実家じまい

家の解体費用はいくら?木造30坪の相場と内訳、安く抑える方法を解説

家の解体費用はいくら?木造30坪の相場と内訳、安く抑える方法を解説

親から相続した実家が空き家のまま残り、解体を考え始めた方は多くいます。
ところが解体工事に定価はなく、見積もりを取る前の段階では用意すべき金額の見当がつきません。
近所の解体を見聞きした金額が、自分の家でもそのまま通用するとは限らないためです。

解体費用は、建物の構造・延床面積・立地の3つでおおむね決まります。
件数がいちばん多い木造2階建て30坪なら、90万〜150万円が目安です。
金額の幅は前面道路の広さや家財の量で動くため、単一の数字で示せる相場は存在しないと考えてください。

本記事では、構造・坪数別の相場と見積書の内訳を先に示します。
続けて費用が上振れするケース、安く抑える方法、費用を用意できないときの選択肢を整理しました。
解体してから後悔しないために、着工前に確認する点も解説します。
読み終えるころには、自分の実家の解体費用を概算し、解体して売るか古家付きのまま売るかを金額で判断できるようになります。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

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家の解体費用は建物の構造・延床面積・立地の3つで決まる

家の解体費用は建物の構造・延床面積・立地の3つで決まる

解体費用は現地の条件で動きますが、大枠は建物側の条件と敷地側の条件で決まります。
3つの要素を押さえておけば、見積もりを取る前に自分の家がどの水準に当たるかを見立てられます。
建物の劣化度と工期は、現地調査を経てから確定する項目です。

構造|木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順に坪単価が上がる

構造とは、建物の骨組みに使われている材料の種類を指します。
解体費用では、骨組みの材料が坪単価を左右する最大の要素になります。
木材は重機で崩しやすい一方、鉄骨や鉄筋コンクリートは切断と破砕に時間がかかるためです。
壊しにくい構造ほど重機の稼働時間と作業員の人数が増え、坪単価は上がります。

不動産情報サイトが公表する目安を見ると、木造は1坪あたり3万〜5万円です。
鉄骨造は4万〜6万円、鉄筋コンクリート造は6万〜8万円まで上がります。
同じ30坪でも、木造と鉄筋コンクリート造では総額が2倍前後変わります。

自分の家の構造は、毎年届く固定資産税の課税明細書か、登記事項証明書の「構造」欄で確認してください。
木造、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった表記が印字されています。
書類が手元にない場合は、法務局で登記事項証明書を取得すれば確認できます。

【参考元】SUUMO「家を解体する費用相場(30・40・50坪)と失敗しない業者選び」

延床面積|坪数が増えるほど総額は上がる

延床面積とは、各階の床面積を合計した面積を指します。
解体費用の総額は坪単価と延床面積の掛け算でおおむね決まるため、坪数が2倍になれば総額も2倍前後まで上がります。
まず自分の家の坪数を把握してください。

延床面積は課税明細書の「床面積」欄に平方メートルで記載されています。
坪数に直す場合は、平方メートルの数値を3.3で割ってください。
床面積100平方メートルの家なら、約30坪と読み替えられます。
2階建てなら1階と2階の床面積を合計してから割ってください。

坪数がわかったら、構造ごとの坪単価を掛けて総額の当たりをつけてください。
30坪の木造なら、坪単価3万円で90万円、5万円で150万円という2つの数字が出ます。
低いほうを予算、高いほうを上限として書き出しておくと、見積書を受け取ったときに判断できます。

立地|前面道路の幅と隣家との距離で重機を使えるかが変わる

立地が費用を左右するのは、重機を使えるかどうかで工期と人件費が変わるためです。
重機とダンプが敷地まで入れる現場なら、木造30坪の解体は2週間前後で終わります。
重機が入れない現場では手作業と小運搬が増え、工期が延びたぶん人件費が上乗せされます。

判断の分かれ目になるのは、前面道路の幅と敷地の入口の幅です。
大型のトラックが通れる幅があるかどうかで、搬出の手間が大きく変わります。
隣家との距離が近い場合、防音と防塵の養生にも手間が加わります。

まず前面道路の幅と敷地入口の幅をメジャーで測り、数字を控えておいてください。
電話やメールだけで出された概算見積もりには、立地の条件が反映されていません。
必ず現地を見てもらったうえで正式な見積書を受け取ってください。

家の解体費用の相場は木造30坪で90万〜150万円が目安

解体費用に公的な統計はなく、単一の金額で示せる相場は存在しません。
民間の事業者が公表する値を構造と坪数で整理すると、木造30坪で90万〜150万円という幅になります。
幅の下限は重機が入る好条件の現場、上限は道路が狭く付帯工事の多い現場と読んでください。

構造別の坪単価の目安

解体費用には国や自治体がまとめた公的な統計がありません。
以下の数字は、不動産情報サイトと解体工事の一括見積もりサービスが公表している目安です。
実際の金額が確定するのは、現地調査を経た見積書の段階です。

建物の構造坪単価の目安30坪の総額の目安
木造3万〜5万円90万〜150万円
鉄骨造4万〜6万円120万〜180万円
鉄筋コンクリート造6万〜8万円180万〜240万円

別の事業者が公表する値では、木造の坪単価は3万1,000円〜4万4,000円となっており、幅の取り方が異なります。
集計の対象地域と時期が公表元ごとに違うため、数字は必ずずれます。
1つの数値を鵜呑みにせず、幅で捉えてください。

自分の家の構造にあたる行を見て、下限と上限の両方を資金計画に書き出しておきましょう。
下限だけを予算にすると、見積書が上限側で出てきたときに資金が足りなくなります。
上限まで用意できない場合は、着工前に補助金の有無を確認するか、建物ごと売る道を検討してください。

【参考元】クラッソーネ「家の解体費用はいくら?
費用相場と戸建ての解体事例7選」

坪数別の総額の目安

一戸建て1棟の解体費用は、おおむね100万〜300万円の範囲に収まる場合が多くを占めます。
自分の坪数に近い行を見れば、用意すべき金額の幅がわかります。
坪数が表の値の中間にあたる場合は、上下の行を見て間を取ってください。

延床面積木造鉄骨造鉄筋コンクリート造
30坪90万〜150万円120万〜180万円180万〜240万円
40坪120万〜200万円160万〜240万円240万〜320万円
50坪150万〜250万円200万〜300万円300万〜400万円
60坪180万〜300万円240万〜360万円360万〜480万円

表の金額は建物本体を解体する分だけを示しています。
ブロック塀やカーポートの撤去、庭木の伐採、家財の処分は別に積み上がります。
表の上限に数十万円を足した金額を、資金の上限として見込んでください。

資金の上限を先に決めておくと、見積書を比べる段階で判断がぶれません。
上限を超える見積もりが出たときは、付帯工事の範囲を削るか、自分で処分できる家財を増やして総額を調整してください。
上限に届かない見積もりだけを比較の対象にして、検討する業者を3社前後に絞り込んでください。

同じ坪数でも平屋は2階建てより割高になりやすい

平屋と2階建ての違いは、同じ延床面積でも屋根と基礎の面積が変わる点にあります。
延床面積30坪の平屋は、1階部分だけで30坪を使うため、屋根と基礎の面積は2階建ての約2倍になります。

基礎の撤去は、コンクリート塊を破砕して運び出す作業です。
産業廃棄物の処分費に直結するため、基礎の面積が広いほど処分量が増えて金額が上がります。
屋根材の撤去と足場の設置範囲も、平屋のほうが広くなります。

実家が平屋なら、表の目安の上限側で資金を見ておいてください。
築年数が古い平屋では、屋根に石綿を含む建材が使われている場合もあり、調査の結果しだいで費用がさらに動きます。
解体するか売却するかで迷っている段階なら、解体の見積もりと並行して不動産の査定を取り、金額を並べて比べると判断が早まります。
判断に迷う場合は、無料査定とあわせて専門家に相談してください。

家の解体費用の内訳は本体工事・廃棄物処理・付帯工事・諸経費の4つ

家の解体費用の内訳は本体工事・廃棄物処理・付帯工事・諸経費の4つ

総額だけを見比べても、業者ごとの見積もりが高いか安いかは判断できません。
内訳の大半は建物本体の取り壊しと廃棄物の処理が占めており、比率から大きく外れる見積書は説明を求めてください。
「一式」とだけ書かれた見積書は、項目ごとの内訳を出してもらいましょう。

建物本体の取り壊し費用

建物本体の取り壊し費用とは、上物と基礎を重機や手作業で壊し、材料ごとに分ける作業への対価を指します。
総額の3割から4割を占める中心的な項目です。

解体工事では、木材・コンクリート・アスファルトなどを種類ごとに分けて壊す分別解体が法律で義務づけられています。
まとめて壊して後から選別する方法は認められておらず、内装材を先に手作業で外してから躯体を壊す手順が必要です。
単純に重機で崩す作業より工程が多い分だけ、人件費が積み上がります。

足場と養生シートを設置する仮設工事費は、本体工事に含める業者と別項目に分ける業者に分かれます。
見積書を比べる際は、仮設工事費がどちらに入っているかを確認してから金額を並べてください。

【参考】建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(e-Gov 法令検索)

廃棄物の処理・運搬費用

廃棄物の処理・運搬費用とは、解体で出た木くず・コンクリート塊・金属くずを処分場へ運び、処理するための費用を指します。
本体工事と並んで総額の3割から4割を占めます。

金額を決めるのは、廃棄物の種類と量です。
処分場までの距離と、地域ごとの処分単価が影響するため、同じ建物でも所在地によって金額が変わります。
都市部で処分場が遠い地域では、運搬費だけで数十万円に達する場合もあります。
木材とコンクリート塊では処分単価が違うため、構造によっても総額が動く点に注意してください。

家財道具は、解体で出た木くずなどとは別の経路で処理されます。
建物内に残したまま工事を始めると、産業廃棄物とは分けた処理が必要です。
追加の費用も発生します。
着工前に家財を減らしておけば、減らした量に応じて処分費を抑えられます。

【参考】廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov 法令検索)

付帯工事費用

付帯工事費用とは、建物本体以外に敷地内へ残る構造物を撤去する費用を指します。
見積書では本体工事とは別枠で積み上がり、合計すると数十万円に達するケースもあります。

項目費用の目安変動要因
残置物の処分5万〜30万円程度家具・家電の量と内容
外構の撤去10万〜50万円程度ブロック塀・門扉・カーポートの有無
浄化槽の撤去5万〜15万円程度地中に埋まっている深さ
樹木・庭石の撤去5万〜20万円程度本数と大きさ
地中埋設物の処理数万〜数十万円程度出てきた建材の量と種類

付帯工事の正確な金額は、現地調査をしなければ出せない項目です。
見積書に「付帯工事一式」とだけ書かれている場合は、何を撤去し、何を残すのかを1項目ずつ確認してください。
ブロック塀を残すつもりだったのに撤去費が計上されている、逆に撤去したい物置が範囲外になっている、といった食い違いはよく起こります。

どこまでを工事範囲に含めるかは、契約前に書面で確定させましょう。
庭木や物置を残す前提の見積書に、後から撤去を追加すると金額が動きます。
撤去する物と残す物を一覧にして業者へ渡しておけば、認識のずれを防げます。

【参考元】SUUMO「家を解体する費用相場(30・40・50坪)と失敗しない業者選び」

届出や近隣対応にかかる諸経費

諸経費とは、工事そのもの以外に発生する手続き費用と現場管理費の総称です。
総額に占める割合は2割から3割になります。
諸経費に含まれる実務は、次の5つです。

  • 建設リサイクル法にもとづく都道府県知事への届出
  • 電気・ガス・水道の停止手続きと引き込み線の撤去
  • 近隣住民への挨拶回りと工事説明
  • 道路使用許可の申請と現場の管理
  • 工事完了後の整地作業

諸経費の割合が総額の半分近くに達する見積書は、他の項目が圧縮されている可能性があります。
本体工事費を安く見せて諸経費に寄せる書き方をされると、総額を比較しづらくなります。
内訳の説明を求め、納得できなければ他の業者の見積書と並べて判断してください。

近隣への挨拶回りは、業者だけに任せず所有者も同行するのが望ましい対応です。
工事中の苦情は所有者へ直接届く場合があり、事前に顔を合わせておくと話が早く収まります。

家の解体費用が見積もりより高くなる5つのケース

追加費用は、現地調査では見えない要素が着工後に出てくるために発生します。
以下の5つは、事前に把握しておけば見積もり段階で申告できる条件です。
当てはまる項目があれば、契約前に業者へ伝えておきましょう。

前面道路が狭く重機を敷地に入れられない

前面道路が狭い状態とは、重機やダンプが通れる幅のない道路に敷地が接している状態を指します。
工事車両を停める場所がなく、資材の搬出に小型のトラックを何往復もさせる必要が生じます。
とくに費用が上がりやすいのは、次の3つに当てはまる家です。

  • 道路から建物まで細い通路が続く旗竿地
  • 車がすれ違えない私道の奥にある家
  • 隣家との距離が数十センチしかない家

手作業の比率が上がると、工期は通常の1.5倍前後まで延びます。
延びた日数がそのまま人件費に反映されるため、金額は数十万円単位で変わる点に注意してください。

当てはまる場合は、見積もりを依頼する段階で業者へ伝えてください。
事前に申告しておけば現地調査の精度が上がり、着工後の追加請求を防げます。
伝えずに契約すると、着工後に「聞いていない条件」として増額を求められます。

アスベストが使われている

アスベストとは、断熱材や外壁材に使われていた繊維状の鉱物を指します。
飛散すると健康被害のおそれがあるため、解体前の取り扱いが法律で細かく決められています。

大気汚染防止法が求めているのは、建築物を解体する前に使用の有無を調べる事前調査です。
一定規模以上の工事では、調査の結果を都道府県などへ報告する義務も課されています。
調査は業者が行い、費用は見積書に計上されます。

調査で使用が判明した場合は、処理面積に応じた除去費用が別に必要です。
除去には隔離養生と専用の設備が必要となるため、金額は数十万円規模に達する場合もあります。
1970年代から1990年代前半に建てられた家では、資金に余裕を持たせておいてください。

【参考】大気汚染防止法(e-Gov 法令検索)

地中から埋設物が出てくる

地中埋設物とは、地面の下に埋まったまま残されている構造物や廃材を指します。
掘り起こして処分する作業が加わるため、費用は数万円から数十万円まで上振れします。
見つかりやすいのは、次の4つです。

  • 建て替えを繰り返した敷地に残る古い基礎
  • 使われなくなった浄化槽
  • 埋め戻された井戸
  • 過去の工事で埋設された建築廃材

地中の状態は掘ってみるまで判明しないため、現地調査でも見抜けません。

備えとして有効なのは、埋設物が出た場合の費用負担を誰が持つかを契約書に書いておく方法です。
「実費精算」とだけ記された契約では、金額の上限が決まりません。
追加費用の算定方法と上限を条項に入れてもらい、着工前に合意しておいてください。
契約書の条項に不安があるなら、署名する前に弁護士へ内容を確認してもらう方法もあります。

家財道具が残ったままになっている

残置物とは、家具・家電・衣類・食器など、建物内に残された動産を指します。
解体で出る木くずやコンクリート塊とは扱いが分かれ、処理の経路が変わります。

解体工事で発生する廃材は産業廃棄物として処理されますが、家財は一般廃棄物です。
業者に任せる場合、一般廃棄物の収集運搬に対応した事業者への委託が必要になります。
費用の水準は量に応じて数万円から数十万円です。

自治体の粗大ごみ回収を使えば単価を下げられます。
遺品の仕分けには時間がかかり、遠方に住んでいる場合は何度も通う負担が生じます。
時間と費用のどちらを優先するかで、自分で処分するか業者に任せるかを決めてください。

量が多くて判断がつかない場合は、見積もり時に「残置物あり」と「残置物なし」の2通りで金額を出してもらいましょう。
差額がわかれば、自分で片づける手間に見合うかどうかを金額で比べられます。

火災や災害で建物が傷んでいる

損傷した建物の解体とは、倒壊のおそれがある状態で行う解体を指します。
重機で一気に崩す方法が使えず、周囲の安全を確保しながら少しずつ壊す手順へ切り替えが必要です。

焼損した建物では、廃材に焼け残った家財が混ざるため、作業員が1点ずつ分別します。
分別できない廃棄物は処分単価が上がるため、通常の解体より総額が高くなります。
倒壊が進んだ建物では、作業前の補強や養生も必要です。

火災による損傷の場合、火災保険の残存物取片づけ費用を使える場合があります。
保険金の対象範囲は契約内容で異なるため、解体を発注する前に保険会社へ確認してください。
保険金の請求と解体の発注を同時に進めると、必要な現場写真を撮り損ねる場合があります。

地震で傷んだ建物では、自治体が災害廃棄物として処理を引き受ける制度を設ける場合もあります。
被災した地域では、まず市区町村の窓口で制度の有無を確かめてください。

家の解体費用を安く抑える4つの方法

解体工事に定価はないため、依頼のしかたしだいで総額は下げられます。
効果が大きいのは相見積もりと補助金の2つで、まず3社に見積もりを依頼するところから始めてください。
4つの方法は同時に使えます。

3社以上から相見積もりを取る

相見積もりとは、同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼し、金額と内容を比較する方法を指します。
解体工事には定価がなく、同じ建物でも業者によって提示額が数十万円変わる場面は珍しくありません。

比較するときは、総額ではなく項目ごとに並べてください。
本体工事・廃棄物処理・付帯工事・諸経費の4つを業者ごとに書き出すと、どこが高いのかが浮かび上がります。
3社の提示額を並べ、中央値から大きく外れた金額には理由を確認しましょう。

現地調査をせずに総額だけを提示する業者は、候補から外しましょう。
着工後に「想定と違った」として追加請求される流れが、典型的なトラブルの入口になります。

見積もりを依頼するときは、同じ図面と同じ条件をすべての業者へ渡してください。
伝える条件がばらつくと、金額の差が業者の実力差なのか条件差なのか判別できません。
家財の量と撤去する外構の範囲は、写真を添えて共有すると精度が上がります。

残置物を自分で処分する

残置物の自己処分とは、解体前に家財を自分で運び出し、処分しておくやり方を指します。
業者に任せた場合の処分費が丸ごと不要になるため、削減額は数万円から数十万円に達します。

自治体の粗大ごみ回収なら、家具1点あたり数百円から千円台です。
まだ使える家電や家具はリサイクルショップで引き取ってもらえる場合もあり、処分費をさらに減らせます。
仏壇や神棚は取り扱いが分かれるため、事前に自治体へ確認してください。

一方で、実家が遠方にある場合は交通費と日数がかさみます。
片づけに通う回数と削減できる金額を比べ、業者に任せて時間を買う判断も成り立ちます。

家財の処分を進める前に、相続人の間で形見分けを済ませてください。
片づけた後に「形見の品はどこへ行った」と問われると、相続人どうしの関係がこじれます。
処分する前に写真を撮って共有しておけば、後の説明が楽になります。

自治体の補助金・助成金を使う

補助金とは、老朽化した空き家の解体などに対し、自治体が費用の一部を交付する制度を指します。
実費の2分の1、上限は数十万円という設計が一般的です。

自治体の例主な要件補助の上限
東京都「空き家家財整理・解体促進事業」都内にある空き家の家財整理または解体解体は実費の2分の1・限度額10万円
神奈川県横浜市「住宅除却補助制度」2000年5月末日以前に新築され、耐震性が低いと判定された木造住宅など建築時期に応じて20万〜50万円
栃木県宇都宮市「老朽危険空き家除却費補助金」1981年5月31日以前に建築された空き家、または接道条件を満たさない敷地にある空き家など実費と面積単価から算出した額の3分の2・上限70万円

補助金は着工前の申請が条件になっている自治体がほとんどです。
契約や工事を先に進めると対象外になるため、業者を決める前に市区町村の担当課へ確認してください。
予算の上限に達した時点で受付を終える自治体もあります。

申請の際に用意する書類は、建物の登記事項証明書、固定資産税の課税明細書、解体業者の見積書などです。
交付が決まるまでに1か月前後かかる自治体もあるため、売却の期日が決まっている場合は逆算して動いてください。
要件を満たすかどうかの判断が難しい物件は、窓口で図面と写真を見せながら相談すると早く確認できます。

【参考元】SUUMO「家を解体する費用相場(30・40・50坪)と失敗しない業者選び」

業者の閑散期をねらう

閑散期とは、解体業者の受注が落ち着き、工程に余裕がある時期を指します。
工期を業者の都合に合わせられる場合、価格交渉の余地が生まれます。

混み合いやすいのは1月から3月の年度末です。
公共工事や建て替えの着工が重なるため、繁忙期の見積もりは強気になりがちです。
梅雨や台風の時期は工程が読みにくいため、避ける業者もあります。
工期を急がないなら、時期の相談から始めてください。

ただし市町村から勧告を受けている空き家に、時期を待つ余裕はありません。
勧告を受けた土地は税負担が上がるため、値引きを待つより早く着工したほうが総額では有利になります。

時期をずらせるかどうかを決めるのは、売却の予定と税金の区切りです。
急ぎでなければ、複数の業者に「いつなら安くなるか」を直接尋ねてみてください。
工程に空きがある月を提示してもらえれば、値引きの交渉材料になります。

家の解体費用を払えないときの3つの選択肢

解体費用を先に用意できないケースは珍しくありません。
手元資金が足りない場合でも、実家を手放す道は残っています。

選択肢初期費用手取りへの影響向いている状況
空き家解体ローンを使う不要(借入で立替)利息のぶん手取りが減る更地にすれば売れる見込みがある
古家付き土地として売る不要買主が解体費を見込むため売却価格は下がる立地がよく買い手がつきやすい
建物ごと買取に出す不要仲介より価格は下がるが費用負担はない早く手放したい・権利関係が複雑

3つを比べるときは、売却価格ではなく最終的な手残りを基準に置いてください。
解体費用を払って高く売る道と、費用を払わず相応の価格で売る道のどちらが有利かは、物件ごとに逆転します。

空き家解体ローンを使う

空き家解体ローンとは、金融機関が解体費用を対象に貸し付ける無担保のローンを指します。
地方銀行や信用金庫が空き家対策の一環として扱っています。

借入額の上限は数百万円、返済期間は10年前後という設計が中心です。
年齢の上限や、対象となる空き家の所在地に条件を設ける金融機関もあります。
無担保のため金利は住宅ローンより高く、総返済額は借入額を上回ります。

解体ローンは費用そのものを下げる方法ではなく、支払いを分割して着工を早める方法です。
借りる前に、更地にした後で土地が売れる見込みが立っているかを確かめてください。
売れないまま返済だけが残る状態は避けましょう。

見込みは、解体前に不動産会社へ土地の査定を依頼して確かめます。
更地にした場合の想定価格を聞いてから、借入額と比べてください。
査定額が解体費を下回る土地では、借りずに建物ごと売る道のほうが手元に残ります。

古家付き土地として売る

古家付き土地とは、建物を残したまま土地として売り出す売り方を指します。
解体費用を先に負担せずに売却へ進める点が利点です。

一方で、買主は解体費用を自分で負担する前提で価格を判断します。
木造30坪なら100万円前後を差し引いた金額が提示されやすく、更地で売る場合より手取りは低めです。
買主が住宅ローンを使う場合、古い建物が残っていると審査で不利になることがあります。

解体して更地で売るか、古家付きのまま売るかは、解体費用と価格差のどちらが大きいかで決まります。
解体費用が100万円で、更地にすると査定額が150万円上がるなら解体が有利です。
逆に査定額の上がり幅が50万円なら、古家付きのまま売ったほうが手元に残ります。

解体費用の見積もりと、更地・古家付きそれぞれの査定額を並べて比べてください。
数字が出そろえば、感覚ではなく金額で判断できます。

建物ごと買取に出す

買取とは、不動産会社が買主となって物件を直接買い取る取引を指します。
解体も家財の片づけもしないまま引き渡せるため、費用を負担せずに現金化できます。

仲介と違い、買主を探す期間が不要です。
契約不適合責任を免除する条件がつく場合が多く、引き渡し後に建物の不具合を指摘されるリスクも抑えられます。
売却価格は仲介より下がりますが、解体費用と固定資産税の負担が消えるぶん、手残りで逆転するケースがあります。

判断するときは、解体費用の見積書と買取価格の査定書を並べ、手残りの金額で比べてください。
解体して更地で売る場合の手残りは、売却価格から解体費用と譲渡にかかる費用を引いた額です。
買取の場合は、査定額がほぼそのまま手残りになります。

共有名義の実家や、相続登記が済んでいない物件でも査定は可能です。
無料査定を使えば、金額を見てから決められます。

家の解体費用の見積もりを依頼する業者の選び方

価格だけで業者を選ぶと、不法投棄の責任や着工後の追加請求を自分が負う結果になりかねません。
書面と現地対応を見れば、依頼してよい業者かどうかは判断できます。

解体工事の許可や登録があるかを確認する

解体工事業の登録とは、工事を請け負うために都道府県知事から受ける登録を指します。
解体工事業・建築工事業・土木工事業のいずれかの建設業許可を持つ業者であれば、登録は不要です。
いずれも持たない業者は、そもそも解体工事を請け負えません。

確認の手順は簡単です。
見積書か名刺に記載された許可番号・登録番号を控え、都道府県が公表している業者名簿と照合してください。
多くの自治体がウェブサイトで名簿を公開しています。

番号を尋ねても示さない業者、口頭で「持っている」とだけ答える業者は、候補から外してください。
工事中の事故や廃棄物の不適正処理が起きたとき、発注者が責任を問われる場面があります。

あわせて、建設業の許可を持つ業者かどうかも確認しておきましょう。
請負金額が一定額を超える工事では、登録ではなく許可が必要になります。
自社で施工せず下請けへ丸投げする業者では、現場の管理責任が曖昧になりやすい点にも注意してください。

【参考】建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(e-Gov 法令検索)

現地調査をして内訳のある見積書を出すかを確認する

内訳のある見積書とは、本体工事・廃棄物処理・付帯工事・諸経費が項目ごとに分かれて記載された書面を指します。
金額の根拠が読み取れるため、他社との比較にも使えます。

「解体工事一式」とだけ書かれた見積書では、何が含まれ、何が別料金なのかが不明です。
着工後に「塀の撤去は含まれていない」と言われても、書面がなければ反論できません。
項目ごとの数量と単価まで記載してもらいましょう。

あわせて、追加費用が発生する条件と上限を書面に残してもらってください。
地中埋設物やアスベストのように事前に読めない要素については、発生時の算定方法を決めておけばトラブルを避けられます。

工期の遅れに対する取り決めも書面に入れておきましょう。
売却の決済日が決まっている場合、更地の引き渡しが遅れると契約そのものに影響します。
遅延したときの連絡方法と対応を、契約前に確認してください。

廃棄物を適正に処理した証明を出せるかを確認する

マニフェストとは、産業廃棄物の流れを記録し、適正に処理されたかを確認するための管理票を指します。
記入と保存は、排出事業者から処分業者までの各段階で必要です。

廃棄物処理法が定めているのは、廃棄物を適正に処理する責任を排出した側が負うという原則です。
委託した業者が不法投棄をした場合、発注者である所有者にも責任が及ぶ場面があります。
安さだけを理由に業者を選ぶリスクは、金額の差では取り返せません。

工事完了後にマニフェストの写しを受け取る取り決めを、契約時に交わしておいてください。
写しの提出を渋る業者は避けてください。
処理の証明が残っていれば、後日の照会にも対応できます。
近隣とのトラブルや業者との紛争に発展した場合は、早い段階で弁護士に相談しましょう。

家の解体工事は業者選定から引き渡しまで2か月から3か月かかる

家の解体工事は業者選定から引き渡しまで2か月から3か月かかる

見積もりの依頼から更地の引き渡しまでは、2か月から3か月をみておいてください。
工事そのものより、業者選びと届出に時間がかかります。
売却の期日が決まっている場合は、期日から逆算して動き出しましょう。

1.業者を選んで契約する|2週間〜1か月

最初のステップでは、現地調査の依頼から契約までを進めます。
3社に依頼するなら、日程の調整だけで1週間前後をみておきましょう。
見積書は現地調査から1週間ほどで届きます。

契約書では、工事範囲・追加費用が発生する条件・支払いの時期を確定させてください。
着手金と完了時の支払いを分けるのが一般的で、全額前払いを求める業者には理由を確認しましょう。

補助金を使う場合は、契約前に自治体へ申請してください。
交付決定を待たずに契約すると対象外になる自治体が多いため、申請から交付決定までの期間も工程に組み込んでください。

共有名義の実家では、契約の前に共有者全員の同意を取り付けておく必要があります。
同意が固まらないまま業者と契約すると、着工できないまま違約金が発生します。
まず名義を確認し、共有になっている場合は話し合いの時間も工程に含めてください。

2.届出と近隣への挨拶をする|1〜2週間

建設リサイクル法では、一定規模以上の解体工事について、着手する日の7日前までに都道府県知事へ届け出るよう定められています。
届出に記載するのは、解体する建物の構造、工事着手の時期と工程の概要、分別解体の計画などです。
対象となる規模は政令で決められており、建築物の解体では床面積の合計が80平方メートル以上の工事が該当します。

届出は業者が代行するケースが大半ですが、義務を負うのは発注者です。
代行を依頼した場合でも、控えを受け取って内容を確認してください。

同じ時期に、電気・ガス・水道の停止手続きと近隣への挨拶回りを済ませてください。
工事の期間と作業時間を伝えておくと、騒音や振動に対する苦情を減らせます。
水道は解体中の散水に使う場合があるため、停止の時期を業者へ確認してから手続きしてください。

【参考】建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(e-Gov 法令検索)

3.解体工事と廃材の搬出を行う|2週間前後

工事は、足場と養生シートの設置から始まります。
続いて建具や内装材を手作業で外し、屋根と上物を重機で解体し、最後に基礎を撤去する順序で進みます。
木造30坪であれば、工事期間は2週間前後です。

工事中に近隣から寄せられる声は、騒音と粉じんに集中します。
散水と作業時間の管理で抑えられるため、対応の方針を契約前に業者と確認しておいてください。

想定外の埋設物が出るなど、追加費用が発生しそうな事象が起きた場合は、着工後でも書面での説明を求めましょう。
口頭のやり取りだけで工事を進めると、完了後の精算で金額が食い違います。

工事の様子は、可能であれば途中で1度見に行ってください。
遠方で難しい場合は、着工前・解体後・整地後の写真を送ってもらうよう頼んでおいてください。
記録が残っていれば、隣家の塀を傷つけたといった指摘が後から出たときにも事実を確認できます。

4.整地して引き渡しを受ける|数日

整地とは、解体後の地面をならし、次の利用に備える作業を指します。
砕石を敷く仕上げと、土のまま平らにする仕上げでは費用が変わるため、契約時の仕様と現地を照合してください。
引き渡しの際に確認する点は3つです。

  • 整地の仕上げが契約で決めた水準どおりか
  • 残された廃材やコンクリート片がないか
  • マニフェストの写しを受け取れるか

確認を終えたら、建物滅失登記の手続きへ進みます。
工事の完了を証明する取毀証明書は登記で使うため、業者から受け取って保管してください。

隣家との境界に置いていた目印が、工事で動いていないかも見ておきましょう。
境界標が失われたまま土地を売ると、買主との間で範囲の争いが起こります。
動いた形跡があれば、土地家屋調査士へ相談して復元してください。

家を解体する前に確認したい注意点

家を解体する前に確認したい注意点

解体は元に戻せない選択で、着工後に条件を知っても取り返しがつきません。
税負担・再建築の可否・権利関係・登記の4つの面から、着工前に確かめておくべき点を確認してください。
1つでも引っかかる項目があれば、契約を急がず専門家へ相談しましょう。

更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れる

住宅用地特例とは、住宅が建っている土地について固定資産税の課税標準を引き下げる仕組みを指します。
地方税法では、住宅用地の課税標準を価格の3分の1とすると定められています。
面積200平方メートル以下の小規模住宅用地なら、課税標準は6分の1です。

建物を解体して更地にすると、土地は住宅用地に当たらなくなり、軽減が適用されません。
課税標準が6分の1の軽減から原則どおりの水準に戻る土地では、税額が数倍まで上がる計算です。
建物にかかっていた固定資産税は消えるため、合計の負担は単純に6倍とはなりませんが、増額は避けられません。

固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課されます。
年内に解体するか年明けに回すかで、初年度の負担は1年分ずれる形です。
売却の予定が決まっていない場合は、着工の時期を年明けに調整する方法も検討してください。

【参考】地方税法(e-Gov 法令検索)

管理不全空家等や特定空家等の勧告を受けると解体前でも特例が外れる

管理不全空家等とは、適切な管理が行われず、放置すれば特定空家等に該当するおそれのある状態の空き家を指します。
空家等対策の推進に関する特別措置法では、市町村長が所有者へ指導を行い、改善されない場合には勧告できると定められています。

勧告を受けた管理不全空家等と特定空家等の敷地は、地方税法の住宅用地の対象外です。
建物を残したままでも軽減がなくなるため、解体を先送りしても税負担は下がりません。
特定空家等について勧告に従わない場合は、市町村長が命令や行政代執行へ進める手続きも法律に定められています。

放置を続けるほど、税負担と行政指導の両方が重くなる一方です。
使う予定のない実家であれば、解体か売却かを早めに決めてください。
市町村から書面が届いている場合は、対応の期限を確認したうえで動きましょう。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov 法令検索)

接道条件を満たさない土地は解体すると建て直せなくなる

接道義務とは、建築物の敷地が道路に一定の長さ以上接していなければならないという決まりを指します。
建築基準法では、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定められています。
原則として、幅員4メートル以上の道路が対象です。

条件を満たさない土地に建つ家は、解体すると新しい建物を建てられません。
更地のまま残り、買い手も見つかりにくくなります。
昭和の時期に建てられた住宅密集地では、条件を満たさない敷地が今も数多く残ったままです。

着工を決める前に、市区町村の建築指導課で前面道路の種別と幅員を確認してください。
窓口では、敷地がどの道路に何メートル接しているかも教えてもらえます。
再建築ができない土地だと判明した場合は、解体せずに売る道を含めて弁護士や不動産会社に相談しましょう。

【参考】建築基準法(e-Gov 法令検索)

共有名義の家は共有者全員の同意がないと解体できない

共有名義とは、1つの不動産を複数人で持ち合っている状態を指します。
相続人が話し合わないまま登記を済ませた実家は、兄弟姉妹の共有になっている場合が大半です。

民法では、共有物に形状または効用の著しい変更を加える行為について、他の共有者の同意を得なければならないと定められています。
建物の解体は変更にあたるため、共有者が1人でも反対すれば進められない点に注意してください。
修繕のような管理に関する行為であれば持分の価格の過半数で決められますが、解体は同じ扱いになりません。
全員の同意が要る点で、修繕とは性質が違います。

費用の負担割合は持分割合が原則です。
話し合いで別の割合に決めても構いませんが、口頭の合意は後から覆りやすいため書面に残してください。
同意が得られない場合や連絡の取れない共有者がいる場合は、共有物分割請求という手続きも選べます。
手続きの選択に迷うなら、弁護士に相談して見通しを立てましょう。

【参考】民法(e-Gov 法令検索)

解体後1か月以内に建物滅失登記を申請する

建物滅失登記とは、取り壊した建物の登記簿を閉じる手続きを指します。
不動産登記法では、建物が滅失したときは所有者が滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請しなければならないと定められています。

登記を放置すると、存在しない建物に固定資産税が課され続ける場合があるので注意してください。
登記簿に建物が残ったままでは土地を売却できず、買主が住宅ローンを組む際の担保設定にも支障が出ます。
義務である以上、工事完了後は速やかに進めてください。

申請は所有者本人でも行えます。
必要となるのは、業者が発行する取毀証明書、業者の印鑑証明書と資格証明書、滅失登記の申請書です。
書類の準備が難しい場合は、土地家屋調査士へ依頼すれば代行してもらえます。

【参考】不動産登記法(e-Gov 法令検索)

古い家の売却の悩みは「ベンナビ不動産売却」で解決しよう

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家の解体費用に関するよくある質問

Q

100坪の一軒家の解体費用はいくら?

A

木造であれば310万〜440万円程度が公表値の目安です。
坪単価に坪数を掛ければ概算できます。
ただし100坪規模になると付帯工事の範囲も広がるため、外構や庭木の撤去費を別に見込んでください。

Q

2階建ての一軒家の解体費用はいくら?

A

延床面積が同じであれば、2階建ては平屋より安く収まりやすい傾向があります。
屋根と基礎の面積が平屋の約半分で済み、撤去する材料の量が減るためです。
30坪の木造2階建てなら90万〜150万円が目安になります。

Q

一軒家を解体して更地にする費用はいくら?

A

更地にする費用には、建物の解体費に加えて整地費と付帯工事費が含まれます。
木造30坪の家で家財や外構が少ない場合、100万〜200万円程度をみておいてください。
砕石を敷く仕上げにすると、土のままより費用が上がります。

Q

解体費用は売却時の税金の計算で経費にできる?

A

土地を売るために建物を取り壊した場合、取壊し費用と建物の損失額は譲渡費用に含められます。
譲渡所得を計算する際に売却価格から差し引けるため、領収書と契約書を保管しておいてください。
【参考元】国税庁「No.3255 譲渡費用となるもの」

Q

相続した実家を解体して売ると税金の特例を使える?

A

被相続人が1人で住んでいた昭和56年5月31日以前建築の家が対象です。
取り壊して更地で売る場合も、譲渡所得から3,000万円を控除できます。
売却代金が1億円以下であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することなどが要件です。
相続人が3人以上のときの控除額は2,000万円になります。
【参考元】国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

Q

補助金は解体してからでも申請できる?

A

多くの自治体は着工前の申請を条件としているため、解体後の申請は受け付けられません。
業者と契約する前に、市区町村の担当課で対象要件と申請期限を確認してください。
予算枠に達して受付を終えている場合もあります。

まとめ|家の解体費用は木造30坪90万〜150万円・現地調査後の見積もりで確定する

家の解体費用は、建物の構造・延床面積・立地の3つでおおむね決まります。
木造30坪なら90万〜150万円が目安です。
内訳は本体工事と廃棄物処理が総額の大半を占めます。
3社以上の相見積もりを項目ごとに比べ、自治体の補助金を着工前に申請すれば、総額を抑えられます。

着工前に確かめておく点は5つです。

  • 更地にすると固定資産税の軽減が外れる
  • 勧告を受けると解体前でも軽減が外れる
  • 接道条件を満たさない土地は建て直せなくなる
  • 共有名義では共有者全員の同意が要る
  • 解体後1か月以内に建物滅失登記を申請する

5点はいずれも着工後には取り返せません。
契約前に必ず確認してください。

解体費用を用意できない場合は、建物ごと買い取ってもらう道があります。
解体の見積書と買取の査定書を並べ、手元に残る金額で判断しましょう。
共有者との話し合いや業者との交渉で行き詰まったときは、弁護士に相談すれば解決までの見通しが立ちます。

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監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。