず、手壊しになって費用が上振れします。

解体は、買主が決まってから、または活用方法が固まってから実施してください。
先に壊すと、費用を払ったうえで税負担が増え、買い手も減ります。
買取業者に売る場合は、建物が残ったままでも引き取れる窓口が多く、解体費用を負担せずに済みます。

相続で取得したなら登記が済んでいるかを先に確認する

相続登記とは、相続で取得した不動産の名義を相続人へ変える手続きです。
不動産登記法76条の2第1項は、申請の期限を3年以内と定めています。
起算点は、相続の開始があったと知り、かつ所有権を取得したと知った日です。

義務は2024年4月1日に始まりました。
同日より前に相続した不動産にも義務は及び、2027年3月31日までの申請が求められます。
正当な理由がないまま怠ると、10万円以下の過料の対象になります。

名義が被相続人のままでは、売買契約を結べない状態です。
遺産分割協議が終わっていない場合は、協議の成立が先になります。

登記が終わっていないなら、司法書士・弁護士と連携した窓口へ相談してください。
名義の整理と査定を並行して進められます。

【参考】不動産登記法(e-Gov 法令検索)

共有名義なら共有者全員の同意がないと売却できない

民法251条1項は、各共有者は他の共有者の同意を得なければ共有物に変更を加えられないと定めています。
土地建物を丸ごと売る行為は変更にあたるため、共有者全員の同意が要ります。

単独で売れるのは、自分の持分だけです。
持分の売却に他の共有者の同意は不要で、買い手が見つかれば手放せます。
ただし持分だけの売却では価格が下がり、他の共有者との関係も悪くなりやすい取引です。

同意が得られない場合の手段として、共有物分割請求があります。
裁判所に分割を求める方法で、決着のしかたは現物分割・代償分割・競売のいずれかです。
決着まで1年以上かかる例もあり、費用も相応に生じます。
まずは登記事項証明書を取り、共有者が誰で持分割合がいくつかを確かめてください。

【参考】民法(e-Gov 法令検索)

再建築不可物件でトラブルになっているなら弁護士に相談するのがおすすめ

再建築不可物件では、当事者だけでは動かせない場面が生じます。
弁護士に相談すべき場面は3つです。

1つ目は、私道の持分や通行の可否をめぐって隣地と対立している場合です。
通行と掘削の承諾が得られないと、水道管の引き直しもできません。
2つ目は、共有者と方針が食い違い、売るか持つかが決まらない場合です。
3つ目は、相続登記が終わらず、相続人の間で遺産分割協議がまとまらない場合です。

弁護士と司法書士では、扱える範囲が異なります。
弁護士が代理できるのは、相手方との交渉、調停、訴訟までです。
司法書士は登記手続きの代理を担い、認定を受けた司法書士でも代理できる紛争は請求額140万円以下に限られます。
相手と争いになっているなら弁護士へ、名義を整えるだけなら司法書士へ相談してください。

ベンナビ不動産は司法書士・弁護士と連携しており、権利関係の整理と査定を同時に進められます。

再建築不可物件に関する悩みは「ベンナビ不動産」で解決しよう

ベンナビ不動産は、訳あり不動産の無料査定と直接買取に対応する窓口です。
申込みから買取までは、査定依頼・物件情報の確認・査定額の提示・契約・決済という順に進みます。
受付は24時間365日で、最短3日での買取に対応しています。

媒体の公表内容によると、弁護士費用・登記相続費用・ごみ処理費用はいずれも0円とされています。
共有持分のみの売却では、他の共有者の同意を得ずに手放せます。
査定額を聞いたうえで断る判断もできます。

再建築不可物件は、一般の不動産会社では取り扱いを断られがちです。
相続登記が済んでいない、共有者と連絡が取れないといった事情を抱えていても、査定の相談は受け付けています。
まずは物件の所在地と現況を伝えて、金額を確かめてください。

再建築不可物件に関するよくある質問

Q

再建築不可物件は最終的にどうなりますか

A

活用するか手放すかを決めるまで、負担が増え続けます。
建物は老朽化が進み、管理不全空家等として勧告を受ければ住宅用地の特例が外れます。
特定空家等に進むと命令と行政代執行の対象になり、代執行の費用の負担者は所有者です。
放置を続けても状況は改善しません。

Q

再建築不可物件はやめたほうがいいと言われるのはなぜですか

A

出口が狭いためです。
建て替えができず、住宅ローンの審査も通りにくいため、買い手は現金で払える層に絞られます。
売りたいときに売れない状態になりやすく、保有中も固定資産税と管理の手間が続く物件です。
価格の安さだけで判断すると、手放す段階で行き詰まります。

Q

再建築不可かどうかはどこで分かりますか

A

法務局と役所の2か所で分かります。
法務局で公図と登記事項証明書を取り、敷地と前面の道の位置関係を確かめてください。
次に役所の道路担当課で、前面の道が建築基準法42条の何項にあたるかを聞きます。
最後に建築担当課で接道の可否を確認すれば、判定は確定に近づきます。

Q

再建築不可物件でどこまでリフォームできますか

A

建築確認が要らない範囲までです。
内装の張り替え、外壁の塗装、配管を変えない設備交換、カバー工法による屋根と外壁の改修は実施できます。
一方、主要構造部の過半を直す大規模の修繕は、2025年4月の改正で2階建て住宅も確認の対象に入ったため、実施できなくなりました。

Q

再建築不可物件を売る方法はありますか

A

売る方法はあります。
現実的な買い手は2種類あります。
1つは隣地の所有者です。
敷地を合わせれば接道要件を満たすため、一般の買主より高く評価する場合があります。
もう1つは訳あり不動産を扱う買取業者で、価格は下がるものの数日から1ヵ月で手放せます。

まとめ|再建築不可物件は5つの類型で判定し活用・仲介・買取から出口を選ぶ

再建築不可物件とは、いま建っている建物を取り壊すと同じ敷地に新しい建物を建てられない土地です。
原因は5つに分かれます。
接道間口2メートル未満・建築基準法上の道路でない・幅員4メートル未満・袋地・市街化調整区域のどれかに当てはまります。

判定は自分で確かめられます。
法務局で公図と登記事項証明書を取り、役所の道路担当課と建築担当課で道路種別と接道の可否を聞けば、原因が特定できます。
放置すれば、更地化や勧告で住宅用地の特例が外れ、倒壊時には所有者が賠償責任を負います。

出口は活用・仲介・買取の3つです。
建物が使えるなら活用、時間をかけられるなら仲介、期限があるか権利関係が複雑なら買取を選んでください。
次の一歩として、法務局で登記事項証明書を取るか、無料査定で手放した場合の金額を確かめる行動から始めましょう。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。