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空き家査定の受け方と査定額の決まり方|査定依頼前の準備と査定書の見方
誰も住んでいない実家を持ったまま、金額がわからない状態が数年続いていませんか。
固定資産税の通知だけは毎年届き、草木の手入れと近隣への気遣いも終わりません。
売るかどうかを決めるには金額が要るのに、査定額を知る手順で足が止まっている状態です。
止まる理由の多くは、査定を1種類だと思っている点にあります。
空き家の査定で使われるのは、データだけで概算を出す方法と、現地を見て売り出し価格の基準を出す方法です。
目的が違えば、選ぶ査定も、必要な準備も変わります。
先に決めるのは金額ではありません。
どの査定から始めるか、そして何を用意して臨むかです。
2点が決まってしまえば、査定の申し込みは短時間で済みます。
本記事では、空き家の査定を3種類に分けて整理します。
査定額が何を見て決まるのかも整理しましょう。
どこに依頼できるのか、依頼前に揃える書類、査定書を受け取るまでの流れも解説します。
最後に、届いた査定書のどこを読めばよいのかを示します。

ご依頼者さまが一人ひとり、ご納得をいただけるようなかたちでの解決を目指しており、円滑なコミュニケーションで連携し、ご対応させていただきます。
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空き家の査定は机上査定・訪問査定・AI査定の3つに分かれる

査定の呼び方は3つあり、わかる金額の意味がそれぞれ違います。
相場感だけを知りたいのか、売却を進めたいのかで選び分けてください。
- 机上査定:物件のデータだけで概算額を出す
- 訪問査定:現地を見て売り出し価格の基準を出す
- AI査定:入力情報から統計的に価格を試算する
| 項目 | 机上査定 | 訪問査定 | AI査定 |
|---|---|---|---|
| 調べ方 | 所在地や図面などのデータ | 担当者が現地を確認 | 過去の取引データで自動計算 |
| 結果までの時間 | 早ければ当日 | 数日から1週間程度 | 即時 |
| 精度 | 概算 | 売り出し価格の基準になる | 相場感の確認まで |
| 向いている場面 | 会社を絞り込む段階 | 売却を進める段階 | 相談前に相場を見る段階 |
机上査定は物件情報だけで概算額を出す方法
机上査定は、不動産会社が書類上の情報だけで金額を算出する方法です。
所在地、土地と建物の面積、築年数を伝えます。
間取り図や外観の写真を添えると、会社側が類似物件の成約事例や現在の地価と照らして概算を出します。
手軽さが利点です。
机上査定はインターネット上のやり取りだけで完結し、早ければ当日中に結果が届きます。
現地へ行けない遠方の空き家でも申し込みは可能です。
一方で、わかる金額は概算にとどまります。
建物の傷み具合、残置物の量、隣地との境界といった要素は、現地を見なければ判断できない項目です。
机上査定の金額だけで売却の可否を決めず、会社を絞り込むための材料として使うほうが実務に合います。
訪問査定は現地を見て売り出し価格の基準を出す方法
訪問査定は、担当者が実際に空き家へ足を運び、建物と周辺環境を確認して金額を出す方法です。
建物の劣化や傾き、日当たり、接道の状況を見たうえで算出します。
近隣とのトラブルの有無も確認の対象です。
所要時間の目安は、現地調査が30分から2時間程度、結果が出るまでは数日から1週間程度です。
不動産会社各社の案内でも、現地調査から1週間ほどで査定書が届くとされています。
訪問査定の金額は、売り出し価格や買取価格の基準として使われます。
買取業者に依頼した場合は、提示された査定価格がそのまま買取価格になるケースが一般的です。
売却を進める段階に入ったら、訪問査定まで受けておくべきです。
AI査定は統計データから相場感を出す方法
AI査定は不動産会社の査定とは別物です。
所在地、面積、築年数といった条件を入力すると、過去の取引データや周辺相場をもとに機械的な試算額が表示されます。
登録情報を最小限にして相場だけ確認できるサービスもあり、まだ誰にも相談したくない段階では有用です。
会社への連絡が始まる前に、自分の空き家がどのくらいの水準にあるかを把握できます。
ただし、得られる金額は机上情報にもとづく試算です。
空き家の価格は劣化の進み具合や残置物、境界や接道の状況といった現地の要素で動きます。
入力できる項目にこうした要素は含まれないため、同じ地域の平均に寄った金額が表示されます。
売却を具体的に検討する段階では、AI査定の結果で判断せず、不動産会社の机上査定と訪問査定へ進んでください。
空き家の査定額は建物より土地と法令上の制限で決まる

築古の空き家では、建物の評価がほとんど残らない例が多くあります。
金額を左右するのは、土地の条件と敷地にかかる法令上の制限です。
- 立地と周辺環境
- 築年数と建物の傷み
- 法令上の制限
- 訳あり要素の有無
立地と周辺環境は土地の評価をほぼ決める
査定では、まず立地が見られます。
最寄り駅までの距離、バス便の有無、スーパーや病院といった生活施設への近さが、買いたい人の数を決めます。
買いたい人が多い地域ほど、付く金額も高めです。
土地そのものの形も評価に直結します。
間口が狭い土地や傾斜のある土地は、建てられる家の自由度が下がるため減点されます。
前面道路が細い場合も同じです。
逆に整形地で道路付けがよい土地は、建物が古くても評価が残ります。
地域の動向も評価に反映される要素です。
再開発や新駅の計画が進んでいる地域、人口が増えている地域はプラスに働きます。
空き家の状態だけで金額が決まるわけではありません。
自分の空き家がどの地域にあるかを、まず地図で確かめてください。
築年数が進むと建物の評価はほとんど残らない
建物の価値は築年数とともに下がります。
不動産会社が公表する目安では、木造戸建ての建物部分は新築から10年程度で半分近くまで評価が下がり、20年を超えると帳簿上の価値がほとんど残りません。
傷みがあれば、修繕にかかる費用も差し引きの対象です。
雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きは、買主が入居前に直す前提で見積もられます。修繕費の見込み額は、査定額から引かれるのが通常です。長く閉め切った空き家では、修繕費の差し引きが大きくなりがちです。
建物に価値が残らないと聞くと、金額が付かないと受け取られがちです。
土地として評価されるため、査定額がゼロになる例は多くありません。
建物の評価が終わっている前提で、土地にいくら付くかを見る形になります。
法令上の制限は再建築できるかどうかが大きく影響する
土地の使い方は法律で制限されています。
なかでも査定額を大きく左右するのは、建て替えができるかどうかです。
建築基準法43条1項は、建築物の敷地が道路に2メートル以上接することを求めています。
対象となる道路は、同法42条1項により原則として幅4メートル以上のものです。
接道の要件を満たさない土地は、原則として、再建築ができず、買主が大きく限られます。
建てられる建物の規模と種類を左右するのも、建蔽率、容積率、用途地域です。
同じ面積の土地でも、建てられる床面積が小さければ土地としての価値は下がります。
自分の空き家がどの制限を受けているかは、登記事項証明書だけではわかりません。
市区町村役場の都市計画の担当部署か、査定を依頼する不動産会社に確認してください。
多くの市区町村は都市計画の情報を地図で公開しており、住所から用途地域を調べられます。
訳あり要素があると減額の幅も大きくなる
事故物件や再建築不可といった事情があると、減額の幅は数割単位になります。
不動産会社や宅地建物取引士が公表する目安では、要素ごとの影響は次のとおりです。
| 訳あり要素 | 査定額への影響の目安 |
|---|---|
| 事故物件 | 1割から5割程度の減額傾向 |
| 再建築不可物件 | 3割から5割程度の減額傾向 |
| 共有持分だけの売却 | 全体の市場価格×持分割合×2分の1から3分の1が目安 |
| 底地(借地権が付いた土地) | 更地価格の1割から5割程度 |
減額の幅は会社によって差が出ます。
訳あり物件を扱った実績がない会社は、リスクを大きく見積もって低い金額を出すか、そもそも査定を断ります。
訳あり物件の扱いに慣れた会社が出す金額は、同じ空き家でも違う水準になりがちです。
残置物が大量に残っている、隣地との境界が確定していないといった事情も、片づけや測量の費用を見込んで差し引かれます。
金額の内訳を聞けば、どの事情でいくら引かれたのかを確認できます。
契約の直前になって金額が下がる展開を避けたいなら、事前の申告が有効です。
査定額は取引事例比較法と原価法で計算されている
査定額は担当者の感覚で決まるわけではありません。
土地は取引事例比較法、建物は原価法という計算方法が使われるのが基本です。
空き家の一戸建てでは、土地と建物を別々に計算し、合算して査定額を出します。
土地はいくら、建物はいくらという内訳がわかると、査定書の金額に納得できるかどうかを自分で判断できます。
内訳が示されていない査定書を受け取ったときは、その場で分けて出すよう頼んでください。
| 計算方法 | 主な対象 | 何を基準にするか |
|---|---|---|
| 取引事例比較法 | 土地 | 近隣で成約した似た条件の物件の価格 |
| 原価法 | 建物 | 同じ建物を建て直す費用から目減り分を引いた額 |
計算方法を知っておくと、査定書の説明を受けたときに質問ができます。
「どの成約事例を基準にしたのか」「建物の価値の目減りをどう見たのか」という質問が、根拠を確かめる入口です。
答えられる会社かどうかが、依頼先を選ぶ判断材料になります。
取引事例比較法は近隣の成約事例から逆算する
取引事例比較法は条件の近い物件が実際にいくらで売れたかを基準にする方法です。
まず近隣で成約した似た条件の物件を集め、成約価格を出発点にします。
売り出し中の価格ではなく、成約した価格を使う点が要点です。
次の工程は、集めた事例と自分の空き家との差の調整です。
駅までの距離や土地の面積、形状は物件ごとに違います。
前面道路の幅も含め、自分の空き家との差を加点と減点で反映させた結果が、土地の評価額になります。
事例が少ない地域では、取引事例比較法の精度が落ちる点が弱点です。
似た物件の成約が数年に1件しかない地域では、会社によって選ぶ事例が変わるため、金額が割れやすくなります。
地方の空き家で査定額の差が開くのは、参照できる事例の少なさが影響しています。
差が出たときは、どの事例を使ったのかを両社に聞き比べてください。
原価法は建て直した場合の費用から目減り分を引く
原価法は同じ建物を今あらためて建てた場合にいくらかかるかを起点にする方法です。
起点となる金額を再調達原価と呼びます。
土地ではなく建物の評価に使う計算方法です。
再調達原価から、築年数の経過と傷みに応じた目減り分を差し引いた額が、建物の評価額になります。
目減りの進み方は構造によって変わり、木造は鉄筋コンクリート造より早めです。
同じ築年数でも、構造が違えば残る評価額は同じになりません。
築古の空き家では引かれる額が大きく、建物の評価がほぼ残らない結果になります。
査定書で建物の欄が0円に近い数字になっていても、計算の仕組み上は自然な結果です。
金額を上げる交渉をするなら、建物ではなく土地の評価額に目を向けてください。
空き家の査定を依頼できる窓口は3つある
査定を出せる先は3つあり、提示される金額の意味がそれぞれ違います。
無料で受けられるのは不動産会社の査定で、不動産鑑定士による鑑定評価は有料です。
- 仲介会社:買主を探して売る前提の金額
- 買取業者:業者自身が買い取る金額
- 不動産鑑定士:遺産分割などで使う法律に基づく評価
仲介会社の査定額は売り出し価格の目安
仲介会社の査定額は、買主を探して売る前提で計算された金額です。
売り出し価格を決めるための目安であり、提示額で買主が見つかることを約束するものではありません。
報酬は成功報酬の仲介手数料です。
上限は宅地建物取引業法46条にもとづく国土交通大臣の告示で定められています。
売買価格が800万円以下の低廉な空家等については、事前の合意を条件に33万円(税込)が上限です。
800万円を超える場合は、売買価格の3%に6万円を加えた額と消費税が上限になります。買主が見つかるまでの期間が読めない点は、仲介の弱みです。
不動産会社各社が公表する目安では、空き家の売却は半年、長いと1年以上かかる場合もあります。
時間に余裕があるかどうかが、仲介を選べるかの分かれ目になります。
買取業者の査定額はそのまま買取価格になる
買取業者の査定額は、業者自身が買い取る金額です。
買主を探す工程がないため、話がまとまれば数日から1ヵ月程度で引き渡しまで進みます。
仲介手数料も原則として発生しません。
金額の水準は仲介より低めです。
買取価格に公的な統計はありません。
買取業者各社が公表する目安では、市場価格の50〜80%程度、あるいは相場より2〜3割低い水準とされています。
会社によって前提が違うため、幅のある数字として受け止めてください。
再建築不可、残置物が大量にある、遠方で管理できないといった空き家は、仲介では買主が付きにくい物件です。
売れない期間が延びるくらいなら、買取の金額を見てから決める順序が現実的です。
仲介で買主が付きにくい空き家は、買取の金額を先に確かめておくと判断が早くなります。
ベンナビ不動産売却では、訳あり不動産を扱う会社へ無料で買取の査定をまとめて依頼できます。
不動産鑑定士の鑑定評価は有料の法律に基づく鑑定評価
不動産鑑定士による鑑定評価は、不動産の鑑定評価に関する法律にもとづく業務です。
売却先を探すためではなく、遺産分割や裁判で公正な価値を示す必要があるときに使います。
不動産会社の査定とは、金額の使い道が違います。
鑑定評価は有料です。
公表されている目安では、相談が30分あたり5,000円程度、鑑定書の作成は数十万円程度です。
相続人の間で評価額に争いがある場面では、鑑定費用を払う意味があります。ただし、調停や審判に進んだ場合は、裁判所が選任する鑑定人による鑑定が別途行われることがあります。
売却先を探すことが目的なら、無料の査定で十分です。
まず不動産会社の査定を受け、金額に争いが生じたときに鑑定を検討する順序で問題ありません。
相続人の間で分け方を決める場面でも、無料査定で相場の幅をつかんでから鑑定の要否を判断できます。
値が付きにくい空き家こそ無料査定で今の金額を確かめる
築年数が古い、遠方にある、残置物が残っているといった空き家は、通常の仲介では買主が限られます。
再建築ができない土地も同じです。
問い合わせが来ないまま数ヵ月が過ぎ、その間も固定資産税と管理の手間は続きます。
ベンナビ不動産売却が扱うのは、まさにこうした通常の仲介では買主が見つかりにくい不動産です。
傷みが進んだ実家、相続人が複数いて話がまとまらない不動産、共有持分が絡む物件についても、無料査定と買取相談を受け付けています。
査定額は物件の状態と地域の相場によって変わるため、金額は査定を受けてから確認してください。
売れるかどうかの判断は、金額を見たあとで構いません。
まずは今いくらなのかを確かめるところから始めてみてください。
空き家の査定を受ける前に準備する5つのこと
準備が足りないと、査定額が下振れしたり、契約の直前で手続きが止まったりします。
名義と書類の確認が先で、リフォームや解体は査定を受けたあとの判断で足ります。
- 名義が親のままになっていないか確認する
- 査定に使う書類を揃える
- 建物の不具合と改修の履歴を書き出す
- 見える範囲の片づけと通電・通水を確認する
- リフォームと解体は先にしない
名義が亡くなった親のままになっていないか確認する
査定そのものは、名義が亡くなった親のままでも受けられます。
ただし売買契約を結ぶには、相続登記を済ませて名義を相続人に移しておくことが前提です。
相続登記には期限があります。
不動産登記法76条の2が相続人に義務づけているのは、取得を知った日から3年以内の登記申請です。
正当な理由がなく怠った場合は、同法164条1項により10万円以下の過料の対象になります。
2024年4月1日より前に相続した不動産も対象です。
登記の手続きは司法書士に依頼できます。
査定と並行して進めるのが、買主が見つかってから登記で待たされる展開を避ける進め方です。
相続人が複数いる場合は、誰の名義にするかを先に決めておくと手続きが止まりません。
査定に使う書類を揃える
査定に必要な書類は多くありません。
基本は登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、図面の3点です。
3点が揃えば、訪問査定まで進められます。
| 書類 | 入手先 | わかること |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 法務局 | 名義人、面積、抵当権の有無 |
| 固定資産税の納税通知書・課税明細書 | 市区町村から毎年5月ごろ届く | 評価額、地番・家屋番号 |
| 建物図面・地積測量図 | 法務局または手元の資料 | 間取り、土地の形 |
| 登記識別情報(権利証) | 手元 | 所有権の証明 |
| 建築確認済証・検査済証 | 手元 | 建築時に適法だったか |
机上査定の段階では、所在地と面積がわかれば受け付けてもらえます。
書類は訪問査定までに揃えれば間に合うため、探すことを理由に申し込みを先延ばしにしないでください。
書類が見当たらないことは珍しくありません。
見当たらない書類があっても、査定そのものは可能です。
登記事項証明書は法務局で誰でも取得でき、郵送やオンラインでも請求できます。
固定資産税の課税明細書が手元にない場合の代わりが、市区町村で取得できる評価証明書です。
測量図がない場合の進め方は、不動産会社が案内します。
建物の不具合と改修の履歴を書き出す
査定の前に、知っている不具合を紙に書き出してください。
対象になるのは雨漏りやシロアリ被害、建物の傾き、水回りの故障です。
増改築やリフォームの履歴も書き添えましょう。
いつ気づいたのかの記録も、担当者が状態を判断する手がかりです。
隠して売ると責任が残ります。
知っている不具合を伝えないまま売却し、引き渡し後に発覚した場合、買主から追完請求や代金減額請求を受ける可能性があります。
さらに重いのが、損害賠償請求や契約の解除を求められるケースです。
民法562条から564条までが定める契約不適合責任にあたります。
先に伝えるほうが結果は安定的です。
不具合を織り込んだ現実的な金額が出るため、契約後の値引き交渉や契約解除の不安を抱えずに済みます。
見える範囲の片づけと通電・通水を確認する
清掃は、できる範囲で構いません。
不動産会社は建物を見慣れているため、多少の汚れで金額が大きく動くことはまれです。
有料のハウスクリーニングは不要です。
ただし長く閉め切った家は、少しの汚れでも劣化が進んで見えます。
窓を開けて風を通し、玄関から各部屋への通路を確保しておくだけで、担当者が床のきしみや水漏れの跡を確認しやすくなります。
水道と電気が止まっている場合は、停止していることを先に伝えてください。
通水や通電ができないと確認できない箇所があり、当日になって調査が滞ります。
近隣に鍵を預けている、庭木が越境しているといった事情も、あわせて共有しておくと話が早く進みます。
リフォームと解体は査定を受けてから判断する
査定の前にリフォームを入れると、費用を回収できない例があります。
買主が自分の好みに合わせて改装したいと考えている場合、直した部分がそのまま価格に乗るとは限りません。
解体も同じです。
更地にすると買い手が広がる場合はありますが、解体費用は売主の負担になります。
加えて住宅が無くなると、地方税法349条の3の2が定める住宅用地の課税標準の特例から外れ、翌年度から土地の固定資産税が上がります。
どちらも査定額と地域の需要を見てから決める順序が安全です。
査定の段階で「解体せずに売る場合」と「解体して売る場合」の両方を聞けば、費用を先に出さずに比較できます。
買取であれば、傷んだままの状態で引き渡せる場合もあります。
査定を依頼してから査定書を受け取るまでの流れ

申し込みから査定書の受け取りまでは、早ければ1週間から2週間程度です。
机上査定で会社を絞り、訪問査定で金額を確定させる順序で進みます。
- ①査定を申し込んで物件情報を伝える
- ②机上査定の結果で依頼先を絞る
- ③訪問査定の日程と立ち会いを調整する
- ④現地調査を受けて査定書を受け取る
①査定を申し込んで物件情報を伝える
申し込みは電話かインターネットの入力フォームから進めます。
伝える内容は所在地、土地と建物の面積、築年数、現在の状態の4点が基本です。
面積は固定資産税の課税明細書を見ればわかり、手元になければ登記事項証明書でも確認できます。
現在の状態は具体的に伝えてください。
空き家になってからの年数と残置物の有無、電気と水道の状況を伝えます。
机上査定の精度を左右するのは、直近で人が入った時期の情報です。
複数の会社へ出す場合は、同じ情報を同じ内容で伝えてください。
伝えた条件が会社ごとに違うと、返ってきた金額を並べても比較になりません。
メモを1枚作り、同じ文面を使い回す方法が確実です。
折り返しの連絡が取りやすい時間帯も、あわせて伝えておくと進みが早くなります。
②机上査定の結果で依頼先を絞る
机上査定の結果は、早ければ当日、遅くとも数日で届きます。
机上査定の段階では、金額の高さではなく、回答の速さと説明の丁寧さを見てください。
連絡が遅い会社は、売り出し後の対応も遅れがちです。
問い合わせへの返答が早いかどうかは、依頼先を絞る前にしか見えません。
最低でも2社から3社に依頼して比較すると安心です。
1社だけでは、提示された金額が高いのか低いのかを判断する基準がありません。
届いた金額はあくまで概算です。
高い順に並べて依頼先を決めると、訪問査定で大きく下がったときに選び直す手間がかかります。
金額の根拠を説明できる会社を残す形で絞ってください。
空き家の取り扱い実績を聞いておくと、訪問査定に進む会社を決めやすくなります。
③訪問査定の日程と立ち会いを調整する
訪問査定は、原則として売主の立ち会いが求められます。
遠方に住んでいて現地へ行けない場合でも、訪問査定は可能です。
代わりの進め方が用意されています。
委任状があれば、親族や専門家への代理依頼も選択肢です。
当事者同士の同意があれば、不動産会社に鍵を渡して立ち会いなしで実施できるケースもあります。
まず事情を伝えて相談してください。
訪問査定は3社以上の結果をもらうと比較しやすくなります。
日程は近い日にまとめると、物件の状態が同じ条件で見られ、金額の差が比べやすくなります。
遠方から向かう場合は、1日で3社を回る日程が現実的です。
④現地調査を受けて査定書を受け取る
現地調査で見られるのは、建物の劣化や傾き、接道の状況、境界です。
周辺環境や近隣とのトラブルの有無も、担当者が確認します。
所要時間は30分から2時間程度で、早ければ30分ほどで終わります。
調査の場では、事前に書き出した不具合と改修の履歴を渡してください。
担当者が見落とした箇所を補えるため、後から金額が動く事態を減らせます。
調査が終わったその場で概算を伝える担当者もいますが、正式な結果は後日届く査定書です。
結果は数日から1週間程度で査定書として届きます。
届いたら金額だけを並べるのではなく、根拠の説明を横に並べて比べてください。
査定書が届いた時点で、依頼先を決める材料は出そろった状態です。
金額に納得できなければ、査定書を受け取った時点で断っても問題ありません。
査定書は金額ではなく根拠から読む
査定書で最初に目が行くのは金額です。
ただし選ぶ基準にすべきなのは、提示額に至った理由を説明できるかどうかです。
- 査定額は売れる金額の保証ではない
- 他社より大きく高い査定額は根拠を確かめる
- 手元に残る額は査定額から費用を引いて考える
査定額は売れる金額の保証ではない
査定額は予想される売却価格の目安です。
査定額どおりに売れるわけではありません。
売り出してから買主が決まるまでのあいだに、価格は動きます。
実際の成約価格を決めるのは、買主との交渉と市場の動きです。
査定額より高く売れることも、下回ることもあります。
売り出してから問い合わせが少なければ価格を下げますし、複数の希望者が競合すれば査定額を上回る例もあります。
早く手放したい事情がある場合は、相場より低い価格での売り出しが選択肢です。
反対に、時間をかけられるなら査定額より高く売り出して様子を見る進め方もできます。
査定額は交渉の出発点であり、着地点ではないと理解して読んでください。
他社より大きく高い査定額は根拠を確かめる
査定額が1社だけ突出して高い場合は、金額の根拠を確認してください。
媒介契約を取るために根拠のない高い金額を提示する会社も存在します。
確認する質問は2つで足ります。
どの成約事例を基準にしたのか、その価格で売れなかった場合にどう進めるのかです。
前者に具体的な事例が出てこない、後者に値下げ以外の答えがない場合は、金額の裏付けが弱いと判断できます。
根拠を説明できない会社に預けると、売り出し後に値下げを繰り返す展開になりやすくなります。
値下げを重ねた物件は、買主から売れ残りと見られて交渉でも不利になりがちです。
空き家は売却期間が長引きやすいため、最初の価格設定の精度がそのまま結果に響きます。
手元に残る額は査定額から費用を引いて考える
手元に残るのは査定額そのものではありません。
仲介で売る場合に発生するのが、成約時の仲介手数料です。
上限は宅地建物取引業法にもとづいて定められており、成約価格が決まれば計算できます。
登記の費用もかかります。
住宅ローンの抵当権が残っていれば抹消の登記費用が必要になり、相続登記が済んでいなければ登記の費用も上乗せです。
残置物の処分費や測量費が必要になる場合もあります。
売却によって利益が出た場合は、譲渡所得として所得税と住民税がかかります。
税額の計算と特例の適用可否は、税理士か所轄の税務署に確認してください。
査定額から費用と税金を引いた額が、実際に手元に残る金額です。
査定の段階で概算を出してもらえば、売却後の資金計画を立てられます。
査定額から費用を引いた手取りの概算は、買取であれば提示の段階で確認が可能です。
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空き家の査定に関するよくある質問
- 査定にかかる費用
- 査定後に断れるかどうか
- 遠方の空き家への対応
- 名義が親のままの場合
- 査定額が付かない場合
空き家の査定は無料ですか?
不動産会社の査定は無料が原則です。査定は売却の仲介の受託や買取に向けた営業活動に含まれます。有料になるのは、不動産鑑定士による鑑定評価です。
査定を受けたら売らなければなりませんか?
査定を受けただけでは、売却の義務は生じません。
手続きが進むのは、仲介の媒介契約や売買契約を結んだ段階からです。
提示された金額を見てから、売却を見送る判断もできます。
遠方の空き家でも立ち会いなしで査定できますか?
机上査定は現地へ行かずに受けられます。
訪問査定も、委任状による代理や、同意のうえで鍵を預けて実施できる場合があります。
空き家が遠方にある事情を、申し込みの時点で伝えて相談してください。
名義が亡くなった親のままでも査定を受けられますか?
査定自体は受けられます。
売買契約を結ぶ段階では相続登記が必要です。
相続登記は、不動産登記法76条の2により取得を知った日から3年以内の申請が義務づけられているため、査定と並行して進めてください。
査定額が付かない空き家もありますか?
建物の評価が残らない場合でも、土地として金額が出る例が多くあります。
仲介では買主が付きにくい物件も、訳あり物件を扱う買取業者であれば金額が提示される場合があります。
査定を受けずに判断しないでください。
まとめ|空き家査定は準備と根拠の確認で結果が変わる
空き家の査定は、机上査定、訪問査定、AI査定の3つに分かれます。
相場感を知りたい段階では机上査定かAI査定、売却を進める段階では訪問査定を選びます。
査定額を決めるのは、築古の空き家では建物ではなく土地の条件と法令上の制限です。
事故物件や再建築不可といった訳あり要素があると、減額の幅は数割単位になります。
依頼の前に整えるのは名義の確認、書類3点、不具合の書き出し、見える範囲の片づけの4つです。
リフォームと解体は査定を受けてから判断してください。
届いた査定書は、金額の高さではなく根拠の説明で比べます。
準備と根拠の確認だけで、同じ空き家でも結果は変わります。
傷みが進んだ実家や、共有持分が絡んで話がまとまらない不動産は、通常の仲介では買主が限られる物件です。
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