空き家

空き家を売却する5つのメリット|持ち続ける場合の費用と負担を比べて解説

空き家を売却する5つのメリット|持ち続ける場合の費用と負担を比べて解説

親から相続した実家が空き家のまま数年たっている、という方は少なくありません。
売ったほうがよいとは思いつつ、何がどう良くなるのかがはっきりせず、手をつけられないままになりがちです。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)によると、全国の空き家は900万戸で、空き家率は13.8%です。
そのうち賃貸用と売却用と別荘を除いた空き家は385万戸あります。

【参考】令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果|総務省統計局

空き家を売る利点は、手元にお金が入ることだけではありません。
毎年出ていく税金と管理の費用、そして所有者として負い続ける責任が止まるのが、引き渡しの日です。

本記事では、売却で得られる5つの利点と、持ち続けた場合に毎年かかる費用を整理しました。
先に知っておきたい注意点や、売る・貸す・持ち続けるの比べ方まで解説します。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

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空き家を売却する5つのメリット

空き家を売却する5つのメリット

空き家を売却すると、次の5つが同時に手から離れます。

  • 固定資産税と維持管理費の支払い
  • 建物の劣化による資産価値の目減り
  • 倒壊や落下物で損害賠償を負う立場
  • 行政から指導や勧告を受ける立場
  • 相続人同士で管理を押し付け合う状態

いずれも、持ち続けるかぎり発生し続けるものです。
金額に換算できるものと、責任として残るものの2種類に分かれます。

固定資産税と維持管理費の支払いが止まる

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課されます。
住んでいなくても、使っていなくても、所有している間は毎年納める必要があります。
市街化区域にある土地や建物であれば、都市計画税もあわせて課税の対象です。

税金以外にも出ていくお金があります。
火災保険と地震保険の保険料、電気と水道を止めていない場合の基本料金、庭木や雑草の手入れにかかる費用です。
遠方に実家がある場合は、様子を見に行くたびに交通費と時間もかかります。

売却して引き渡しが済めば、税金も保険料も管理の費用も翌年以降はかかりません。
固定資産税についても、引き渡し後の分は買主が負担する取り決めをするのが一般的です。
年間で数万円から十数万円が出ていく状態を、売却した年で止められます。

建物の劣化による資産価値の目減りを止められる

人が住まなくなった家は、住んでいる家より傷みが早く進みます。
窓を閉め切ったままの空き家では、室内に湿気がこもって畳や壁が傷みがちです。
雨漏りに気づくのが遅れると、柱や梁まで水が回りかねません。

木造の戸建ては、築年数が進むほど建物部分の評価が下がります。
不動産会社が査定するときも、建物の状態は現地での確認対象です。
雨漏りやシロアリの跡があれば、修繕にかかる費用を見込んで差し引いた金額が提示されます。

木造住宅の法定耐用年数は22年で、22年を過ぎた建物の評価はほぼゼロという扱いです。
売却の時期を先送りするほど、同じ家でも受け取れる金額は減っていきます。
建物として売れるうちに動けば、解体費用をかけずに手放せます。

倒壊や落下物で損害賠償を負うおそれがなくなる

建物や塀の管理に不備があり、他人に損害を与えた場合、所有者は損害賠償の責任を負います。
民法717条は、土地の工作物の設置または保存の欠陥によって他人に損害が生じたとき、まず占有者が責任を負うと定めています。
占有者が必要な注意をしていたときに責任を負うのは、所有者です。

空き家では所有者が占有者を兼ねることが多く、責任は所有者に向かいます。
台風で瓦や外壁が飛んで隣家の車を壊した場合や、ブロック塀が倒れて通行人がけがをした場合が典型です。
保険で備える方法もありますが、人が住んでいない建物は加入できる商品が限られます。

売却して所有権が移れば、引き渡し以降に起きた事故の責任からは離れられます。
管理が行き届かない状態を続けるほど、所有者としての負担は重いままです。

【参考】民法|e-Gov 法令検索

特定空家等や管理不全空家等に指定される立場から外れる

管理が行き届かない空き家は、市町村長から指導や勧告を受ける対象になります。
空家等対策の推進に関する特別措置法13条1項には、管理不全空家等の定義があります。
そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態の空き家が対象です。
市町村長は、改善の指導をおこなえます。

すでに危険がある空き家については、同法22条が助言・指導から勧告、命令、行政代執行までの手順を定めています。
段階が進むほど、所有者に求められる対応は重い内容です。
行政から連絡が来てから動くと、選べる手段は減ります。

売却して所有者でなくなれば、指導や勧告の相手は次の所有者です。
空き家のまま置いておく期間が長いほど、行政の手続きに乗る可能性は上がります。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov 法令検索

相続人同士で管理を押し付け合う状態を解消できる

相続した実家を共有名義のままにしていると、管理の負担で不満がたまりやすくなります。
誰が草刈りに行くのか、固定資産税を誰が立て替えるのかで話がまとまらないまま、年数だけが過ぎていきます。

売却して現金にすれば、持分の割合に応じて分けることが可能です。
家のままでは分けにくかったものが、金額になれば分割の話はまとまりやすくなります。
管理の当番を決める手間も不要です。

ただし、共有名義の家を丸ごと売るには、共有者全員の同意が要ります。
1人でも反対していれば、全体の売却はできません。
同意が得られない場合の手段は、共有物分割請求という手続きで裁判所に判断を求める方法です。
ただし時間と費用がかかるため、話し合いでまとまるうちに決めるほうが負担は軽くなります。

空き家を持ち続けた場合に毎年かかる費用

空き家の保有には、税金と維持管理の両方がかかります。
使っていない分だけ、支出が一方的に出ていく状態になります。
主な費用は次のとおりです。

費用項目発生頻度内容
固定資産税年1回毎年1月1日時点の所有者に課される
都市計画税年1回市街化区域にある土地と建物が対象になる
火災保険・地震保険契約期間ごと空き家は契約の条件や保険料が変わることがある
電気・水道の基本料金毎月契約を残している場合に発生する
管理委託料毎月巡回や通風を業者に任せる場合にかかる
往復の交通費訪問のたび遠方の実家では移動の時間も要する

金額の目安は、物件の評価額や地域によって変わります。

固定資産税と都市計画税

固定資産税は、課税標準額に税率をかけて計算します。
住宅が建っている土地には住宅用地特例があり、課税標準が抑えられます。
地方税法349条の3の2が定める課税標準は、住宅用地で価格の3分の1、面積が200平方メートル以下の小規模住宅用地で6分の1です。

建物を取り壊して更地にすると、住宅用地ではなくなるため軽減の対象から外れます。
売却の見通しが立たないまま解体を先に決めてしまうと、増えるのは税負担だけです。

市街化区域にある土地と建物には、都市計画税もあわせて課されます。
税率は自治体が条例で定めるものです。
軽減が適用されているかどうかは、毎年春に自治体から届く納税通知書の課税明細で確認できます。

【参考】地方税法|e-Gov 法令検索

税金以外にかかる維持管理の費用

保険料と管理の実費は、建物を使っていなくても続けてかかります。
火災保険では、人が住んでいない建物は住宅物件として扱われないことがあり、契約の条件や保険料が変わる場合があります。
契約を更新するときは、空き家であると保険会社に伝えてください。

管理を業者に任せる場合は、月ごとの委託料がかかります。
巡回して換気し、郵便物を確認し、庭木の状態を見る内容が一般的です。
委託する範囲や訪問の頻度によって、金額は変わります。

自分で通う場合は、往復の交通費が訪問のたびに発生します。
片道2時間の距離であれば、1回の訪問で半日以上を使う計算です。
支出の合計を1年単位で出しておくと、売却によって止められる金額がはっきりします。

勧告を受けると固定資産税の軽減が外れる

勧告を受けると固定資産税の軽減が外れる

空き家を放置し続けると、税の負担そのものが変わります。
地方税法349条の3の2は、勧告を受けた管理不全空家等と特定空家等の敷地を、住宅用地の定義から明示的に除いています。
分岐点になるのは勧告です。

管理不全空家等と特定空家等の違い

2つの区分は、傷み具合の段階で分かれます。
管理不全空家等は、適切な管理がされていないことで、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態の空き家です。
特定空家等は、倒壊のおそれや衛生上の問題がすでに生じている空き家を指します。

区分建物の状態根拠条文市町村長の措置
管理不全空家等特定空家等になるおそれがある空家法13条指導・勧告
特定空家等倒壊のおそれや衛生上の問題がある空家法22条助言・指導・勧告・命令・代執行

空家等対策の推進に関する特別措置法13条1項は管理不全空家等への指導を、同法22条は特定空家等への措置を定めています。
22条が規定する手順は、助言・指導から勧告、命令、行政代執行へと進む流れです。

どちらの区分でも、勧告を受けた時点で住宅用地特例の対象から外れます。
6分の1に抑えられていた小規模住宅用地の課税標準は、本来の価格を基準とした額に戻る扱いです。
助言や指導の段階では軽減は外れないため、指導を受けた時点で対応を決めれば負担の増加は避けられます。

命令や代執行に進むと費用は所有者の負担になる

勧告に従わなかった場合、次は命令に進みます。
空家等対策の推進に関する特別措置法22条3項の規定は次のとおりです。
勧告を受けた者が正当な理由なく措置をとらないとき、市町村長は期限を定めて措置を命じることができます。

命令にも従わない場合、次の段階は行政代執行です。
同条9項から11項は、市町村長が自ら措置をおこなうか、第三者にさせることができると定めています。
要した費用の請求先は所有者です。

建物が解体されたうえに、解体費用の請求だけが残る形になります。
土地は住宅用地ではなくなっているため、固定資産税の軽減もありません。
勧告や命令の段階までは、売却や解体を自分で選べる状態です。
行政が動いてから対応すると、費用も時期も自分で決められなくなります。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov 法令検索

相続した空き家は3年以内の売却で特別控除を使える

相続した空き家には、期限つきの控除があります。
被相続人の居住用財産を売ったときの特別控除といい、要件を満たせば譲渡所得から3,000万円を差し引けます。
令和6年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上いる場合の控除額は2,000万円です。

特別控除の主な要件

国税庁のタックスアンサーNo.3306によると、適用の対象は平成28年4月1日から令和9年12月31日までの譲渡です。

主な要件は3つあります。
1つ目は、売る家の建築時期が昭和56年5月31日以前という点です。
2つ目は、譲渡の対価が1億円以下という条件です。
3つ目に、売るときに一定の耐震基準を満たしているか、家屋を取り壊している必要があります。

耐震改修や取壊しは、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの完了でも有効です。
令和6年1月1日以後の譲渡では、買主が工事をおこなう場合も対象になります。

前提として欠かせないのは、相続の開始の直前に被相続人が住んでいた家屋である点です。
要件の一つでも外れると控除は使えないため、売却の話を進める前に税理士または所轄の税務署に確認しておいてください。

【参考】No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

期限を過ぎると控除は使えない

売却の期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。
期限を過ぎると控除は使えず、譲渡益が出た場合の税負担がそのまま手取りから引かれます。
3,000万円の控除が使えるかどうかで、手元に残る金額は大きく変わります。

期限までに片づける作業は、思ったより多いです。
名義が被相続人のままであれば、先に相続登記を済ませる必要があります。
戸籍をさかのぼって集める手間がかかり、1ヵ月以上かかることもあります。

売却活動にも数ヵ月の期間を見込むのが前提です。
相続から2年以上が過ぎている場合は、買主を待つ余裕が残っているかを先に見積もってください。
期限が迫っているなら、引き渡しまでの期間が読める売り方を選んでください。
控除を使う場合は、税額がゼロになるときでも確定申告が要ります。

空き家をいくらで売れるか分からないときは無料査定で確かめる

売る・貸す・持ち続けるを比べるには、今売った場合の金額が要ります。
年間の保有費用が10万円だとして、売却額が800万円なのか80万円なのかで、選ぶべき道はまったく変わります。
金額が分からないまま考え続けても、結論は出ないままです。

査定を受けたからといって、売却が決まるわけではありません。
判断の材料として今の金額を知るために使えます。

ベンナビ不動産売却が扱うのは、通常の仲介では買主が見つかりにくい物件です。

老朽化した空き家、共有持分のある不動産、残置物が残ったままの実家が対象になります。

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傷みが進んだ実家や、相続人が複数いて話がまとまらない不動産についても相談できます。
査定額は物件の状態や地域の相場によって変わるため、金額は査定を受けてから確認してください。
まずは今の金額を確かめるところから始めてみてください。

空き家を売却するときの4つの注意点

空き家を売却するときの4つの注意点

売却には、先に知っておきたい点もあります。

  • 想定より安い金額になることがある
  • 売却が終わるまでに時間がかかる
  • 譲渡益が出ると税金がかかる
  • 実家を手放すことへの抵抗が残る

デメリットとして挙げられる論点は、おおむね4つに集約できます。
いずれも売る前に把握しておけば、手を打つ余地は十分です。

想定より安い金額になることがある

築年数が古い戸建てや、需要の少ない地域にある家は、購入したときの価格を大きく下回ります。
建物部分の評価は年数とともに下がり、地方や郊外では土地の需要も限定的です。

築20年を超えた戸建てでは、購入時に3,000万円だった家でも売却価格が3割以上下がることがあります。
実家には思い入れがあるぶん、金額を高く見積もりがちになる点にも注意が要ります。

対処として有効なのは、複数の会社に査定を依頼して金額を比べる方法です。
金額そのものより、査定額の根拠を説明できるかどうかを見てください。
査定額に幅があるときは、高い金額をそのまま受け取らず、実際に売れる見込みのある価格帯を確認してください。
根拠を示せる会社であれば、売り出し価格の相談もしやすくなります。

売却が終わるまでに時間がかかる

仲介では、買主が現れて初めて契約に進みます。
売り出してから何ヵ月で決まるかは、あらかじめ読めない点です。
買主が現れるかどうかは、物件の状態だけでなく、地域の住宅需要にも左右されます。

不動産会社各社が公表する目安では、仲介での売却期間は売却を始めてから3ヵ月前後が標準とされています。
需要の少ない地域や競合する物件が多い地域では、半年から1年以上かかることも珍しくないとのことです。

待っている間も、固定資産税と管理の費用は出ていきます。
媒介契約の期間は3ヵ月が一般的で、期間が切れるときが、価格や売り方を見直す機会です。
特別控除の期限が近いときは、買主を待たずに現金化できる買取もあわせて検討したほうが安全です。

期限が迫っていて買主を待てない場合は、買取の金額を先に確かめておくと判断が早くなります。
ベンナビ不動産売却では、老朽化した家や残置物が残ったままの家も無料で査定を受け付けています。

譲渡益が出ると税金がかかる

売却によって利益が出た場合、譲渡所得として課税されます。
譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
相続した家で、被相続人が買ったときの契約書が残っていれば、記載された購入額が取得費です。

取得費がわかる資料が残っていない場合は、国税庁の取り扱いにより、売った金額の5%を取得費にできます。
特別控除を使って税額がゼロになる場合でも、確定申告をしなければ控除は適用されません。

税率や具体的な税額を左右するのは、所有していた期間や適用する特例です。
手取りの見込みを立てる段階で税理士または所轄の税務署に確認しておくと、売却後の資金計画を立てやすくなります。
申告の時期は、売却した翌年の申告期間です。

実家を手放すことへの抵抗が残る

思い出のある家を手放すことに抵抗を感じる方は多くいます。
先祖代々の土地であればなおさらです。
金額だけで割り切れる話ではありません。

整理の第一歩は、将来その家を使う予定があるかどうかを家族で確認することです。
自分か子どもが住む予定があるなら、維持する理由になります。
予定がないのであれば、維持にかかる費用と管理の手間を負い続ける理由が残るかを考えてください。

家財のうち残したいものを先に運び出しておくと、気持ちの整理はつきやすくなります。
仏壇や位牌の扱いも、売却の前に親族で決めておきましょう。
判断を先送りにしている間も建物は傷み、費用は出ていきます。
いつまでに決めるかだけは先に決めておくと、迷う期間が長引きません。

売る・貸す・持ち続けるの3択を比べる

空き家の出口は売却だけではありません。
貸す方法と、そのまま持ち続ける方法も選択肢です。
3つを並べると次のようになります。

比べる軸売る貸す持ち続ける
手元に入るお金売却代金が一度に入る家賃が毎月入る入らない
かかる費用仲介手数料や登記の費用修繕費と管理費税金と維持管理費
手間引き渡しで終わる入居者の対応が続く巡回と手入れが続く
主な負担所有権を手放す空室と家賃の滞納建物の傷みと行政の指導

分かれ目になるのは、物件がある地域に賃貸の需要があるかどうかです。
需要があるなら貸す選択肢が現実的になり、需要が読めない地域では空室のまま費用だけが出ていきます。

比べ方の一例は、今売った場合の手取りと、5年間の家賃収入から修繕費を差し引いた金額に5年後の売却予想額を足したものを並べる方法です。
数字にすれば、判断の基準は感覚ではなく金額です。

貸す場合は、普通借家契約だと正当な理由がなければ退去を求められません。
将来自分で使う可能性が残っているなら、期間を区切れる定期借家契約を選ぶ方法があります。

仲介と買取ではメリットの出方が変わる

売ると決めた場合、売り方は仲介と買取の2つに分かれます。
どちらを選ぶかで、得られるものが変わります。

比べる軸仲介買取
売却価格市場の相場に近い市場価格より低くなる傾向
買主が決まるまで期間が読めない買主を待つ期間がない
内覧の対応必要になる不要
傷んだ家・残置物買主が限られるそのまま引き取る場合がある

仲介は、不動産会社が買主を探す方法です。
市場の相場に近い金額で売れる可能性があり、価格を優先するなら仲介が向きます。
ただし、買主が現れるまでの期間は読めず、内覧のたびに掃除や立ち会いが必要になります。

買取は、不動産会社が直接買い取る方法です。
買主を待つ期間がなく、内覧の対応もありません。
傷みが進んだ家や残置物がある家でも、そのまま引き取ってもらえる場合もある点が違いです。
ただし、買取価格は市場価格より低くなる傾向があります。

価格を取るか、期間と手間を取るかが選択の軸です。
判断がつかない場合は、両方の査定を受けてから決める方法もあります。

空き家の売却が向く人・慎重に考えたい人

売却が向くのは、次のような場合です。

  • 自分も家族も使う予定がない
  • 遠方に住んでいて管理に通えない
  • 相続の開始から3年が近づいている
  • 共有者が多く管理の分担が決まらない

慎重に考えたいのは、次のような場合です。

  • 駅に近いなど賃貸の需要が見込める
  • 近いうちに自分か家族が住む予定がある
  • 共有者の同意がまだ取れていない

自分や家族が使う予定があるかどうかが、判断の中心になります。
当てはまる項目が多いほど、先送りにする理由は減っていきます。
賃貸の需要をつかむ手がかりは、近くの賃貸物件の募集状況です。
募集が長く残っている地域であれば、貸す選択肢は現実的ではありません。

迷う場合は、査定額と年間の保有費用を並べて判断してください。
年間の費用が10万円で売却額が500万円だとすれば、5年持ち続けるだけで50万円が出ていきます。
共有者の同意が取れていない場合でも、査定を受けるだけなら1人で可能です。
金額という具体的な材料があれば、話し合いは進みやすくなります。

査定額という具体的な材料があれば、同意が取れていない段階でも話し合いは前に進みやすいです。
ベンナビ不動産売却では、共有持分が絡む不動産や傷みが進んだ実家の無料査定を受け付けています。

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空き家の売却によくある質問

Q

家財道具が残ったままでも売却できますか

A

売却できます。
買取であれば、残置物を残したまま引き渡せる場合があります。
仲介の場合は、引き渡しまでに撤去を求められるのが一般的です。
撤去費用をどちらが負担するかは、契約の前に取り決めておいてください。

Q

共有名義の空き家は1人でも売却できますか

A

家全体を売るには、共有者全員の同意が要ります。
自分の持分だけであれば単独で売却できますが、買い手は限られます。
持分を売る場合は、他の共有者に先に説明しておいてください。

Q

売り出しても買主が見つからない場合はどうすればよいですか

A

まず、売り出し価格が地域の相場と合っているかを確認してください。
次に、不動産会社を変える方法があります。
それでも動かない場合の選択肢は、買主を待たずに現金化できる買取です。
媒介契約の期間が切れる前に方針を見直してください。

Q

空き家は解体して更地にしてから売るほうがよいですか

A

建物を残したまま売る方法もあります。
解体には費用がかかり、更地にすると住宅用地特例の対象から外れて固定資産税が上がります。
解体費用を回収できる見込みがあるかを確かめ、売却の見通しが立ってから判断してください。

Q

相続登記をしていない空き家も売却できますか

A

登記の名義人でなければ売主になれないため、先に相続登記を済ませます。
相続登記は2024年4月1日から申請が義務づけられており、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。
手続きは司法書士に依頼できます。
相続人が複数いる場合は、誰が取得するかを決める遺産分割の話し合いが先です。
【参考】不動産登記法|e-Gov 法令検索

まとめ|空き家を売却する5つのメリットは費用・劣化・責任が引き渡しの日に止まること

空き家を売却する利点は5つあります。
固定資産税と維持管理費の支払いが止まり、建物の劣化による目減りも止まります。
損害賠償を負うおそれがなくなり、行政の指導や勧告の対象からも外れる立場です。
相続人同士で管理を押し付け合う状態からも解放される形です。

判断に関わる期限もひとつあります。
相続した空き家は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、譲渡所得から3,000万円を控除できます。
相続人が3人以上の場合の控除額は2,000万円です。

売る・貸す・持ち続けるの3択は、今の査定額と年間の保有費用を並べれば比べられます。

傷みが進んだ実家や、共有持分が絡んで話がまとまらない不動産は、通常の仲介では買主が限られます。

迷う場合は、「ベンナビ不動産売却」で無料査定を依頼してみてください。

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