事故物件

心理的瑕疵とは?事故物件との違いと告知義務の範囲・売却方法をわかりやすく解説

心理的瑕疵とは?事故物件との違いと告知義務の範囲・売却方法をわかりやすく解説

相続した実家やアパートで居住者が亡くなり、不動産会社から「心理的瑕疵にあたります」と言われて調べている方は少なくありません。
売れるのか、いくら下がるのか、どこまで伝えればよいのかがわからないまま、手が止まってしまいます。

告げるべき範囲を決めるのは、死因・事案からの経過期間・発生場所の3つです。
本記事では、心理的瑕疵の意味と5類型の位置づけを整理します。
続けて、告知が必要なケースと不要なケース、告げなかった売主が負う責任、売却の方法を解説します。

読み終えるころには、自分の物件で告げるべき内容を整理し、仲介と買取のどちらで売るかを選べる状態です。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

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心理的瑕疵は訳あり物件の5つの類型のひとつにあたる

心理的瑕疵は訳あり物件の5つの類型のひとつにあたる

心理的瑕疵とは、建物や土地に不具合がないのに、買主が住むことに抵抗を感じる状態を指します。
不動産の「訳あり」に法令上の定義はなく、実務では次の5類型で整理します。

  • 心理的瑕疵|事故物件など買主に心理的な抵抗を与える物件
  • 物理的瑕疵|雨漏りやシロアリ被害など建物や土地そのものの不具合
  • 環境的瑕疵|墓地や騒音など周辺環境が住み心地を損なう物件
  • 法的瑕疵|再建築不可など法令の制限で使い方が限られる物件
  • 権利関係の瑕疵|共有持分や借地権など権利が分かれている物件
類型原因のありか代表例
心理的瑕疵過去の出来事や周辺事情自殺、他殺、発見が遅れた孤独死、近隣の暴力団事務所
物理的瑕疵建物・土地の状態雨漏り、シロアリ被害、建物の傾き、地盤沈下
環境的瑕疵周辺の環境墓地や火葬場の近接、騒音、異臭
法的瑕疵法令上の制限再建築不可、容積率や建ぺい率の不適合
権利関係の瑕疵権利の分かれ方共有持分、借地権、底地、相続登記が未了の不動産

心理的瑕疵|事故物件など買主に心理的な抵抗を与える物件

心理的瑕疵とは、過去の出来事や周辺の環境が原因で、買主が住むことに抵抗を感じる状態を指します。
建物や土地そのものに不具合はありません。
代表例は、物件内で起きた自殺や他殺、発見が遅れた孤独死です。
近隣に暴力団事務所がある場合も含まれます。

ほかの4類型と大きく違うのは、修繕や工事で解消できない点です。
雨漏りは直せば消えますが、過去に人が亡くなった事実は工事では消えません。
値付けと告知の準備という形で対応することになります。

したがって、自分の物件が当てはまりそうなら、まず事案の内容を書き出してください。
死亡日・発生場所・死因・特殊清掃の有無をそろえておくと、不動産会社や弁護士との相談が早く進みます。

物理的瑕疵|雨漏りやシロアリ被害など建物や土地そのものの不具合

物理的瑕疵とは建物や土地の状態そのものに生じた不具合を指します。
建物では雨漏り、シロアリ被害、傾き、給排水管の故障が典型例にあたります。
土地では地盤沈下や土壌汚染、地中に残ったがれきが代表例です。

一方、物理的瑕疵は調査で見つけやすく、費用をかければ解消できます。
売主が売却前に建物状況調査(インスペクション)を受けておけば、不具合の範囲と補修費の見当がつきます。
心理的瑕疵と違い、直せば買主の抵抗感も小さくなる点が特徴です。

ただし、補修したかどうかにかかわらず、売主が知っている不具合は買主に伝えなければなりません。
伝えずに引き渡すと、引き渡した物件が契約の内容に適合しないとして責任を問われます。
補修した場合も、補修前の状態と工事の内容を書面に残しておいてください。

環境的瑕疵|墓地や騒音など周辺環境が住み心地を損なう物件

環境的瑕疵とは物件の外側にある環境が住み心地を損なう状態を指します。
墓地・火葬場・清掃工場・風俗営業店が近い場合や、工場の騒音・振動・異臭が続く場合が該当します。
日照や眺望が近隣の建物にさえぎられる場合も対象です。

なお、環境的瑕疵と心理的瑕疵は、実務でしばしば重なります。
墓地の近接を環境の問題と見るか、買主の心理の問題と見るかで、担当者ごとに分類が変わるためです。
分類より重要なのは、伝えるかどうかの判断です。

加えて、嫌悪施設に決まった一覧はなく、地域の受け止め方によっても範囲は変わります。
同じ施設でも、都市部と郊外では買主の反応が違います。

売主としては、周辺に嫌悪施設がある場合、分類の議論に踏み込まずに事実を伝える方針で進めてください。

法的瑕疵|再建築不可など法令の制限で使い方が限られる物件

法的瑕疵とは法令の制限によって建て替えや利用ができない状態を指します。
代表例が再建築不可の土地です。
建築基準法は、建物の敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないと定めています。
接する幅が足りない土地では、いま建っている家を取り壊すと、新しい家を建てられません。

ほかにも、容積率や建ぺい率の上限を超えて建てられた建物や、市街化調整区域内で許可を受けずに建てられた建物が代表例です。
いずれも建物を壊すと同じ規模で建て直せないため、買主が住宅ローンを組みにくくなります。

ただし、法的瑕疵があっても売却自体はできます。
残っているのは、隣地を買い足して接道を確保する方法や、訳あり不動産を扱う買取業者へ売る方法です。

【参考】建築基準法|e-Gov法令検索

権利関係の瑕疵|共有持分や借地権など権利が分かれている物件

権利関係の瑕疵とは所有権が複数人や複数の権利に分かれ、所有者が単独では自由に処分できない状態を指します。
兄弟で相続した共有名義の実家、借地上の建物、他人に貸している土地(底地)が代表例です。

たとえば共有名義の不動産では、建物と土地の全体を売るために共有者全員の同意が必要になります。
自分の持分だけであれば、ほかの共有者の同意がなくても売却できます。
ただし、持分だけを買う相手は限られるため、価格は全体を売る場合より低い水準です。

相続登記が済んでいない不動産も、権利関係の瑕疵として扱われます。
名義が亡くなった方のままでは、買主へ所有権を移す登記ができないためです。

【参考】民法|e-Gov法令検索

心理的瑕疵とは買主が住むことに抵抗を感じる欠陥を指す

心理的瑕疵は「しんりてきかし」と読みます。
事故物件は心理的瑕疵の一部にすぎず、広告の「告知事項あり」は心理的瑕疵だけを指す表示ではありません。
3つの言葉の関係は次のとおりです。

  • 心理的瑕疵の範囲は法令ではなく個別の事情で決まる
  • 心理的瑕疵の範囲は事故物件より広い
  • 広告の「告知事項あり」は心理的瑕疵より広い事情を含む

心理的瑕疵の範囲は法令ではなく個別の事情で決まる

心理的瑕疵(しんりてきかし)とは取引の判断に影響する心理的な抵抗を買主や借主が感じる状態を指す実務上の呼び方です。
法令に定義規定はありません。
よって、どこまでが心理的瑕疵に当たるかは、事案ごとに個別に判断されます。

2020年4月の民法改正で、売主が負う責任の呼び方は「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わりました。
不動産の実務では、瑕疵という語が物件の欠陥を表す言葉として使われ続けています。
本記事でも、慣用にあわせて心理的瑕疵という語で統一しました。

とはいえ、範囲が決まっていないぶん、売主が最初にやるべきことははっきりしています。
死因・事案からの経過期間・発生場所の3点を確認するところから始めてください。
3点がそろえば、告知の要否も価格の見通しも判断できます。

【参考】民法|e-Gov法令検索

心理的瑕疵の範囲は事故物件より広い

事故物件とは人が亡くなった物件を指す通称です。
心理的瑕疵は、人の死に加えて、近隣の嫌悪施設や反社会的勢力の存在も含みます。
つまり、事故物件は心理的瑕疵の一部にあたります。

用語指すもの位置づけ
心理的瑕疵買主や借主が住むことに抵抗を感じる事情の全体実務上の呼び方で法令の定義はない
事故物件人が亡くなった物件心理的瑕疵の一部を指す通称
告知事項あり買主や借主に伝えるべき事情がある旨の広告表示心理的瑕疵に限らず物理的・法的・環境的な事情も含む

なお、事故物件という語にも法令の定義はありません。
広告で使われる場合も、人の死があった物件を指します。

人が亡くなっていなくても心理的瑕疵になる例として、隣にごみ屋敷がある場合や、過去に近隣で大きな火災があった場合が挙げられます。
人の死がなかったとしても、心理的瑕疵に当たる場合があるため注意してください。

広告の「告知事項あり」は心理的瑕疵より広い事情を含む

「告知事項あり」とは買主や借主に伝えるべき事情がある旨を示す広告表示です。
心理的瑕疵だけでなく、雨漏りなどの物理的な不具合、再建築不可などの法的な制限、騒音などの環境の問題も含みます。

ただし、表示だけでは死亡事案があったのかどうかも、事案の内容もわかりません。
物件を買う側であれば、表示を見た時点で不動産会社に内容を確認してください。
口頭で聞くだけでなく、重要事項説明書への記載も求めておくと、後から争いになりにくくなります。

売り出す側であれば、表示にとどめずに内容を書面へ残す必要があります。
「告知事項あり」と広告に書いただけでは、事案を伝えたことにはならないためです。
買う側も売る側も、表示の有無ではなく告知書の中身で判断してください。

心理的瑕疵に当たる主な具体例

心理的瑕疵は、物件内で起きた人の死、周辺の嫌悪施設、周辺の反社会的勢力という3系統に大きく分かれます。
系統ごとに、判断のポイントが変わります。

  • 物件内で自殺・他殺・孤独死が起きた
  • 近隣に墓地や火葬場などの嫌悪施設がある
  • 近隣に暴力団事務所などの反社会的勢力の拠点がある

当てはまりそうな場合、自己判断で「告げなくてよい」と決めないでください。
不動産会社と弁護士に事案を伝え、扱いをそろえてから売り出すほうが安全です。

物件内で自殺・他殺・孤独死が起きた

心理的瑕疵の代表例が、物件内で人が亡くなった事案です。
自殺と他殺は、死因そのものによって心理的瑕疵として扱われます。
火災による死亡も同じ扱いです。

一方、孤独死は死因では決まりません。
老衰や病気による死亡であっても、発見までに時間がかかって遺体の傷みが進み、特殊清掃が必要になった場合は心理的瑕疵として扱われます。
逆に、家族がすぐに発見した自然死であれば、心理的瑕疵とはされないのが一般的です。

発生場所によっても扱いが変わります。
専有部分での死亡は告知の対象になりますが、居住者がふだん使わない場所での死亡は対象外とされる場合があります。
判断が分かれやすい部分のため、事案の内容を弁護士に伝えて扱いを確認してから売り出してください。

近隣に墓地や火葬場などの嫌悪施設がある

嫌悪施設とは近くにあることで住み心地や資産価値に影響する施設を指します。
墓地・火葬場・清掃工場・下水処理場・風俗営業店・刑務所が代表例です。
物件そのものに問題がなくても、買主が住むことに抵抗を感じる事情として扱われます。

なお、嫌悪施設は環境的瑕疵にも分類されるため、実務では線引きが曖昧です。
ただし、分類がどちらであっても、買主の判断に影響する事情であれば伝える必要がある点は変わりません。

また、判断は距離と見え方で変わります。
窓から墓地が見える物件と、200メートル離れて建物にさえぎられる物件では、買主の受け止め方が違うためです。
売り出す前に、施設との距離と見え方を不動産会社に伝え、告知するかどうかの方針をそろえてください。

近隣に暴力団事務所などの反社会的勢力の拠点がある

反社会的勢力の拠点とは暴力団事務所や、暴力団関係者が常時出入りする建物を指します。
近隣に拠点がある場合、人の死がなくても心理的瑕疵として扱われます。
買主の安全に関わる事情であり、購入の判断に強く影響するためです。

また、報道で広く知られた事件の現場になった場合も、同じように扱われます。
社会的な影響が大きい事案は、経過した年数にかかわらず告知が求められます。

売り出す前に、自分の物件が事故物件の情報サイトに掲載されていないかを確認してください。
掲載されていれば買主は購入前に把握できるため、伏せる意味がありません。
取引を早く進めるには、掲載を前提に告知の内容と価格を組み立てるほうが得策です。
掲載内容に誤りがあれば、サイトの運営者へ削除や訂正を申し入れる方法もあります。

心理的瑕疵の告知義務は不動産会社と売主で根拠が違う

不動産会社の告知義務は宅地建物取引業法が定め、売主個人が負うのは民法の契約不適合責任です。
根拠が別であるため、片方の基準をもう片方に当てはめると判断を誤ります。

  • 不動産会社の告知義務は宅地建物取引業法が定める
  • 売主が負うのは民法の契約不適合責任
  • 国土交通省のガイドラインは売主の告知義務を免除しない

混同すると「3年経ったから売主も告げなくてよい」という誤解につながります。
3つの根拠を順に確認していきましょう。

不動産会社の告知義務は宅地建物取引業法が定める

宅地建物取引業法は、不動産会社に2つの義務を課しています。

1つ目が重要事項の説明です。
売買や賃貸の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が書面を交付し、法律が列挙する事項を買主や借主へ説明しなければなりません。
説明を担当するのは資格を持つ取引士に限られます。

2つ目が、事実を告げない行為の禁止です。
契約の締結を勧誘する際、買主の判断に重要な影響を及ぼす事項を故意に告げない行為は禁じられています。
事実と違うことを告げる行為も同じく禁じられています。
心理的瑕疵も、買主の判断に重要な影響を及ぼす事項の1つです。

つまり、売主が不動産会社へ事案を伝えていれば、不動産会社は買主へ説明する立場に立ちます。
売主が伝えていなければ、不動産会社は説明のしようがありません。

【参考】宅地建物取引業法|e-Gov法令検索

売主が負うのは民法の契約不適合責任

売主個人には、宅地建物取引業法の重要事項説明の義務はかかりません。
代わりに民法の契約不適合責任を負います。

民法が定めているのは、引き渡された物件が契約の内容に適合しない場合の買主の権利です。
買主は売主に対し、修補や代替物の引渡しによって不足を補うよう請求できます。
売主が相当の期間内に追完に応じなければ、買主は不適合の程度に応じて代金の減額を請求できます。
損害賠償の請求と契約の解除も、追完や減額とは別に認められる権利です。

したがって、心理的瑕疵を告げずに売れば、買主が想定した品質と引き渡された物件は食い違います。
契約不適合にあたると判断される可能性があります。
2020年4月の改正前は瑕疵担保責任と呼ばれていた仕組みです。

すでに買主から連絡が来ている場合は、返答する前に弁護士へ相談してください。
初回の回答内容が、以後の交渉の前提になるためです。

【参考】民法|e-Gov法令検索

国土交通省のガイドラインは売主の告知義務を免除しない

国土交通省は2021年10月8日に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。
名前のとおり、宅地建物取引業者、つまり不動産会社が告げるべき範囲の目安を示した文書です。
売買と賃貸の両方の取引が対象です。

ただし、注意すべき点が2つあります。
1つは、あくまで不動産会社の実務の指針であり、売主個人の契約不適合責任を免除するものではない点です。
もう1つは、裁判所の判断を拘束しない点です。
ガイドラインの目安に沿って告げなかった場合でも、個別の事情によっては売主の責任が認められる余地が残ります。

売主としては、ガイドラインを「告げなくてよい範囲を示すもの」ではなく、「不動産会社が告げる範囲の目安」として読んでください。

【参考元】宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

心理的瑕疵の告知が必要なケースと不要なケース

心理的瑕疵の告知が必要なケースと不要なケース

自然死と日常生活での不慮の死は原則として告げなくてよく、自殺・他殺・特殊清掃を要した死は告げる必要があります。
買主から質問された場合と社会的な影響が大きい事案は、経過した年数にかかわらず告げてください。

事案原則の扱い注意点
老衰・病死などの自然死告知は不要発見が遅れて特殊清掃をした場合は必要になる
転倒や誤嚥などの日常生活の不慮の死告知は不要同上
自殺告知が必要経過年数だけでは判断できない
他殺告知が必要報道された事案はとくに長く残る
特殊清掃を要した死告知が必要死因を問わず対象になる
原因不明の死告知が必要判明するまでは告げる前提で進める
  • 告知が必要になるのは自殺・他殺・特殊清掃を要した死
  • 自然死と日常生活での不慮の死は原則として告げなくてよい
  • 買主から質問されたら期間を問わず答える

判断に迷った場合は、告げるほうを選んでください。
告げずに解除された場合の損失のほうが大きいためです。

告知が必要になるのは自殺・他殺・特殊清掃を要した死

国土交通省のガイドラインを踏まえると、告げるべき事案は次の6つに整理できます。

  • 殺人
  • 自殺
  • 特殊清掃を必要とした自然死
  • 特殊清掃を必要とした不慮の事故死
  • 不慮の事故とはいえない事故死
  • 原因不明の死

火災による死亡も、不慮の事故とはいえない事故死として扱われます。

また、判断の分かれ目になるのが特殊清掃の有無です。
該当するのは、遺体の傷みが進み、通常の清掃では対応できない状態になった場合です。
特殊清掃を扱う業者による清掃や消臭、床材の張り替えを行えば、死因が自然死であっても告げる対象になります。
大規模なリフォームを行った履歴も、同じように判断材料になります。

自分の物件で特殊清掃や大規模リフォームを行った場合は、作業の内容と日付がわかる書類をそろえてください。
清掃業者の見積書や請求書が、告知の内容を裏づける資料になります。

【参考元】宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

自然死と日常生活での不慮の死は原則として告げなくてよい

国土交通省のガイドラインは、取引の対象となる不動産で発生した自然死を、原則として告げなくてよいとしています。
日常生活のなかでの不慮の死も同じ扱いです。
不慮の死の例として挙げられているのは、階段からの転倒事故や食事中の誤嚥です。

高齢者が自宅で亡くなる事案の多くは、老衰や持病による自然死にあたります。
自宅で亡くなったという事実だけでは、告知の対象にはなりません。
自宅での死亡は日常的に起こりうる出来事であり、買主の判断に重要な影響を及ぼすとまではいえないためです。

ただし、例外があります。
発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合は、死因が自然死であっても告げる対象へ変わります。
死因だけで判断せず、発見までの期間と清掃の内容もあわせて確認してください。

【参考元】宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

買主から質問されたら期間を問わず答える

買主や借主から過去の事案について質問された場合、経過した年数にも死因にもかかわらず、把握している内容を告げてください。
国土交通省のガイドラインは、買主や借主から質問があった場合を例外なく告知が必要な場面として扱っています。

また、社会的な影響が大きい事案も同じです。
報道された事案や、インターネット上で広く知られた事案が該当します。
買主が把握しておくべき特段の事情があるとして、経過した年数にかかわらず告げる必要があります。

質問に答えた場合は、回答した内容と日付を記録に残してください。
不動産会社を通じて書面でやり取りすれば、記録は自然に残ります。
口頭だけで済ませると、後から「聞いていない」と言われた際に反論しにくくなります。

【参考元】宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

心理的瑕疵の告知義務が続く期間は売買と賃貸で異なる

心理的瑕疵の告知義務が続く期間は売買と賃貸で異なる

賃貸ではおおむね3年という目安がありますが、売買には期間の定めがありません。
売主の契約不適合責任には3年の目安が及ばないため、経過した年数だけを理由に告知を省くのは避けてください。

取引期間の目安根拠注意点
賃貸おおむね3年国土交通省のガイドライン質問されたら期間を問わず答える
売買定めなし目安を示した文書がない長期間が経過しても責任を問われる場合がある
  • 賃貸はおおむね3年が目安になる
  • 売買に告知義務が消える期間の定めはない
  • 特殊清掃や解体をしても告知義務は残り続ける

期間の目安と、売主が負う責任は別物です。
3年という数字を自分の売却に当てはめる前に、次の3点を確認してください。

賃貸はおおむね3年が目安になる

国土交通省のガイドラインは、賃貸借取引の対象となる不動産について期間の目安を示しています。
居住者が日常的に使う集合住宅の共用部分も同じ扱いです。
自然死と日常生活での不慮の死以外の死が発生し、事案発生からおおむね3年が経過した後は、原則として告げなくてよいという内容です。

ただし、3年はあくまで目安であり、期限ではありません。
社会的な影響が大きい事案では、3年を過ぎた後も告げる必要が残ります。
地域の事情によっても、記憶が残る期間はまちまちです。

3年を過ぎても、入居希望者から質問された場合は答えなければなりません。
賃貸オーナーとしては、事案の記録を保管し、質問があればすぐ回答できる体制を整えておいてください。

【参考元】宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

売買に告知義務が消える期間の定めはない

国土交通省のガイドラインが期間の目安を示したのは賃貸借取引についてであり、売買については目安が示されていません。
売買では、一定の年数で告知義務が一律に消える仕組みそのものがないためです。
事案から長い年数が経過した後でも、売主の責任が問われた例があります。

なお、民法にも期間の制限はありますが、売主を守る形では働きません。
原則は、買主が不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しなければ、追完・減額・賠償・解除を請求できなくなるという内容です。
売主が引き渡しのときに不適合を知っていた場合と、重大な過失によって知らなかった場合には、1年の制限が働きません。
心理的瑕疵を知りながら告げなかった売主は、まさに制限が働かない側に立ちます。

経過した年数を判断材料にしないでください。
20年前の事案であっても、知っているなら告げる前提で売却の準備を進めるほうが安全です。

【参考】民法|e-Gov法令検索

特殊清掃や解体をしても告知義務は残り続ける

痕跡を消す作業と、事実を告げる義務は別物です。
特殊清掃で臭いを取り、床や壁を張り替えても、過去に事案があった事実そのものは残ります。
建物を解体して更地にした場合も同じで、土地の売却時に告げる対象として残り続けます。

また、中古住宅の売買で利用される既存住宅売買瑕疵保険でも、心理的瑕疵は対象外です。
保険がカバーするのは構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防ぐ部分であり、過去の事案は含まれません。

更地にすれば買主の抵抗は小さくなりますが、木造住宅でも100万円前後の解体費用が生じる場合があります。
費用を回収できるかどうかは、解体前に査定で確かめてください。

リフォームに費用をかける前に、告知を前提とした売り方を決めてください。
費用をかけても価格が同じだけ上がるとは限らず、持ち出しだけが増える場合があります。

心理的瑕疵を告げずに売った売主が負う責任

告げずに売ると、買主から契約の解除と代金の返還、代金の減額、損害賠償を求められます。
責任を負わない旨の特約を付けていても、知りながら告げなかった事実については免れられません。

  • 契約を解除されて代金を返すことになる
  • 代金の減額や損害賠償という形で金銭の請求を受ける
  • 免責特約を付けても知りながら告げなかった事実の責任は負う

物件を買う側で後から心理的瑕疵が判明した場合も、行使できる権利は同じです。

契約を解除されて代金を返すことになる

心理的瑕疵を告げなかったために契約の目的を達成できないと判断されると、買主は契約を解除できます。
解除されれば、売主は受け取った手付金と売買代金を返さなければなりません。

さらに、売主の負担は返す金額だけでは済みません。
仲介手数料、登記費用、印紙代はすでに支払っており、解除されても戻ってきません。
買主が引っ越しを終えていれば、引っ越し費用の負担を求められる場合もあります。

引き渡しが終わった後でも、契約が解除される余地は残ったままです。
売却代金を使ってしまった後に解除されると、手元に返す資金がない状態に陥ります。
契約前に告げていれば避けられた事態のため、告知を先送りしないでください。
解除を求められた場合は、応じる前に弁護士へ相談してください。

代金の減額や損害賠償という形で金銭の請求を受ける

解除に至らない場合でも、金銭の請求は残ります。
買主は、相当の期間を定めて不足を補うよう売主に求められます。
期間内に売主が応じなければ、不適合の程度に応じた代金の減額を請求できるというのが民法の定めです。
心理的瑕疵は修補で消せないため、追完ができない状態として、督促なしで減額を請求できる場合もあります。

加えて、損害賠償の請求も別に認められます。
対象になるのは、買主が住み続けられずに引っ越した場合の費用や、精神的な損害です。
減額と賠償は同時に請求できるため、負担は積み上がります。

買主から請求を受けた段階で、弁護士へ相談してください。
減額幅の妥当性や、賠償の範囲は交渉で決まる部分が大きく、初期の対応が結果を左右します。

【参考】民法|e-Gov法令検索

免責特約を付けても知りながら告げなかった事実の責任は負う

中古住宅の売買では、売主が契約不適合の責任を負わない旨の特約を付ける場合があります。
築年数が古く、売主が個人の場合はとくに多く使われます。

しかし、特約があっても万能ではない点に注意してください。
民法は、担保の責任を負わない旨の特約をした場合の限界を定めています。
売主が知りながら告げなかった事実については、特約があっても責任を免れられません。
心理的瑕疵を知っていながら伏せた売主は、特約の有無にかかわらず責任を負います。

免責特約を理由に告知を省くという判断は、成り立ちません。
特約はあくまで、売主が知らなかった不具合について責任の範囲を区切る仕組みです。
知っている事案は、特約とは別に書面で告げてください。

【参考】民法|e-Gov法令検索

心理的瑕疵がある不動産の価格に決まった下落率はない

心理的瑕疵による値下がり幅を示す公的な統計は存在しません。
買取業者が公表している目安はありますが、対象の死因や立地の条件がそろっていないため、幅のある参考値として扱ってください。

  • 値下がり幅は死因と社会的影響の大きさで変わる
  • 事案からの経過期間が長いほど抵抗感は薄れる
  • 立地の需要が強いほど下落幅は小さくなる

自分の物件の下落幅を数字で知る方法は、複数社の査定を取ることだけです。

値下がり幅は死因と社会的影響の大きさで変わる

死因によって、買主が感じる抵抗の強さは変わります。
自然死や病死は影響が小さく、告知しても大きく値引きせずに売れる場合があります。
一方、自殺や他殺は影響が大きく、報道された事件であればなおさらです。

たとえば買取業者が公表している目安では、自然死で1割前後、自殺で2割から3割、他殺で3割から5割といった幅が示されています。
数字の根拠となる取引件数や地域は公表されていません。
自分の物件に当てはまるかどうかは別問題として読んでください。

同じ死因でも、建物の種別と部屋の位置で差が出ます。
戸建てより、他の住戸と壁を接するマンションのほうが影響は広がりやすい傾向にあります。
査定を依頼する際は、死因と発生場所を正確に伝えてください。

事案からの経過期間が長いほど抵抗感は薄れる

事案から年数が経つほど、買主の抵抗感は薄れます。
近隣の記憶が薄れ、インターネット上の情報も検索されにくくなるためです。
結果として、値引き幅は小さくなる傾向にあります。

ただし、価格の回復と告知義務の存続は別の問題です。
売買では告知義務が消える期間の定めがないため、値引きが不要になる時期が来ても、告げる義務は残り続けます。

売れるまで待つという判断には、費用がかかる点も踏まえてください。
空き家のまま保有すれば、固定資産税と都市計画税、火災保険料、庭木や建物の管理費が毎年発生します。
待つあいだに近隣で新たな事案が起きれば、条件はさらに悪くなります。
待つ年数と値引き幅を比べ、どちらが手元に残る金額を大きくするかで決めてください。

立地の需要が強いほど下落幅は小さくなる

同じ事案でも、立地によって値引き幅は変わります。
駅に近い、賃貸需要が厚いといった条件がそろう場所では買い手が見つかりやすく、値引きは小さく収まります。
逆に、もともと買い手が少ない地域では、心理的瑕疵の有無にかかわらず売却自体が長引きがちです。

また、買い手の属性も影響します。
自分で住む買主より、賃貸経営を行う投資家のほうが心理的な抵抗は小さく、利回りで判断します。
事業用に転用できる立地であれば、値引き幅はさらに小さい水準です。

立地条件を踏まえた査定を、複数社から取ってください。
心理的瑕疵の扱いに慣れた会社と慣れていない会社では、提示額が大きく開きます。
依頼するときは、周辺の賃貸需要や再開発の予定もあわせて伝えてください。

心理的瑕疵がある不動産を売る3つの方法

早さと確実性を優先するなら買取、価格を優先し時間をかけられるなら仲介を選んでください。
隣地の所有者や投資家への売却は、条件が合えば有力な選択肢になります。

売り方売却までの期間価格の水準引き渡し後の責任向いているケース
仲介数ヵ月〜1年以上市場価格に近い売主に残る時間をかけられる、立地の需要が強い
買取数日〜1ヵ月仲介より低い免除される契約もある早く現金化したい、管理を続けたくない
隣地や投資家への売却交渉次第条件により幅がある交渉で決める近隣に知られたくない、収益物件として使える
  • 仲介で一般の買主に売る
  • 買取業者に直接売る
  • 隣地の所有者や投資家に売る

3つのうちどれを選ぶかは、時間と価格のどちらを優先するかで決まります。
順に内容を確認していきましょう。

仲介で一般の買主に売る

仲介とは不動産会社に買主を探してもらい、一般の個人へ売る方法です。
市場価格に近い金額で売れる可能性がある点が最大の利点にあたります。

一方、心理的瑕疵を告知したうえで買い手を待つため、売却までの期間は長引きます。
売れ残っている間も、固定資産税と都市計画税、火災保険料、建物の管理費は発生したままです。
遠方に住んでいれば、草刈りや通風のための往復費用も積み上がります。

引き渡した後も、契約不適合責任は売主に残ります。
告知した内容が不十分だったと後から判断されれば、減額や解除を求められる点は変わりません。
仲介を選ぶ場合は、告知書の記載を不動産会社と一緒に詰めてください。
売れ残る期間が長引くほど、値下げを重ねることになります。
当初の想定額で売れる保証はありません。

買取業者に直接売る

買取とは不動産会社が自ら買主となって物件を買い取る方法です。
買い手を探す期間が不要なため、査定から数日から1ヵ月ほどで現金化できます。

訳あり不動産を扱う会社は、リフォームや用途の転換によって再販するノウハウを持っています。
一般の買主が付かない物件でも値が付くのは、再販の見通しを立てられるためです。
特殊清掃や残置物の処分を業者側が引き受ける契約もあり、売主の持ち出しを抑えられます。

ただし、価格は仲介より低くなります。
業者は再販までの費用とリスクを織り込んで買い取るためです。
1社の提示額で決めず、複数社から査定を取り、金額の幅と条件を比べてください。
査定額の差は、業者が想定する再販先の違いから生まれます。
賃貸に回す前提か、リフォームして再販する前提かで金額は変わります。

隣地の所有者や投資家に売る

市場に出さずに売る方法もあります。
隣地の所有者にとっては、土地をつなげることで敷地の形が整い、建物を建てやすくなる点が利点です。
心理的瑕疵があっても、土地の利用価値で判断するため、抵抗は小さく収まります。

また、賃貸経営を行う投資家も有力な候補です。
投資家は利回りで購入を判断するため、心理的瑕疵による値引きがむしろ購入の動機になる場合があります。
賃貸に出す際の告知は必要になりますが、おおむね3年という目安があるぶん、出口を描きやすいためです。

隣地の所有者に打診する際は、不動産会社を通してください。
直接持ちかけると、価格の交渉で不利になりやすいためです。

個人の間で売買する場合でも、告知義務は変わりません。
知り合いだからと口頭で済ませず、告知書を作成して取り交わしてください。

心理的瑕疵がある不動産を売るときの注意点

告知した内容を書面に残し、告知を前提にした価格で売り出し、費用の負担者を契約前に決めてください。
3点はいずれも契約前の準備で片付きます。

  • 告知した内容を書面に残す
  • 告知を前提にした価格で売り出す
  • 特殊清掃や残置物処理の費用負担を契約前に決める

準備を怠ると、売却後に責任を問われます。
売却を急ぐ場合ほど、3点を先に固めてから売り出してください。

告知した内容を書面に残す

売主は、いつどこでどのような事案が起きたかを書面にまとめ、不動産会社を通じて買主へ交付してください。
口頭で説明しただけでは、告げた事実を後から証明できません。
交付した告知書の控えは、売却後も保管しておいてください。

書面に記載する項目は次のとおりです。

  • 事案が発生した日(判明していれば発見された日も)
  • 発生した場所(専有部分か共用部分か、部屋の位置)
  • 死因(自殺・他殺・自然死・事故死などの区分)
  • 特殊清掃やリフォームの有無と、実施した日
  • 事案を把握した経緯(誰から、いつ聞いたか)

なお、わからない項目は「不明」と書いてください。
推測で埋めると、後から事実と食い違った際に、事実と違うことを告げたと評価される危険があります。

告知を前提にした価格で売り出す

事案を伏せて相場どおりの金額で売り出しても、手元に残る金額はかえって減ります。
後から判明すれば、代金の減額や契約の解除につながり、支払い済みの仲介手数料や登記費用も戻らないためです。

また、買主は購入前に事案を把握できます。
事故物件の情報サイトに掲載されていれば検索で見つかりますし、近隣に聞けば話が出てきます。
売主が伏せても、伏せ通せる前提は成り立ちません。

告知を前提に価格を組み直してください。
値引き幅の目安になるのは、複数社の査定額の分布です。
高値をつけた1社の金額だけを基準にすると、売れ残ってから値下げを繰り返すことになります。
値引き幅を織り込んだ金額で売り出すほうが、買主の納得を得やすく、契約後の争いも起きにくくなります。

特殊清掃や残置物処理の費用負担を契約前に決める

特殊清掃、残置物の処分、遺品整理には費用がかかります。
誰が負担するかを契約前に取り決め、見積書で金額を確認してください。

たとえば仲介で売る場合、清掃と残置物の処分は売主の負担になるのが一般的です。
部屋の状態によっては、数十万円規模の費用が発生します。
一方、買取では清掃や残置物の処分を業者が引き受ける契約もあり、売主の負担が小さくなります。

見積もりは2社以上から取ってください。
特殊清掃の費用は部屋の広さと汚損の程度で決まり、業者ごとに開きがあります。
相続した不動産であれば、遺品整理の費用も別にかかります。

負担者と金額は、口約束にせず契約書へ明記してください。
引き渡しの直前に負担をめぐって争いになると、決済そのものが延びます。

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心理的瑕疵に関するよくある質問

Q

心理的瑕疵の読み方は?

A

「しんりてきかし」と読みます。
瑕疵は「かし」と読み、欠陥や不具合を意味する言葉です。
2020年4月の民法改正で、売主の責任は契約不適合責任という呼び方に変わりました。
不動産の実務では現在も瑕疵という語が使われています。

Q

心理的瑕疵物件が売れない理由は?

A

買主が住むことに抵抗を感じるため、購入の候補から外されやすいからです。
住宅ローンの審査で担保評価が下がる場合もあります。
告知を前提に価格を調整すれば、買い手が見つかる可能性は高まります。
複数社へ査定を出して確かめてください。
訳あり不動産を扱う買取業者であれば、再販の見通しを立てて買い取ります。

Q

心理的瑕疵でいくら安くなる?

A

公的な統計はなく、決まった下落率もありません。
買取業者が公表している目安では、自然死で1割前後、自殺で2割から3割、他殺で3割から5割といった幅が示されています。
根拠となる取引件数や地域は公表されていないため、目安として扱ってください。
死因・経過期間・立地で大きく変わるため、複数社の査定を取って確かめてください。

Q

井戸があると心理的瑕疵になる?

A

古い井戸が敷地内に残っている場合、心理的瑕疵として扱われる場合があります。
埋め戻さずに放置すると陥没の危険があり、物理的瑕疵としての側面も持ちます。
買主から質問される前に、井戸の有無と埋戻しの状況を伝えてください。

Q

自分の物件が心理的瑕疵に当たるか調べる方法は?

A

まず死因・発生場所・事案からの経過期間・特殊清掃の有無を確認してください。
賃貸に出していた物件であれば、管理会社に当時の記録が残っています。
事故物件の情報サイトへの掲載も確認し、判断が付かない場合は弁護士に事案を伝えて見通しを聞いてください。

まとめ|心理的瑕疵は3点で判断・売買に告知の期間制限はない

心理的瑕疵に当たるかどうかは、死因・事案からの経過期間・発生場所の3点で判断します。
自然死と日常生活での不慮の死は原則として告げなくてよく、自殺・他殺・特殊清掃を要した死は告げる必要があります。
賃貸にはおおむね3年という目安があるのに対し、売買には期間の定めがありません。

告げずに売れば、契約の解除、代金の減額、損害賠償を求められます。
免責特約を付けても、知りながら告げなかった事実の責任は残ります。
迷ったら告げるほうを選んでください。

次にやることは3つです。
告知書の作成、複数社への査定依頼、そして判断に迷う点についての弁護士への相談です。
告知を前提に価格を組み立てれば、心理的瑕疵のある不動産でも売却を前に進められます。

迷う場合は、「ベンナビ不動産売却」で無料査定を依頼してみてください。

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監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。