事故物件

事故物件の買取相場はいくら?死因別の目安と高く売る4つの方法

事故物件の買取相場はいくら?死因別の目安と高く売る4つの方法

所有している家やマンションで人が亡くなり、そのまま持ち続けるべきか手放すべきかで迷っている方は少なくありません。
仲介では買い手がつきにくいと聞き、業者による買取を検討しはじめた方もいます。

いちばん気になるのは、実際にいくらで売れるのかという点です。
事故物件の買取価格は通常の物件より下がりますが、下落幅は死因や物件の状態によって大きく変わります。
逆にいえば、下落幅の決まり方を知っておけば、提示された金額が妥当かどうかを自分で判断できます。

本記事の中身は、死因別の買取相場と仲介との価格差、相場の調べ方、価格を上げるためにできることです。
告知義務の範囲と業者選びの確認点も併せて取り上げました。

読み終えるころには、自分の物件がどのくらいの金額帯に入るかの見当がつき、次に何をすればよいかが決まります。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

訳あり物件の売却なら
【専門の業者への依頼】がおすすめ!

訳あり物件の買取に強い【ベンナビ不動産売却】なら
他社では扱えないような物件でも 高額査定が期待できます!

\完全無料・約1分で入力!/

24時間受付中! 無料で査定してみる

事故物件の買取相場は通常価格の4割〜7割が目安

事故物件の買取相場は、通常価格の4割〜7割程度に収まることが多くなっています。
買取とは不動産会社が直接の買い主になって物件を引き取る売り方です。
仲介のように一般の買い主を探す必要がないため、売却までの期間が短くなる一方、価格は仲介より低くなります。

事故物件とは建物そのものの欠陥ではなく、室内などで人が亡くなったという事情によって住むうえでの心理的な抵抗が生じる物件を指します。
心理的な抵抗の強さが価格の下落幅を左右するため、同じ死亡でも死因によって金額が変わる仕組みです。

以下は、事故物件を扱う不動産会社各社が公表している死因別の目安です。
買取価格に公的な統計は存在しないため、数値はいずれも各社が実務から示した幅である点にご留意ください。

死因買取相場の目安仲介での下落率の目安
孤独死・自然死通常価格の6割〜7割1割〜2割減
自殺通常価格の5割前後1割〜3割減
他殺・事件性あり通常価格の4割前後3割〜5割減

同じ死因でも、発見までの日数や室内の損傷の程度によって幅が動きます。
表の数値は出発点として使い、実額は査定で確かめる進め方が安全です。

孤独死・自然死があった物件は通常価格の6割〜7割

孤独死や自然死があった物件の買取相場は、不動産会社各社の公表値では通常価格の6割〜7割です。
心理的瑕疵(しんりてきかし)のなかでは事情が重くない部類にあたるため、下落幅も比較的小さく収まります。

たとえば通常価格2,000万円なら、買取は1,200万円〜1,400万円に収まります。
孤独死は事故物件のなかでも件数が多く、扱いに慣れた業者も多いため、買取先を見つけやすい点も価格を支える要因です。

ただし、同じ孤独死でも発見が遅れた場合は評価が変わります。
各社の公表値では、特殊清掃が必要になったケースは査定額が3割以上下がることもあるとされています。
室内の状態が金額を分ける要素になるため、清掃の要否は査定前に確認しておきましょう。

自殺があった物件は通常価格の5割前後

自殺があった物件の買取相場は、不動産会社各社の公表値では通常価格の約5割です。
孤独死や自然死と比べて心理的な抵抗が強く、買い主の候補が絞られることが理由になります。

各社の公表例では、通常であれば1,000万円で売れる物件でも、室内で自殺があった場合は500万円前後まで下がる可能性が高いとされています。
半分程度まで下がると聞くと大きく感じますが、仲介では買い手が長期間見つからないケースもあるため、売り切れる確実性を対価と考える見方も可能です。

下落幅は状況によって動きます。
自殺があった物件の仲介での下落率は1割〜3割とされ、室内の傷みが著しい場合は3割以上下がることもあります。
同じ自殺でも、発生場所や清掃の状況で査定額は変動する点に留意してください。

他殺・事件性のある物件は通常価格の4割前後

他殺があった物件や事件性のある物件の買取相場は、不動産会社各社の公表値では通常価格の約4割です。
心理的瑕疵のなかでもっとも事情が重く、買い主が付きにくいことが背景にあります。

仲介での下落率は3割〜5割と公表されており、買取ではさらに低い水準になります。
全国的に報道された事件があった物件では、一般市場で買い主を見つけること自体が難しくなるため、専門の買取業者が実質的な売却先です。

なお、価格が下がるのは売買だけではありません。
各社の公表値では、自殺や他殺があった物件の家賃は周辺相場より2割〜3割下がる傾向にあります。
特殊清掃が必要だった場合は、さらに1割〜2割の値下げが避けられません。
賃貸として持ち続ける判断をする場合も、収入が減る前提で試算しておきましょう。

買取と仲介では価格の下がり方が違う

買取相場だけを見ても、示された金額が安いのか妥当なのかは判断できません。
比べる相手として、仲介で売った場合の金額を並べる必要があります。

仲介は不動産会社に買い主を探してもらう売り方で、市場価格から死因に応じた下落分を引いた金額が売却価格の目安です。
買取はその仲介価格をさらに下回りますが、売却までの期間が短く、仲介手数料もかかりません。
売り方の違いは、価格・期間・引き渡し後の責任という3つの軸に表れます。

以下に、同じ物件を売る場合の違いを整理しました。
数値はいずれも目安であり、物件の条件によって前後します。

項目仲介買取
価格の目安市場価格の5割〜9割仲介価格の7割〜8割
売却までの期間数ヵ月〜1年以上数日〜1ヵ月程度
仲介手数料かかるかからない
契約不適合責任原則として売主が負う免責の特約を結べる場合がある
買い主一般の個人不動産会社

価格だけを見れば仲介が有利に見えますが、買い主が見つかるまでの期間は読めません。
手元に残る金額と、いつまでに手放したいかの両方で比べる進め方が現実的です。

仲介で売った場合の価格は市場価格の5割〜9割

仲介で事故物件を売る場合、価格は市場価格から1割〜5割下がるのが一般的です。
各社が公表する下落率の目安は、孤独死や自然死で1割〜2割、自殺で1割〜3割、他殺で3割〜5割となっています。

市場価格2,000万円の物件に当てはめてみましょう。
孤独死なら1,600万円〜1,800万円、自殺なら1,400万円〜1,800万円、他殺なら1,000万円〜1,400万円が目安です。
買取と比べれば高い金額が期待できます。

一方で、仲介には買い主が見つかるまでの時間が読めないという難点があります。
事故物件を避ける買い主が多いため、通常の物件より販売期間は長引きがちです。
その間も固定資産税や管理費の負担は続くため、期間の長さも金額に換算して考える必要があります。

買取で売った場合の価格は仲介価格の7割〜8割

買取価格の水準について、買取業者各社は仲介価格の70%〜80%程度になると公表しています。
仲介で1,600万円の見込みがある物件なら、買取では1,120万円〜1,280万円が目安です。

買取価格が仲介を下回るのは、不動産会社が再販を前提に買い取るためです。
清掃やリフォームの費用、売れるまでの保有コスト、再販時に価格が下がるリスクをあらかじめ差し引いた金額が提示されます。
差額は業者の利益だけでなく、売主が負うはずだったリスクの引き受け料でもあります。

引き換えに得られるのが、数日から1ヵ月程度で現金化できるスピードです。
相続税の納付期限が迫っている場合や、共有者との調整を早く終わらせたい場合には、価格差を上回る価値が出ることもあります。

手取りで比べると価格差は縮まる

表面上の売却価格だけで比べると、買取は仲介より数百万円低く見えます。
しかし手元に残る金額で比べると、差は見た目ほど大きくありません。

まず挙げられるのが仲介手数料の有無です。
売買価格が800万円を超える場合、上限は売買価格の3%に6万円を加え、消費税を上乗せした金額になります。
1,600万円で売れたなら、手数料は約60万円かかります。
買取では仲介手数料が発生しないぶん、価格差は縮まる計算です。

さらに、仲介では引き渡し後のリスクが売主に残る点も見逃せない要素になります。
買取であれば契約不適合責任を免責とする特約を結べる場合があり、売却後に不具合を指摘される負担を抑えられます。
目に見えないこの負担も、手取りを比べるときの判断材料に加えておきましょう。

【参考】宅地建物取引業法|e-Gov 法令検索

事故物件の買取価格を左右する4つの要素

同じ死因の物件でも、査定額が倍近く変わることがあります。
買取価格は死因だけで決まるのではなく、複数の要素の掛け算で決まるためです。

価格を左右する要素は4つに整理できます。
物件そのものの資産価値、事故の内容と発生からの経過期間、室内の損傷と特殊清掃の要否、そして建物を残すか更地にするかです。
前の2つは売主が動かせませんが、後の2つは判断次第で結果が変わります。

自分の物件がどの要素で減点され、どの要素で評価を戻せるのかを分けて考えると、相場のレンジのなかでどこに着地しそうかが見えてきます。
査定を受ける前の整理は、提示された金額の根拠を理解する助けです。
業者から示された減額の内訳に納得できないときも、どの要素の評価が低いのかを切り分けて質問できます。
以下で順に確認していきます。

物件そのものの資産価値

もともとの資産価値が高い物件ほど、事故物件になっても下落率は小さく収まります。
駅から近い、生活利便性が高いなど需要のある立地では、価格が下がれば買いたい層が一定数出てくるからです。

とくに土地の値段が価格の大部分を占める物件では、建物に対する心理的な抵抗が全体に与える影響が相対的に小さくなります。
都市部の戸建てで、建物を解体して土地として流通させる前提であれば、下落幅は小さく収まりやすいといえます。

逆に、郊外で買い手が限られる物件は下落率が大きく出やすい傾向です。
もともとの流通性が低いところに心理的な抵抗が重なるため、下げ幅が二重に大きくなるからです。
マンションの場合は、専有部分での事案か共用部分での事案かによっても評価が変わってきます。

事故の内容と発生からの経過期間

事故の内容が重いほど価格は下がりますが、経過期間によって受け止め方が変わる場合もあります。
不動産会社各社の公表値では、自然死や孤独死のケースは半年から1年程度で市場の受け止め方が落ち着くこともあるとされています。

事故の発生から1年以上の期間を置くことで査定額が大きく改善するケースがある、というのが各社の説明です。
時間の経過が心理的な抵抗をやわらげる方向に働くためです。

ただし、待つあいだにも固定資産税や管理費、修繕積立金の負担は続きます。
凄惨な事件として報道されたケースでは、数年が経っても印象が薄れにくい傾向がみられます。
インターネット上に記事が残っている場合、時間の経過だけで打ち消すのは困難です。
待つべきかどうかは、下落幅の回復見込みと維持コストを並べて判断しましょう。

室内の損傷と特殊清掃の要否

室内の状態は、査定額に直接反映されます。
清掃業者や不動産会社の公表値では、特殊清掃にかかる費用は数十万円が一般的で、遺体の発見が遅れた場合は100万円を超えるケースもあります。

未清掃のまま査定を受けた場合、業者は清掃費用を多めに見積もったうえで買取価格から差し引く前提です。
実際の費用より多く引かれることがあるため、清掃を済ませてから査定を受けたほうが評価は上がりやすくなります。

一方で、清掃をしても臭気が残っている場合は、再度その分が差し引かれます。
床下や壁の内部まで影響が及んでいるケースでは、表面的な清掃だけでは不十分です。
解体を伴う復旧が必要になると、費用は数百万円の単位に膨らみます。
清掃業者から作業範囲の報告書を受け取っておくと、査定時の説明がしやすくなります。

建物を残すか更地にするか

建物を解体して更地にすると、事故の記憶が物理的に消えるため、買い手の心理的な抵抗はやわらぎます。
土地として流通させられるようになり、購入検討者の幅も広がります。

ただし、解体費用を売却価格で回収できるとは限らない点に注意が必要です。
木造戸建てでも解体には相応の費用がかかります。
さらに更地にすると住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が外れるため、保有コストも上がってしまいます。

解体を前提として現況のまま買い取る会社があるのも買取の特徴です。
解体前提の買取であれば、解体費用は業者側の負担になり、売主の持ち出しは発生しません。
業者は解体工事の単価を抑えられる取引先を持っているため、売主が個別に手配するより費用が安く済む面もあります。
解体するかどうかは、査定を受けてから判断したほうが安全です。

公表されている買取事例から相場感をつかむ

割合で示された相場は目安として役立ちますが、実際の金額に置き換えないと実感が湧きにくいものです。
そこで参考になるのが、買取業者が公表している成約事例です。

前提として、事故物件の買取価格に公的な統計は存在しません。
国が公表する取引価格情報にも、事故物件かどうかの区別は含まれていないためです。
そのため、業者が自社サイトで公開している事例が、実額を知るほぼ唯一の手がかりとなります。

買取業者が公表している成約事例は次のとおりです。
いずれも個別の条件のもとで成立した金額であり、そのまま自分の物件に当てはめられるものではない点を先に断っておきます。
金額そのものより、どんな条件でいくらになったのかという組み合わせに注目してお読みください。

変死のあった戸建てが500万円で買い取られた事例

買取業者が公表している事例には、千葉県松戸市の戸建てが500万円で買い取られたものがあります。
親子2人が変死し、発見が遅れたというケースでした。

注目したいのは、事故から2年以上が経過した後に成約している点です。
発見の遅れがあったにもかかわらず一定の金額で成約しているため、時間の経過が買い手側の判断に影響した可能性があります。
特殊清掃の完了後に売り出したことも、金額を支える材料になっています。

もっとも、同じ条件でも立地が変われば金額は別物です。
松戸市は都心へのアクセスがあり土地需要が見込める地域のため、より需要の薄い地域であれば同じ経過年数でも金額は下がります。
事例を読むときは、金額と一緒に地域と時期も確認してください。

【参考】事故物件の売却方法!
告知義務や売却相場、売却のコツも徹底解説|イエコン

共用部分で飛び降りがあったマンションが1,300万円で買い取られた事例

同様に、東京都足立区のマンションが1,300万円で買い取られた事例も公表されています。
共用部分での飛び降りがあった案件でした。

足立区の事例では、事案が起きたのが共用部分であり、取引の対象となる住戸そのものではありませんでした。
専有部分での事案か共用部分での事案かによって、告知の扱いと価格への影響は変わります。
共用部分の事案は、専有部分の事案より下落幅が小さくなる傾向がみられます。

別の事業者の事例も見てみましょう。
訳あり不動産を扱う買取会社は、愛知県豊橋市の物件を550万円で買い取った事例を公表しています。
戸建てとマンションで金額帯が異なる点も含め、複数の事例を並べると幅がつかめます。
1社の事例だけで判断せず、種別と地域が近い案件を横に並べて読む姿勢が有効です。

【参考】飛び降りがあったマンションは事故物件になる?
判断のポイントや売却方法など徹底解説|イエコン

【参考】事故物件買取事業|株式会社AlbaLink

公表事例の金額をそのまま自分の物件に当てはめられない理由

公表事例は参考になりますが、金額だけを取り出して自分の物件に当てはめると判断を誤ります。
事例の金額は、立地・築年数・面積・事故の内容という4つの条件の組み合わせで決まっているためです。

また、公表されるのは成約した案件に限られます。
買い手が見つからなかった案件や、想定より大幅に安く成約した案件は表に出にくいため、公開されている事例には偏りがあります。
都心部の事例が多く並ぶのも、成約しやすい地域だからという事情によるものです。

同じ「自殺があった物件」であっても、室内の状態によって数百万円の差が出ます。
公表時期が古い事例は、当時の地価水準を前提にしている点にも気をつけたいところです。
事例で金額帯のイメージをつかんだうえで、自分の物件の実額は査定で確かめる進め方が着実です。

自分の物件の買取価格は複数社の無料査定で確かめる

事故物件の買取相場は、幅でしか示せません。
死因が同じでも、立地・経過期間・室内の状態によって金額は大きく動きます。
相場の数値は出発点として使い、実額は査定で確かめる流れが現実的です。

査定は1社だけでは判断材料になりません。
買取業者はそれぞれ再販ルートを持っており、賃貸として運用する会社、リノベーションして再販する会社、土地として売る会社で出せる金額が変わります。
同じ物件でも数百万円の差が出ることがあるため、3社以上を目安に比べましょう。

ベンナビ不動産売却では、事故物件をはじめとする訳あり不動産の無料査定と買取相談を受け付けています。
共有持分や空き家など、通常の仲介では扱いが難しい物件にも対応しており、査定の依頼に費用はかかりません。
まずは無料査定で金額を確かめてから、売るかどうかを判断してみてください。

事故物件の買取相場を自分で調べる3つの方法

査定を依頼する前に、自分でおおよその相場を把握しておくと、提示額が妥当かどうかを判断しやすくなります。
調べる方法は大きく3つあります。

1つめは国土交通省の不動産情報ライブラリで周辺の取引価格を調べる方法です。
2つめは買取業者の無料査定を複数社で比べる方法、3つめは不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する方法になります。
無料で概算をつかむ、無料で実額を知る、有料で厳密に評価する、という順に精度と手間が上がっていきます。

注意点として、事故物件そのものの成約データは非公開です。
自分で調べる場合は、周辺の通常の物件の相場を基準にして、死因に応じた下落率を掛けて逆算する手順になります。
あくまで概算であり、幅を持った数字として受け止めておく必要があります。

不動産情報ライブラリで周辺の成約価格を調べる

国土交通省が運営する不動産情報ライブラリでは、実際に取引された価格を無料で確認できます。
地域と物件種別を指定すると、周辺で成約した物件の価格や面積、築年数を一覧で見られます。

得られるのは、事故がなかった場合の通常価格です。
得られた通常価格に、死因に応じた下落率を掛けると買取価格の概算が出ます。
孤独死であれば6割〜7割、自殺であれば5割前後、他殺であれば4割前後を掛けた金額が出発点になります。

不動産情報ライブラリのデータに、事故物件かどうかの区別は含まれていない点に注意してください。
あくまで基準となる通常価格を知るための手段として使い、実額は査定で補いましょう。
取引時期によっても相場は動くため、直近1年程度のデータを選ぶとより実態に近づきます。

買取業者の無料査定を複数社で比べる

もっとも実額に近い数字が得られるのは、買取業者の無料査定です。
査定額はその業者が実際に買い取る価格として提示されるため、机上の試算より精度が高くなります。

ただし1社だけでは、提示された金額が相場なのか買い叩きなのかを判断できません。
3社以上に依頼して並べれば、極端に低い金額を出している会社がすぐにわかります。
査定額の根拠を数字で説明できるかどうかも、あわせて確認しておきましょう。

査定を依頼する際は、事故の内容を正確に伝える必要があります。
死因や発生時期、清掃の有無を伏せて査定を受けると、後から事実が判明した段階で減額を求められます。
契約直前の減額交渉は、売主にとって断りにくい状況で切り出されるものです。
最初から正確に伝えたほうが、結果として交渉はまとまりやすくなります。

不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する

不動産鑑定士による鑑定評価は、有料ですが第三者の立場からの評価が得られます。
依頼費用は20万円以上かかるのが一般的とされています。

売却額の見当をつけたいだけであれば、費用に見合わない場合が大半です。
無料査定で足りる場面で鑑定を依頼すると、費用倒れになりかねません。
売却の判断材料としてだけなら、まず無料査定を使うほうが合理的です。

鑑定が役立つのは、金額に客観的な根拠が必要な場面です。
相続人どうしで遺産分割の話し合いをしている場合や、共有者と持分の買い取り価格を調整する場合には、鑑定評価書が交渉の土台になります。
裁判や調停に持ち込む可能性がある場面でも同様です。
目的に応じて使い分けましょう。

不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する

事故物件の買取価格を上げる4つの方法

事故物件の取扱実績がある業者に依頼する

相場のレンジのなかで、上限側に寄せるためにできることがあります。
売主が取れる行動は、特殊清掃・解体の判断・売却時期・業者選びの4つです。

先に断っておくと、4つを実行すれば価格が上がると約束できるものではありません。
費用をかけた分がそのまま査定額に上乗せされる仕組みではないため、効果が出る条件と出ない条件を分けて考える必要があります。
評価に反映されやすい特殊清掃と、回収しにくいリフォームでは扱いが異なります。

4つのうち、費用をかけずに実行できるのは業者選びだけです。
ほかの3つは費用または時間のコストを伴うため、見込める上乗せ額と比べて判断しましょう。
1つずつ、効果が出る条件を確認しましょう。

特殊清掃を済ませてから査定を受ける

臭気や汚損が残っている場合は、特殊清掃を済ませてから査定を受けたほうが評価は上がりやすくなります。
未清掃のままだと、業者は清掃費用を多めに見積もって買取価格から差し引くためです。

実際にかかる費用より多く差し引かれることがあるため、自分で清掃を手配して実費を確定させたほうが、結果的に手取りが増える場合があります。
清掃の報告書を査定時に提示すると、差し引きの根拠を業者と共有できます。

一方で、リフォームまで踏み込むと費用の回収は困難です。
不動産会社各社も、高額なリフォームが売却価格に反映されない場合があると説明しています。
買取業者は自社の仕様に合わせて改修し直すため、売主が施した内装工事は評価されにくいのです。
原状回復を超える工事は、査定前には避けたほうが無難です。

解体は査定を受けてから判断する

更地にすると心理的な抵抗はやわらぎますが、解体費用を回収できるとは限りません。
解体してから査定を受けると、費用をかけた分を取り戻せない結果になることがあります。

更地にした場合、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置の対象外になります。
売却までに時間がかかると、その間の税負担が増える点も見落とせません。
解体から売却までの期間が読めない以上、先に解体するのはリスクを伴う判断といえます。

解体を前提に現況のまま買い取る会社があるのも買取の実情です。
解体前提の買取なら、解体費用は業者側が負担します。
建物付きで査定を受け、解体した場合の想定額も併せて聞いたうえで、どちらが有利かを比べましょう。
両方の金額を並べれば、解体費用の実質的な負担額も見えてきます。

事故から一定期間おいてから売る

自然死や孤独死のケースでは、時間の経過が価格に有利に働くことがあります。
不動産会社の公表値では、事故の発生から1年以上の期間を置くことで査定額が大きく改善するケースがあるとされています。

ただし、待つあいだの維持コストも無視できない要素です。
固定資産税に加え、マンションであれば管理費と修繕積立金が毎月かかります。
年間の負担額を計算し、見込める上乗せ額と比べてから判断しましょう。
空き家のまま放置すると建物の傷みも進むため、時間を置けば有利になるとは限りません。

なお、時間が経っても告知の必要性そのものは変わりません。
売買では期間の経過によって告知の義務がなくなるわけではないため、待つことで告知を避けられるという考え方はできません。

事故物件の取扱実績がある業者に依頼する

業者選びは、費用をかけずに査定額を動かせる唯一の要素です。
事故物件を扱った経験がない会社は、買取自体を断るか、リスクを大きく見込んで低い金額を提示します。

一方、事故物件の再販ルートを持つ会社は、買い取った後の出口が見えているため下落幅を抑えられます。
賃貸として運用する、リノベーションして再販する、土地として売却するなど、出口の選択肢が多い会社ほど高い金額を提示しやすい傾向です。
特殊清掃業者と提携している会社であれば、清掃費用も低く抑えられます。

同じ物件でも、依頼する会社によって数百万円の差が出ることがあります。
査定を依頼する段階で、事故物件の取扱件数や再販の方法をたずねておくと判断が容易です。
実績の有無は査定額に直結する要素として押さえておきましょう。

事故物件を売るときは告知義務を正しく果たす

査定額を上げたいという気持ちから、事故の事実を伏せて売却しようと考える方もいます。
しかし告知を怠ると、売却後に契約の解除や損害賠償を求められる可能性があります。

告知の要否を判断する基準として、国土交通省は2021年10月8日に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。
公表前は明確な基準がなく取引現場で判断が分かれていたため、実務の指針として整理されたものです。

心理的瑕疵(しんりてきかし)は、建物や設備の欠陥とは別の概念です。
物件内で人が亡くなったという事情によって、住むうえでの心理的な抵抗が生じる状態を指します。
物理的な欠陥とは扱いが異なるため、判断基準も別に定められています。

告知の対象になる死、告げる必要がある期間、告げなかった場合に起きることの3点が判断の軸です。

どの死が告知の対象になるか

ガイドラインによれば、取引の対象となる不動産で発生した自然死や、日常生活のなかでの不慮の死については、原則として告げなくてよいと示されています。
日常生活のなかでの不慮の死には、転倒事故や誤嚥などが含まれます。

裏を返せば、自殺・他殺・火災による死亡といった死は告知の対象です。
社会通念上、住むうえで心理的な抵抗を与える死かどうかが判断の分かれ目です。
判断に迷う事案では、取引を担当する不動産会社に確認しておくと安心できます。

ただし、自然死であっても例外があります。
発見が遅れて特殊清掃がおこなわれた場合は、原則として告知の対象です。
清掃を伴ったかどうかが判断材料になるため、孤独死だから告知は不要と即断しないよう注意しましょう。

いつまで告げる必要があるか

ガイドラインは、賃貸借取引について期間の基準を示しています。
賃貸借の対象となる不動産や、日常生活で通常使用する集合住宅の共用部分で自然死・不慮の死以外の死が発生した場合を対象とするものです。
事案の発生からおおむね3年が経過した後は、原則として告げなくてよいと整理されています。

一方、売買取引についてはこのような期間の基準が置かれていません。
つまり売買では、時間が経ったから告げなくてよいという整理にはならず、原則として告知が求められます。

一度誰かが住んだから告知が不要になる、という考え方も成り立ちません。
不動産会社各社も、入居歴の有無は判断材料の1つにすぎず、入居歴だけで告知義務の有無が決まるわけではないと説明しています。
事件性が強いケースでは、入居実績があっても告知は必要です。

告げなかった場合に何が起きるか

告知すべき事実を伏せて売却すると、契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)を問われる可能性があります。
契約不適合責任とは契約の内容と異なる目的物を引き渡した売主が負う責任です。

民法562条から564条は、引き渡された目的物が契約の内容に適合しない場合の買い主の権利を定めています。
求められるのは、修補などの追完・代金の減額・損害賠償の請求・契約の解除の4つです。
事故物件であることが後から判明した場合、買い主が解除や減額を主張する余地が生じます。
売却代金を返したうえで賠償まで求められる展開もありえます。

また、宅地建物取引業者が売主になる場合や媒介に入る場合は、宅地建物取引業法上の説明義務も論点です。
買取であっても、事実を正確に伝えることが結果として自分を守ります。

【参考】民法|e-Gov 法令検索

【参考】宅地建物取引業法|e-Gov 法令検索

事故物件の買取業者を選ぶ4つの確認ポイント

買取価格は業者によって差が出るため、どこに依頼するかが手取りを左右します。
査定額の高さだけで決めると、契約直前に減額を持ちかけられることもあります。

契約前に確認しておきたいのは4点です。
買取実績が公開されているか、特殊清掃や解体まで対応できるかの2点がまず挙げられます。
契約不適合責任の扱いが契約書に書かれているか、宅地建物取引業の免許番号を確認できるかも押さえたい項目になります。
いずれも査定を受ける前後に、費用をかけずに調べられる項目です。

特定の会社を推す話ではなく、自分で確認する手順として押さえておきましょう。
4点のうち3点は会社のサイトで確認でき、残る1点も契約書の読み合わせで済みます。
査定を受けながら並行して調べられるため、手間もそれほどかかりません。
以下で1つずつ確認しましょう。

事故物件の買取実績が公開されているか

実績の見方には落とし穴があるので気をつけてください。
買取件数の合計だけを掲げている表示は、事故物件の実績を示しているとは限りません。
通常の中古住宅の買取が大半を占めている場合もあります。

確認したいのは、物件種別・地域・事故の内容・成約金額まで具体的に公開されているかどうかです。
条件つきで事例を出せる会社は、実際に事故物件を扱い、再販ルートを持っている可能性が高くなります。

自分の物件と条件が近い事例があるかも見ておきましょう。
戸建てとマンションでは扱いが異なるため、同じ種別の実績があるかどうかが判断材料になります。
エリアが自社の営業範囲に入っているかどうかも、価格を左右する要素です。
実績が確認できない場合は、査定時に直接たずねる方法もあります。

特殊清掃や解体まで対応できるか

付帯対応の範囲は、手取り額に直接影響します。
清掃・残置物の処分・解体まで業者側が引き受ける場合、売主の持ち出しは発生しません。

現況のまま引き渡せるかどうかは、査定時に確認しておきましょう。
費用を売主負担にするのか、買取価格に織り込むのかで、最終的に手元に残る金額は別物です。
査定額が高くても、清掃費用を別途請求されれば手取りは減ってしまいます。

遺品整理を伴うケースでは、対応範囲がさらに広がります。
遺品の仕分けや処分まで含めて依頼できるかどうかも、あわせて確認しておくと安心です。
相続人が遠方に住んでいる場合は、立ち会いの要否も聞いておきましょう。
現地に行かずに手続きを進められる会社であれば、交通費と日数の負担を減らせます。

契約不適合責任の扱いが契約書に書かれているか

買取では、契約不適合責任を免責とする特約を結べる場合があります。
免責であれば、引き渡し後に不具合が見つかっても売主が責任を負いません。

ただし、免責の特約は万能ではない点に注意してください。
民法572条は、売主が知りながら告げなかった事実については免責の特約が働かないと定めています。
事故の事実を伏せていた場合、特約があっても責任を免れられません。

契約書では、契約不適合責任に関する条項を確認しましょう。
免責の範囲がどこまでか、除外される事項があるかを、署名前に読んでおきましょう。
口頭で免責と説明されても、書面に記載がなければ、あとで争いになります。
読んでわからない条項があれば、その場で説明を求めて構いません。

宅地建物取引業の免許番号を確認できるか

宅地建物取引業を営むには、国土交通大臣または都道府県知事の免許が必要です。
免許を受けずに営業することは宅地建物取引業法で禁じられています。

免許番号は、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで照会できます。
会社名または免許番号を入力すれば、免許の有効期間や過去の行政処分の有無まで確認が可能です。
無料で誰でも使えるうえ、数分で結果が出ます。
行政処分の履歴は、業者選びの重要な判断材料になります。

免許番号の括弧内の数字は、免許を受けた回数(新規取得と更新の合計)です。
免許の有効期間は5年と宅地建物取引業法3条2項が定めているため、数字が大きいほど営業年数が長いことを示し、実績を推し量る材料の1つになります。
会社のサイトに免許番号の記載がない場合は、記載がない理由をたずねてみてください。

事故物件の売却の悩みは「ベンナビ不動産売却」で解決しよう

事故物件の売却を検討しているなら、「ベンナビ不動産売却」の活用がおすすめです。
「ベンナビ不動産売却」は、事故物件をはじめとする訳あり物件を買い取るサービスです。

【ベンナビ不動産売却の特徴】

  • 訳あり不動産を専門業者が直接買取
  • 最短3日で買取に対応
  • 弁護士費用・登記費用・ごみ処理費用が0円
  • 司法書士・弁護士と連携し、複雑な権利関係にも対応
  • 300万円以下から1億円超の物件まで対応

告知事項がある、特殊清掃が済んでいないなど、ほかの業者では断られやすい物件でも相談できます。
まずは「ベンナビ不動産売却」で、無料査定を申し込むところから始めましょう。

事故物件の買取に関するよくある質問

Q

事故物件の買取相場はいくらですか

A

通常価格の4割〜7割が目安です。
各社の公表値では、孤独死や自然死で通常の6割〜7割、自殺で約5割、他殺で約4割となっています。
ただし立地や室内の状態で幅が動くため、実額は複数社の査定で確かめる必要があります。

Q

買取と仲介ではどちらが手元に多く残りますか

A

一般には仲介のほうが多く残ります。
買取では仲介手数料がかからず、契約不適合責任を免責にできる場合があるため、差は表面価格ほど大きくなりません。
売却までの期間と、引き渡し後のリスクも含めて比べましょう。

Q

住宅ローンが残っている事故物件でも買い取ってもらえますか

A

売却代金でローンを完済できれば買い取ってもらえます。
完済できない場合は、金融機関の同意を得て任意売却として進める方法があります。
まずは残債額と査定額を並べて、差額がいくらになるかを確認しましょう。

Q

大手の買取業者でも事故物件を扱ってもらえますか

A

会社によって対応が分かれます。
中古住宅を再販する大手のなかには、事故物件を対象外としているところもあります。
事故物件を専門に扱う業者と大手の両方に査定を依頼して、金額と対応範囲を比べる方法が現実的です。

まとめ|事故物件の買取相場は通常価格の4割〜7割・実額は複数社の査定で確かめる

事故物件の買取相場は、通常価格の4割〜7割が目安です。
孤独死や自然死で6割〜7割、自殺で5割前後、他殺で4割前後という水準が業者から公表されています。
仲介と比べると価格は下がりますが、売却までの期間が短く、仲介手数料もかかりません。

金額を左右する要素は死因だけではない点も押さえてください。
元の資産価値、事故からの経過期間、室内の損傷の程度によって査定額は変わります。
特殊清掃を済ませる、実績のある業者を選ぶといった行動で、レンジの上限側に寄せられます。

売却にあたって自分を守るのは、告知義務を果たす姿勢です。
売買では時間の経過で告知が不要になるわけではありません。

自分の物件がいくらになるかは、相場の割合からは確定できません。
ベンナビ不動産売却は、事故物件や共有持分、空き家といった訳あり不動産の無料査定と買取相談の窓口です。
費用はかかりませんので、金額を知るところから始めてみてください。

訳あり物件の売却なら
【専門の業者への依頼】がおすすめ!

訳あり物件の買取に強い【ベンナビ不動産売却】なら
他社では扱えないような物件でも 高額査定が期待できます!

\完全無料・約1分で入力!/

24時間受付中! 無料で査定してみる

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。