空き家

空き家の活用方法12選|向き不向きの判断基準と進め方をわかりやすく解説

空き家の活用方法12選|向き不向きの判断基準と進め方をわかりやすく解説

親から受け継いだ実家に誰も住まないまま、固定資産税の納付書と草木の手入れだけが毎年やってくる。
そんな状態で「売ってしまう前に、何か使い道はないだろうか」と考える人は少なくありません。

結論から述べます。
空き家の活用は、建物をそのまま使う方法と、解体して土地を使う方法、そして手放す方法の3つです。
選択肢そのものは12通りありますが、どれを選べるかは物件の条件でほぼ決まります。

多くの人がつまずくのは、選択肢を並べただけでは自分の空き家に当てはめられない点です。
活用の記事は「アイデア15選」の形で書かれることが多いものの、並んだ選択肢のどれが自分の物件で成り立つのかは別に判断しなければなりません。

本記事では、12の活用方法を2系統に整理したうえで、立地の需要・建物が使える状態か・費用の回収年数という3つの基準で自分の空き家に当てはめる手順を示します。
読み終えるころには、活用を進めるか手放すかの見当がつく状態です。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

空き家の活用は「建物を使う」「解体して土地を使う」「手放す」の3つに分かれる

空き家の使い道は数多くあるように見えて、3つの系統に整理できます。
建物をそのまま使う、解体して土地を使う、手放すの3つです。

3つの系統を分ける決め手は、建物が使える状態かどうかにあります。
傷みが軽く修繕費が家賃で回収できる範囲なら、建物をそのまま使う系統が視野に入ります。
傷みが進んで修繕費が膨らむなら、選ぶのは解体して土地を使う系統です。

一方で、立地に需要がなければ、どちらの系統も収支が合いません。
その場合は手放す系統が現実的な選択肢になります。

3つの系統は初期費用と収益化までの期間が別々です。
建物をそのまま使う方法は着手が早い反面、借り手が限られます。
解体して土地を使う方法は自由度が上がる代わりに解体費が先に出ます。
手放す方法は収入が一度きりの代わりに、以後の負担がない点が特徴です。

系統初期費用の目安収益化までの期間向く立地主な選択肢
建物をそのまま使う数十万円〜300万円程度1ヵ月〜6ヵ月賃貸需要のある市街地・住宅地戸建て賃貸、シェアハウス、民泊、店舗貸し
解体して土地を使う100万円〜数千万円3ヵ月〜2年駅前・商業地・幹線道路沿い駐車場、賃貸住宅への建て替え、太陽光発電
手放す0円〜[測量・残置物処分は別途]1ヵ月〜6ヵ月需要が弱い地域も対象仲介での売却、買取業者への売却

全国の空き家は900万戸で、総住宅数に占める割合は13.8%にのぼります。
活用を後押しする制度も整えられました。

【参考】令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果|総務省統計局

建物をそのまま使う空き家の活用方法7選

建物を残したまま使う方法は7つあります。
解体費がかからないぶん初期費用を抑えられ、借り手が決まれば早い段階で収入が入ります。

ただし、そのまま貸せる空き家はごく一部です。
人が住まなくなった家は換気が止まり、水回りと屋根外壁から傷みが進みます。
給湯器やガスコンロが使えない、雨漏りの跡がある、和室のままで需要が合わない、といった状態が普通です。

そこで実務では、水回りとクロス、そして雨漏りの補修に絞って修繕し、そのほかは現状のまま貸す形がよく採られます。
全面改修は費用が跳ね上がるわりに家賃へ反映しにくく、回収が遠のくためです。

以下の7つは、いずれも建物を残したまま使う方法です。
初期費用と収益性、そして向く立地が異なるので、自分の空き家の条件と照らし合わせてください。
本記事で示す初期費用は公的な統計のない目安で、建物の規模や地域によって上下します。

活用方法初期費用の目安収益性向く立地と物件
戸建て賃貸50万円〜300万円中〜高ファミリー需要のある住宅地
DIY型賃貸0円〜50万円中傷みがあり修繕費を出しにくい物件
シェアハウス100万円〜500万円中〜高大学・駅・職場が近い都市部
民泊100万円〜300万円低〜中観光地・繁華街の周辺
店舗やオフィス貸し50万円〜300万円中〜高通りに面した1階・商業地
倉庫や資材置き場0円〜30万円低工事業者の多い郊外
自治体やNPOへの貸し出し0円〜100万円低移住者を受け入れている地域

戸建て賃貸として貸す

戸建て賃貸は、建物を残す方法のなかで選ばれやすい形です。
集合住宅と比べて供給が少なく、いったん入居が決まると長く住み続ける傾向があります。

貸し出す前の修繕は、水回りと雨漏りの補修を軸に組み立てます。
給湯器・浴室・キッチンの入れ替えとクロスの張り替えで、50万円から200万円程度が目安です。
屋根や外壁に手を入れる場合は、100万円前後が上乗せされます。

契約の形は2つあります。
普通借家契約は借主の更新が原則として認められる形で、貸主から終了を申し入れるには正当な理由が前提です。
定期借家契約は期間が来れば契約が終わる形で、将来自分で使う予定があるときに向きます。

管理を不動産会社へ委託する場合、費用は家賃の5%前後が一般的です。
遠方の空き家では、管理の委託を前提に収支を組んでおくと無理がありません。

シェアハウスやDIY型賃貸として貸す

修繕費を抑えたまま貸したいなら、DIY型賃貸という形があります。
借主が自分の負担で内装を手直しできる代わりに、貸主は現状のまま引き渡す仕組みです。

DIY型賃貸の利点は、所有者の初期費用がほとんどかからない点にあります。
一方で、退去時にどこまで戻してもらうかを契約であらかじめ決めておかないと、原状回復をめぐって折り合いがつかなくなります。

シェアハウスは、1棟を個室単位で貸して合計の家賃を上げる形です。
部屋数の多い家なら、戸建て1棟として貸すより収入が伸びます。
間仕切りや水回りの増設には費用がかかり、入居者同士の調整も貸主の仕事です。
運営会社へ一括で貸すサブリースでは、受け取る賃料が募集賃料より1割ほど低くなる傾向があります。

どちらの形も、大学や駅、大きな職場が近い都市部で成立しやすい方法です。
郊外の戸建てで採用すると、入居者が集まらないまま費用だけが残ります。

民泊として貸す

民泊は、住宅宿泊事業法にもとづく届出をすれば始められます。
旅館業の許可と違って手続きが軽く、空き家を使った活用として関心を集めてきました。

ただし営業できる日数に上限があります。
住宅宿泊事業として泊められるのは年間180日以内で、期間は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までで数えます。
日数を超えた営業は、旅館業法の無許可営業として扱われるおそれのある行為です。

さらに、自治体の条例で上乗せの制限がかかる地域があります。
住居専用地域では平日の営業を認めない、学校の周辺では営業できない、といった内容です。
届出の前に、物件のある市区町村の担当課へ確認してください。

所有者が同じ建物に住まない家主不在型では、住宅宿泊管理業者への委託が求められます。
観光需要のある立地でなければ稼働が伸びないため、周辺の宿泊施設の稼働状況を先に調べておくと判断を誤りません。

【参考】住宅宿泊事業法|e-Gov 法令検索

店舗や倉庫として貸す

住宅として貸しにくい空き家でも、店舗や事務所としてなら借り手がつく場合があります。
通りに面した1階の物件であれば、住宅の家賃より高い水準を設定できることもあります。

美容室やカフェ、教室のように、古い建物の雰囲気が価値になる業種とは相性がよい形です。
内装は借主が自分で作り込むため、貸主側の工事は最低限で済みます。

倉庫や資材置き場として貸す方法は、さらに手間がかかりません。
郊外でも借り手が見つかるのは、工事業者や造園業者が資材を置く場所を探しているためです。
収入は月数万円と小さいものの、管理の手が入るぶん建物の傷みは緩やかになります。

注意したいのは用途の変更です。
住宅を一定規模を超える店舗や倉庫に変えるときは、建築基準法にもとづく確認申請が必要になる場合があります。
工事の契約を結ぶ前に、市区町村の建築指導を担当する窓口へ確認しておきましょう。

【参考】建築基準法|e-Gov 法令検索

解体して土地を使う空き家の活用方法5選

建物の傷みが進んでいて修繕費が回収できない場合、解体して土地として使う道に切り替えます。
更地にすると使い道の幅が広がり、借り手や買い手の対象も広がります。

一方で、解体して土地を使う系統は費用が先に出ていく構造です。
木造住宅の解体費は、規模や立地によって100万円から300万円程度が目安です。
前面道路が狭く重機が入らない現場や、アスベストの除去が要る建物では、さらに上振れします。
解体費に公的な統計はなく、解体業者や比較サイトが公表する目安を参考にした数字です。

もうひとつ織り込むべきなのが税の負担です。
住宅が建っている土地は固定資産税の課税標準が軽減されていますが、更地にするとその軽減が外れます。
年間の税額が上がるぶんを、活用で得られる収入で埋められるかを先に確かめてください。

以下の5つが、解体後の主な選択肢です。

活用方法初期費用の目安収益性向く立地
駐車場解体費+30万円〜200万円低〜中駅前・商業地・住宅密集地
賃貸住宅への建て替え解体費+2,000万円〜高賃貸需要のある市街地
資材置き場やトランクルーム解体費+0円〜300万円低〜中幹線道路沿い・郊外
太陽光発電の用地解体費+500万円〜中日照が確保できる郊外
事業用地としての貸し出し解体費のみ中幹線道路沿い・郊外の広い土地

駐車場にする

更地の使い道として最初に検討されるのが駐車場です。
建物を建てないため初期費用が小さく、数ヵ月で運用を始められます。

形は2つあります。
月極駐車場は、砂利敷きやロープ張りのまま貸せば30万円ほど、アスファルト舗装と区画整備をすると1台あたり10万円前後が目安です。
コインパーキングは、機器を持つ運営会社へ土地ごと貸す形が一般的で、所有者の投資はほぼ不要です。

収入の目安は立地で大きく変わります。
駅前や商業地では1台あたり月2万円を超える地域がある一方、住宅地では月5,000円前後にとどまることも珍しくありません。

土地が広く、周辺に月極の空きが少ない地域であれば、収入は安定的です。
逆に空き区画が目立つ地域では、舗装費を回収できないまま持ち続けることになりかねません。

賃貸住宅に建て替える

収益の大きさで比べるなら、賃貸住宅への建て替えが上位に来ます。
1棟のアパートにすれば戸数のぶん家賃が入り、土地の広さを収入に変えられます。

その代わり、投じる資金の規模が桁違いです。
解体費に加えて建築費が2,000万円を超えることも多く、借入を前提に計画を組みます。

判断の前提になるのが賃貸需要の調査です。
同じ地域で似た間取りの物件がどれくらいの家賃で、どれくらいの期間で埋まっているのかを確かめてから、長期の収支計画を立ててください。

空室が続けば、家賃収入で返済をまかなえなくなります。
想定より1割から2割低い家賃でも返済が続けられるかを、計画の段階で確認しておくと安全です。
土地の広さや前面道路の幅によっては建てられる戸数が限られるため、建築会社に配置の案を出してもらってから資金計画を詰める順番が向いています。

資材置き場やトランクルームにする

土地を持ったまま手間をかけたくないなら、資材置き場として貸す方法があります。
工務店や造園業者が資材や機材を置く場所を探しているため、郊外でも需要が見つかることがあります。
整備はほとんど不要で、収入は月1万円から5万円程度が目安です。

トランクルームは、コンテナや屋内型の収納を設けて区画ごとに貸す形です。
無人で運営でき、住宅の賃貸のような入退去の手間もかかりません。

ただし、コンテナを地面に据え置く形は建築物として扱われる場合があります。
市街化調整区域のように建築が制限される地域では、そもそも設置できないこともあるため、都市計画法上の区域と用途地域を先に確認してください。

住宅地で始めるときは、車両の出入りや景観について近隣の理解を得ておくと、あとから苦情が出にくくなります。

【参考】都市計画法|e-Gov 法令検索

太陽光発電の用地にする

日当たりのよい郊外の土地であれば、太陽光発電の設備を置いて売電収入を得る方法があります。
人の出入りがないため管理の手間が軽く、長い期間にわたって収入が続きます。

設備の費用は規模によりますが、野立ての場合は500万円以上が目安です。
屋根に載せる形と違い、架台や造成の工事が加わります。

導入の前に確かめるのは3点です。
1日の日照が確保できるか、周囲の建物や樹木で日陰にならないか、そして電力会社の系統に接続できるかを事前に確認します。
接続の空きがない地域では、申し込んでも受け入れてもらえないことがあります。

また、景観に関する条例で設置が制限される地域もあるため、着手前の確認が前提です。
観光地や住宅地に近い土地では、着手の前に市区町村へ問い合わせておくと手戻りが防げます。

自分の空き家に活用が向くかを判断する3つの基準

12の選択肢を並べてきましたが、すべてが自分の空き家で成り立つわけではありません。
選択肢を眺めるだけでは判断が進まないので、自分のケースに当てはめる物差しを持ちます。

使う基準は3つです。
立地に需要があるか、建物が使える状態か、投じた費用を何年で回収できるか、を順に確かめます。

確かめる順番には意味があります。
どれだけ建物がきれいでも、借り手のいない地域では収入が生まれないままです。
需要のある地域でも、建物の傷みが深ければ修繕費が家賃を食いつぶします。
そして両方を満たしても、回収に20年かかるようでは活用と呼べません。

3つのうちひとつでも満たさないと分かった時点で、いったん立ち止まってください。
次の基準へ進む前に、満たさない条件を埋められるのか、それとも手放す方向へ切り替えるのかを決めるほうが、費用を無駄にせずに済みます。

  • 立地に借り手がいるか
  • 建物に大きな傷みがないか
  • 費用を何年で取り戻せるか

立地に賃貸や事業の需要があるか

最初に確かめるのは、物件のある地域に借り手がいるかどうかです。
需要の有無は感覚ではなく、公開されている情報で調べられます。

手順は単純です。
賃貸情報のサイトで、同じ市区町村・同じ間取り・同じ築年数帯の物件がいくつ募集されているかを数えます。
次に、似た条件の物件がどれくらいの家賃で出ているかを見て、家賃の幅を把握します。

判断の目安は募集の残り方です。
似た条件の募集が数十件並んでいて、しかも半年前から同じ物件が残っているような地域では、需要が弱いと考えられます。
反対に、募集件数が少なく、出てもすぐ消えている地域なら需要があります。

需要が確認できない場合に負担が小さいのは、活用よりも手放す方向で検討する進め方です。

建物が使える状態か

次に見るのは建物の状態です。
見た目のきれいさではなく、費用が大きく膨らむ要因があるかどうかを確かめます。

確かめる点は3つです。
雨漏りの跡があるか、基礎や柱に傷みがあるか、そして建て替えができる土地かを見ます。
雨漏りと構造部分の傷みは、手を入れ始めると費用が想定を超えやすい部分です。

3つ目の建て替えの可否は、活用の幅そのものを左右します。
前面道路に接する幅が足りない土地は建築の許可が下りず、解体しても新しい建物を建てられません。
建て替えができない土地で残る選択肢は、駐車場や資材置き場です。

1981年5月以前の基準で建てられた住宅は、耐震の面で改修費がかさむ傾向があります。
修繕の見積もりが家賃の数年分を超えるようなら、解体か売却へ切り替える判断が現実的です。

【参考】建築基準法|e-Gov 法令検索

投じた費用を何年で回収できるか

3つ目の基準は回収年数です。
活用方法が違っても、回収年数なら同じ土俵で比べられます。

計算は簡単です。
改修や整備にかかる費用を、年間の手取り収入で割ります。
手取りは、家賃の年額から固定資産税・都市計画税・管理委託料・修繕の積み立てを差し引いた金額です。

たとえば改修費が200万円、家賃が月7万円、諸費用が年24万円なら、手取りは年60万円になります。
回収年数は約3.3年です。
同じ改修費でも家賃が月4万円なら手取りは年24万円となり、回収年数は8年を超えます。

目安として、回収年数が10年を超えるようなら活用は慎重に考えます。
10年のあいだに設備の入れ替えや大きな修繕が発生する可能性が高く、計算どおりには進みにくいためです。
回収の見込みが立たないときは、活用ではなく手放す判断へ切り替えます。

空き家の活用を始めるまでの5ステップと必要書類

空き家の活用を始めるまでの5ステップと必要書類

活用の方向が決まったら、着手までの流れを押さえます。
進め方は5つの段階に分かれ、順番どおりに進めると手戻りが起きにくくなります。

現況の確認から名義と権利関係の確認へ進み、収支の試算と改修・届出を経て募集の開始へ向かう順序です。
5つのうち多くの人が省いてしまうのが2つ目の名義の確認で、相続した空き家では登記が親の名義のまま残っていることがあります。

書類は先にまとめて揃えておくと、あとの段階で止まりません。
とくに登記事項証明書は名義の確認にも不動産会社への依頼にも使うため、早い段階で取っておいてください。
法務局の窓口で取るほか、オンラインで請求して郵送で受け取る方法も選べます。

書類のうち検査済証は、建てられた当時に法令へ適合していたことを示すものです。
手元に見当たらない場合でも、市区町村で台帳の記載事項を証明してもらえることがあります。

  • 現況の記録
  • 名義と権利の確認
  • 収支の試算
  • 改修と届出
  • 募集の開始
書類取得先手数料の目安何に使うか
登記事項証明書法務局・オンライン請求480円〜600円名義人と担保の確認
固定資産評価証明書市区町村の資産税担当300円前後税額と評価額の確認
公図・地積測量図法務局・オンライン請求430円〜450円土地の形と境界の確認
建築確認済証・検査済証手元の書類・市区町村無料〜400円適法に建てられたかの確認
建物図面・間取り図手元の書類・法務局450円前後募集資料と改修の計画

STEP1 建物と土地の現況を確認する

最初の段階では、建物と土地がいまどうなっているかを記録します。
あとで見積もりを取るときの土台になるため、写真を添えて残しておきます。

室内で見るのは、天井や壁の雨染み、床のきしみや傾き、水回りの設備が動くかどうかです。
屋外では、屋根の瓦のずれと外壁のひび、基礎の割れ、そして白蟻の被害の跡を確かめます。

土地については、境界標が残っているかを見ます。
隣地との間に塀や樹木があり、どちらの敷地に入っているか分からない場合は、あとで貸すときや売るときの障害です。

自分では判断が難しい部分も出てきます。
構造や雨漏りの原因は見た目で分からないことが多いため、建築士や工務店に点検を頼むと確実です。
点検の費用は数万円からで、修繕の見積もりとあわせて依頼できる業者もあります。

STEP2 名義と権利関係を確認する

続いて、空き家が誰の名義になっているかを確かめます。
法務局で登記事項証明書を取れば、名義人と抵当権の有無がわかります。

相続した空き家で多いのが、登記が亡くなった親の名義のままという状態です。
名義が親のままでは貸す契約も売る契約も進められないため、先に相続登記を済ませます。

相続登記は2024年4月1日から義務になりました。
不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく期限を過ぎると過料の対象になります。
すでに相続した空き家も対象です。

住宅ローンが残っていて抵当権が付いている場合は、賃貸に出す前に金融機関へ相談してください。
契約の内容によっては、居住用としての借入のまま人に貸せないことがあります。

【参考】不動産登記法|e-Gov 法令検索

STEP3 収支を試算する

3つ目の段階は数字の確認です。
試算を飛ばして工事に入ると、あとから採算が合わないと気づいても引き返せません。

収入側は、想定家賃と稼働率で見積もります。
周辺の募集賃料から想定家賃を置き、年間を通じて12ヵ月まるごと埋まるとは考えず、10ヵ月から11ヵ月で計算しておくのが現実的です。

支出側は、固定資産税と都市計画税に加え、管理委託料と火災保険料、そして修繕の積み立てを並べます。
築年数の古い戸建てでは、給湯器やエアコンの入れ替えが数年ごとに発生します。

試算ができたら、想定より1割低い家賃でも成り立つかを確かめてください。
余裕のない計画は、入居者が決まらない期間が続いた時点で行き詰まります。
数字は紙に書き出し、家族や共有者とも共有しておくと、あとから認識の食い違いが起きません。

STEP4 改修と届出を済ませる

数字の見通しが立ったら、工事と手続きに入ります。
順番を間違えやすいのが補助金です。

多くの自治体の補助金は、交付が決まる前に工事を始めると対象から外れます。
工事の契約を結ぶ前に市区町村へ相談し、申請できる制度があるかを確かめてください。

届出が要る活用もあります。
民泊なら住宅宿泊事業の届出、店舗や倉庫への転用なら用途変更の確認申請が必要になる場合があります。
工事が終わってから届出できないと分かる事態を避けるため、着工前に窓口へ確認してください。

工事の見積もりは複数の業者から取ります。
同じ工事内容でも金額に幅が出るため、比べたうえで内容を絞り込むと費用を抑えられます。
見積書は項目ごとの単価まで出してもらい、どこを削れば金額が下がるかを把握しておくと交渉が楽です。
工期も確かめ、募集を始めたい時期から逆算して着工日を決めてください。

STEP5 借り手を募集する

最後の段階は募集です。
賃貸で貸すなら、地域の不動産会社に媒介を依頼するのが一般的な進め方になります。

募集資料の出来が反応を左右します。
室内を明るく撮った写真を10枚以上そろえ、駐車場の有無やペットの可否など、条件をはっきり書いておいてください。

3ヵ月から6ヵ月たっても反応が乏しい場合は、見直しの順番を決めておきます。
まず賃料、次に設備、それでも動かなければ用途そのものを変える、という順です。

自治体の空き家バンクへの登録も並行できます。
移住を考えている人が見る仕組みなので、地方の物件では不動産会社の募集より反応が出ることもあります。
登録は無料で、不動産会社への依頼と同時に進めても差し支えのない仕組みです。
募集を出したあとは、問い合わせの件数と内見の件数を分けて記録しておくと、条件のどこに原因があるのか見当がつきます。

活用が難しい空き家は先に「いくらで手放せるか」を確かめる

読み進めるうちに、自分の空き家では活用が成り立たないかもしれない、と感じた方もいると思います。
活用が成り立つかどうかを見極めるには、比べる相手が要ります。

比べるのは、活用にかかる費用と、いま手放した場合に手元へ入る金額の2つです。
費用と査定額を並べて初めて、活用と売却のどちらが自分にとって有利かがわかります。
査定を受けずに活用を決めてしまうと、比較の相手がないまま費用を投じる形です。

ベンナビ不動産では、空き家の無料査定と買取の相談を受け付けています。
再建築ができない土地、共有名義のまま動かせない物件、家財が残ったままの家など、一般の仲介では扱いにくい空き家も査定の対象です。

査定は無料で、金額を聞いたあとに売るかどうかは自由に決められます。
活用を進めるにしても、手放す場合の金額を知っておくと判断の軸が定まります。

空き家の活用に使える補助金と支援制度

活用にかかる費用は、制度を使えば一部を抑えられます。
中心になるのは市区町村の補助金で、多くは国の空き家対策総合支援事業を財源としています。

制度の内容は自治体ごとに別々です。
同じ県内でも、隣の市では上限額が倍近く違うことがあるため、物件のある市区町村の情報を直接確かめてください。
本記事で示す金額は、複数の自治体で見られる水準をまとめた目安です。

共通する注意点が2つあります。
ひとつは申請の時期で、工事の契約や着工の前に申請するのが原則です。
もうひとつは予算枠で、年度の途中で申請が上限に達すると受付が終わります。

制度を探すときは、市区町村のサイトで「空き家」と「補助」の2語を手がかりに調べると見つかります。
見当たらない場合でも、都道府県の制度が使えることがあるため、窓口へ直接たずねてみてください。

制度対象補助の目安窓口
改修費の補助居住や事業に使う空き家の改修費用の2分の1・上限50万円〜100万円市区町村の住宅担当課
解体費の補助老朽化が進み危険と判定された空き家費用の2分の1〜3分の2・上限50万円〜100万円市区町村の建築・住宅担当課
空き家バンク貸したい・売りたい空き家登録は無料・改修費の補助と併用可市区町村・全国版サイト
空家等管理活用支援法人管理や活用の相談相談は無料の場合が多い自治体が指定した法人

改修に使える補助金

空き家を人が住める状態に戻す工事には、多くの自治体で補助が用意されています。
水回りの入れ替え、屋根や外壁の補修、耐震の改修などが対象です。

補助の水準は、費用の2分の1程度で上限が50万円から100万円という設計がよく見られます。
ただし、上限が20万円にとどまる自治体もあれば、150万円まで出る自治体もあり、地域差は小さくありません。

移住者が住む場合や、子育て世帯が入居する場合に金額を上乗せする制度も一般的です。
空き家バンクへの登録を条件にしている自治体も多いため、登録と改修の申請をあわせて相談すると話が早く進みます。

申請の受付は年度単位で、予算枠に達すると締め切られます。
工事の時期をずらせるなら、年度の早い時期に相談しておいてください。

解体に使える補助金

建物を壊して土地として使う場合にも、解体費の補助が受けられることがあります。
ただし対象は限られていて、どの空き家でも使えるわけではありません。

対象になるのは、老朽化が進んで倒壊のおそれがあると自治体に判定された建物です。
判定には、耐震性の不足や、屋根・外壁の破損の程度が使われます。
築年数が古いだけでは対象にならない自治体もあります。

補助の水準は、解体費の2分の1から3分の2で、上限は50万円から100万円あたりが目安です。
解体費そのものが100万円から300万円かかるため、補助を受けても自己負担は残ります。

解体後は住宅用地としての税の軽減が外れ、翌年から固定資産税の負担が増えます。
補助を受けられるかどうかと合わせて、解体後の税額も試算しておいてください。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov 法令検索

相談と仲介を助ける制度

お金の補助以外にも、活用を後押しする仕組みがあります。
代表的なのが空き家バンクです。

空き家バンクは、自治体が空き家の情報を集める仕組みです。
借りたい人や買いたい人へ紹介してもらえます。
登録は無料で、移住を検討している人が見に来るため、不動産会社の募集では反応がなかった物件に問い合わせが入ることもあります。

2023年12月に施行された法改正では、空家等管理活用支援法人という枠組みが新設されました。
自治体が指定したNPO法人や事業者が、所有者からの相談を受けて管理や活用の橋渡しをする仕組みです。

売買の場面では、宅地建物取引業法にもとづく報酬の特例も広がりました。
2024年7月1日から、価格が800万円以下の空き家などについて、媒介の報酬の上限が33万円まで引き上げられています。
安い物件は不動産会社が扱いにくいという事情を踏まえた見直しです。

【参考】宅地建物取引業法|e-Gov 法令検索

空き家の活用がうまくいった例とうまくいかなかった例

実際の結果を見ると、成否を分けるのは物件の魅力ではありません。
続くか行き詰まるかを決めるのは、需要と費用の釣り合いです。

うまくいっている例には共通点があります。
借り手がいる地域を先に確かめ、費用を必要な範囲に絞って始めている点です。
逆に行き詰まる例では、費用が先に決まっていて、借り手がいるかどうかの確認が後回しになっています。

以下では、よくある型を成功と失敗の両側から示します。
特定の物件や事業者の話ではなく、実務でくり返し見られる形として読んでください。

読むときの視点をひとつ挙げます。
それぞれの型で、着手までにどの確認が済んでいたかに注目してください。
成否を分けたのは判断の巧みさではなく、確認の順番だったとわかります。

うまくいった活用の例

ひとつ目は、駅や大きな職場に近い戸建てを最低限の修繕で貸した型です。
給湯器とクロス、そして雨漏りの補修に絞って120万円ほどをかけ、月8万円で入居が決まりました。
手取りで年70万円前後になり、2年ほどで改修費を回収できた計算になります。

ふたつ目は、住宅密集地の古家を解体して月極駐車場にした型です。
解体費と整備費で180万円かかったものの、周辺に月極の空きがなく、5台がすぐ埋まりました。
1台あたり月1万5,000円で年90万円の収入となり、更地にして増えた税額を引いても手元に残ります。

3つ目は、移住者の受け入れに力を入れている地域で、自治体へ貸し出した型です。
家賃の水準は市場より低いものの、募集や管理を自治体側が担うため、遠方に住む所有者でも手が離れました。

いずれも、費用を先に絞り込んでから始めている点が共通しています。

うまくいかなかった活用の例

ひとつ目は、需要を確かめずに全面改修した型です。
愛着のある実家をきれいにしたいという思いから600万円をかけて改修したものの、周辺に同条件の空き物件が並ぶ地域で、募集をかけても内見が入りませんでした。
家賃を下げても回収の見込みが立たなくなっています。

ふたつ目は、民泊を前提に設備をそろえたあとで、条例による制限を知った型です。
物件が住居専用の地域にあり、平日の営業が認められていませんでした。
年間の稼働日数が想定の半分以下となり、投じた費用に見合わない結果になっています。

3つ目は、共有名義のまま話を進めた型です。
兄弟3人の共有だった実家を貸そうとしたところ、ひとりが同意せず契約に進めませんでした。
改修の見積もりを取り、業者と日程まで詰めた段階で止まっています。

3つとも、着手の前に確認すれば避けられた行き詰まりです。

空き家の活用を始める前に確認したい4つのこと

空き家の活用を始める前に確認したい4つのこと

前の章で挙げた行き詰まりは、いずれも着手前の確認で防げます。
以下では、契約や工事に入る前に押さえておく4つの論点をまとめます。

改修費の上限、用途の規制、更地にしたあとの税負担、そして共有名義の同意の4つです。
4つに共通するのは、あとから取り返しがつきにくい点にあります。

工事を発注してから上限を考えても遅く、条例は物件の場所を動かせない以上どうにもなりません。
更地にしたあとで税額の増加に気づいても、建物は戻せないままです。
共有名義の同意も、工事が始まってから求めると話がこじれます。

いずれも、確認そのものは1日から数日で済みます。
市区町村の窓口へ電話をかけ、共有者に連絡を取り、家賃から上限を計算するだけです。
数日の手間で、あとから引き返せない失敗を避けられます。
順に確かめていきましょう。

  • 改修費の上限
  • 用途の規制
  • 更地化したあとの税負担
  • 共有名義の同意

改修費の上限を家賃から先に決める

改修の費用は、見積もりを取ってから決めるものだと考えられがちです。
しかし順番を逆にしたほうが、費用の膨らみを抑えられます。

先に決めるのは上限の金額です。
年間の手取り家賃に、許容できる回収年数を掛けます。
手取りが年60万円で回収を5年以内に収めたいなら、改修費の上限は300万円になります。

上限を決めてから見積もりを取れば、超えたときに何を削るかの判断も簡単です。
削る優先順位は、雨漏りと水回りを残し、内装の見た目や設備の追加を後回しにする形が基本です。

想定家賃が下振れする場合も見ておきます。
1割低い家賃で計算し直したときに上限が下がるので、下がった金額でも成り立つ工事内容に収めておくと安心できます。
上限は業者へ先に伝えておいてください。

用途規制と条例を着手前に確かめる

活用の方法によっては、法令や条例で始められないことがあります。
物件の場所は動かせないため、規制の確認は工事の契約より前に済ませます。

民泊にかかるのは、年間180日という日数の上限と、自治体の条例による期間や区域の制限です。
店舗や倉庫への転用では、一定規模を超えると建築基準法にもとづく用途変更の確認申請が要ります。

用途地域による制限もあります。
住居専用の地域では営業できる業種が限られ、市街化調整区域では新たな建築そのものが制限の対象です。

確認先は、市区町村の建築指導を担当する窓口です。
民泊については保健所や住宅の担当課が窓口になります。
物件の住所を伝えれば、その場所で何ができるかを教えてもらえます。

【参考】都市計画法|e-Gov 法令検索

更地にしたあとの税負担を織り込む

解体を選ぶときに見落とされやすいのが、翌年からの税額です。
建物があるかないかで、土地にかかる固定資産税の計算が変わります。

住宅が建っている土地には、住宅用地の特例が適用されます。
面積200平方メートルまでの部分は課税標準が6分の1に、200平方メートルを超える部分は3分の1に軽減される仕組みです。

建物を解体して更地にすると、住宅用地の軽減が外れます。
「更地にすると固定資産税が6倍になる」と言われるのは、6分の1の軽減がなくなることを指しています。
税率そのものは同じです。

判定の基準日は毎年1月1日です。
年内に解体すれば翌年から税額が上がり、年明けに解体すればその年の税額は据え置かれます。
解体の時期を選べるなら、この点も計画に入れておくと負担を抑えられます。

共有名義なら貸す前に同意を取る

相続した空き家は、兄弟姉妹の共有名義になっていることがよくあります。
共有名義では、ひとりの判断だけで活用を進められません。

民法が定める同意の重さは、共有物をどう扱うかによって段階的です。
人に貸すような管理にあたる行為は、共有者の持分の価格の過半数で決められます。
一方、建物を解体したり売却したりする変更にあたる行為には、共有者全員の同意が要ります。

建物の賃貸借のうち、期間が3年以内のものは管理にあたる行為です。
長期の契約を結ぶ場合は全員の同意が必要になるため、契約期間の設定にも注意が要ります。

同意が取れないまま話が止まってしまうこともあります。
残されているのが、自分の持分だけを売却するという選択肢です。
持分の買取に対応している買取業者もあるため、共有者との話し合いが進まないときは検討の余地があります。

【参考】民法|e-Gov 法令検索

空き家を放置し続けるとどうなるか

活用も売却もせず、そのまま持ち続ける選択もあります。
しかし、持ち続ける選択には目に見えにくい負担がついてきます。

負担の現れ方は3つです。
ひとつは税で、管理の行き届かない空き家は行政の指導を受け、勧告に至ると住宅用地の特例が外れます。
ふたつ目は管理の費用で、遠方の空き家では巡回や草刈りを委託する支出が毎年発生します。

3つ目は賠償の可能性です。
屋根材が飛んで隣家を傷つけたり、塀が倒れて通行人にけがをさせたりした場合、所有者が責任を問われることがあります。

こうした負担は、時間がたつほど重くなります。
空き家の状態が悪くなるにつれて、活用に必要な費用も、売却で得られる金額も、どちらも不利な方向です。

管理不全空家に指定されると税の軽減が外れる

空き家の管理をめぐる仕組みは、空家等対策の推進に関する特別措置法で定められています。
空家法は2023年12月13日に施行された改正で内容が広がりました。

改正では、管理不全空家等という区分が加わりました。
倒壊の危険が差し迫っている特定空家等に至る前の段階で、行政が助言や指導を行えるようにした枠組みです。

流れは段階を追います。
まず助言・指導があり、改善されなければ勧告に進みます。
勧告まで進めば住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担も重くなる仕組みです。

つまり、放置が長引くこと自体が税の増加につながります。
窓が割れている、草木が敷地から大きくはみ出している、といった状態が続いている空き家は、指導の対象になり得ると考えておいてください。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov 法令検索

建物の劣化と管理の負担が積み上がる

人が住まなくなった家は、住んでいる家より早く傷みます。
窓の開け閉めがなくなって換気が止まり、湿気がこもってカビや腐朽が進むためです。

水回りも傷みます。
排水口の封水が蒸発して下水の臭いが上がり、給湯器や配管は使わないまま劣化していきます。
庭のある家で多いのが、草木が伸びて隣地へ越境し、近隣からの苦情につながる例です。

傷みを防ぐには定期的な管理が要ります。
遠方に住んでいる場合、月1回の巡回と草刈りを業者へ委託すると、年間で数万円から10万円ほどの費用がかかります。

そして、傷みが進んだ空き家は借り手も買い手も見つけにくい状態です。
判断を先送りするほど、選べる道は減る一方です。
動ける時期に決めておくほうが、結果的に負担は軽くなります。

傷みが進む前に手放す選択肢も確かめたい場合は、無料査定で金額の見当をつけておくと判断が早くなります。

空き家の活用でトラブルになっているなら弁護士に相談するのがおすすめ

空き家の活用は、法律の判断が絡む場面で止まりがちです。
共有名義の同意が取れない、借主と契約条件で折り合えない、隣地との境界が曖昧なまま話が進まないといった場面です。
とくに相続した空き家では、登記が親の名義のままだったり、共有者の一人が反対していたりするだけで、貸すことも売ることもできなくなります。

ベンナビ不動産は、弁護士や司法書士と連携した買取会社に相談できる窓口です。
権利関係の整理と査定を同時に進められるため、活用と売却のどちらに進むか決めかねている段階でも相談できます。
まずは名義と現況を整理して、状況を伝えるところから始めてみてください。

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空き家の活用に関するよくある質問

Q

空き家を活用するにはいくら費用がかかりますか

A

活用方法によって幅があります。
倉庫や資材置き場として貸すならほぼ費用はかからず、戸建て賃貸なら50万円から300万円、解体して駐車場にするなら130万円から500万円ほどが目安です。
賃貸住宅への建て替えは2,000万円を超えます。
条件に合えば自治体の補助金が使え、改修費や解体費の一部を抑えられる場合があります。

Q

空き家の活用が進まない理由は何ですか

A

費用と需要の見通しが立たないまま、判断が止まってしまう例が多く見られます。
修繕にいくらかかるか分からない、貸しても借り手がつくか分からない、という2つの不確かさが重なるためです。
相続した空き家では名義が親のままだったり、共有名義で意見がまとまらなかったりする事情も動きを止めます。

Q

空き家は何年放置しても大丈夫ですか

A

何年までなら問題ないという期限は定められていません。
管理が行き届かず周囲に悪影響を及ぼす状態になると、市区町村から助言や指導を受けます。
勧告に進んだ場合は住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が重くなる扱いです。
期間ではなく状態で判断される仕組みだと考えてください。

Q

田舎の空き家でも活用できますか

A

賃貸や店舗としての需要は都市部より弱いものの、方法が無いわけではありません。
移住者向けに自治体へ貸す形、空き家バンクへの登録、資材置き場としての貸し出しなどが現実的な選択肢です。
需要が見込めない場合は、活用にこだわらず買取での売却を検討したほうが負担は小さくなります。

Q

空き家を貸すと固定資産税は安くなりますか

A

住宅として貸している間は、住宅用地の特例が適用され続けます。
貸したことで税額が下がるわけではありません。
一方、解体して更地にすると特例が外れて税額が上がるため、建物を残して貸す形が税の面では有利です。

Q

空き家の活用と売却はどちらを選ぶべきですか

A

判断の分かれ目は、投じた費用を何年で回収できるかにあります。
回収年数が10年を超えるようなら、活用より売却のほうが手元に残る金額は大きくなりやすいといえます。
まず査定額を把握し、活用にかかる費用と並べて比べてから決めてください。

まとめ|空き家の活用は3系統12通り・回収10年超なら売却と比べる

空き家の活用について、判断に必要な点を整理します。

1つ目は選択肢の全体像です。
空き家の使い道は3系統に分かれ、具体的な方法は12通りあります。
どれを選べるかは物件の条件でほぼ決まります。

2つ目は判断の基準です。
立地に需要があるか、建物が使える状態か、投じた費用を何年で回収できるかの3つを順に確かめると、活用を進めるか手放すかの答えが出ます。

3つ目は着手前の確認です。
改修費の上限と用途の規制、更地にしたあとの税負担、共有名義の同意という4つは、あとから取り返しがつきにくくなります。
工事の契約より前に済ませてください。

判断を先送りするほど、建物は傷み、選べる道は減っていきます。
まずは自分の空き家がいくらで手放せるのかを確かめてから、活用と売却を並べて比べてみてください。
ベンナビ不動産では、再建築ができない土地や共有名義の物件を含めて、空き家の無料査定と買取の相談を受け付けています。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。