空き家

空き家売却の相場は市場価格の5割〜7割|築年数別の目安と調べ方を解説

空き家売却の相場は市場価格の5割〜7割|築年数別の目安と調べ方を解説

親から相続した実家が空き家のままになっていて、売却を考えても「いくらで売れるのか」の見当がつかない、という声はよく聞かれます。
空き家は築年数が古く、地方や郊外にあることも多いため、一般的な中古住宅の相場がそのまま当てはまりません。

空き家の売却価格は、仲介で売るか買取業者に売るかという選び方で大きく変わります。
買取なら市場価格の5割〜7割が目安とされ、築年数や立地によってさらに幅が出ます。

本記事では、仲介と買取の価格差と築年数別の相場の目安をまとめました。
価格が決まる仕組み、自分で相場を調べる方法、手元に残る金額の計算も解説します。
読み終えるころには、自分の空き家のおおよその金額の幅を見積もり、査定に進む準備が整います。

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

訳あり物件の売却なら
【専門の業者への依頼】がおすすめ!

訳あり物件の買取に強い【ベンナビ不動産売却】なら
他社では扱えないような物件でも 高額査定が期待できます!

\完全無料・約1分で入力!/

24時間受付中! 無料で査定してみる

空き家売却の相場は仲介と買取でどれくらい違う

空き家売却の相場は仲介と買取でどれくらい違う

空き家の売却価格は、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」と、業者が直接買い取る「買取」で水準が変わります。
仲介なら市場価格とほぼ同じ金額で売れる一方、買取では市場価格の5割〜7割が目安になります。

同じ空き家でも、売り方によって3割前後の差が出る計算です。
買取には、早く現金化できる、契約不適合責任を負わずに済むといった利点もあります。
契約不適合責任とは引き渡した不動産が契約の内容と違っていたときに売主が負う責任のことです。

項目仲介買取
価格の目安市場価格とほぼ同水準市場価格の5割〜7割
売却までの期間平均で半年ほど数日〜1ヵ月程度
仲介手数料かかるかからない
契約不適合責任売主が負う免除されやすい

どちらを選ぶかは、価格を優先するか、早さと手間の少なさを優先するかで決まります。
相続した空き家のように、遠方にあって管理の負担が続いている場合は、早さを優先する判断にも合理性があります。

仲介で売る場合の相場は市場価格とほぼ同じ水準になる

仲介は、不動産会社に依頼して買い手を探してもらう売り方です。
成約価格は周辺の売買事例に連動するため、市場価格に近い金額での売却が期待できます。

一方で、買い手が見つかるまでの期間は読めません。
仲介での売却には平均で半年ほどかかるとされ、その間も固定資産税や管理の費用が発生し続けるのが難点です。
空き家の維持費が積み上がれば、高く売れた分が相殺されることもあります。

また、成約時には仲介手数料がかかります。
仲介手数料の上限を定めているのは、宅地建物取引業法にもとづく告示です。
物件価格が800万円以下の低廉な空家等については、税込33万円までを受け取れる特例が設けられています。
低廉な空家等の特例は、取引額の小さい空き家でも不動産会社が採算を合わせられるようにする趣旨で設けられました。

買取で売る場合の相場は市場価格の5割〜7割が目安

買取価格は、市場価格の5割〜7割が目安とされています。
不動産の買取業者各社が公表している水準を並べても、おおむね5割〜7割の範囲に収まります。

たとえば市場価格が1,000万円の空き家であれば、買取価格は500万円〜700万円程度が目安です。
仲介で売った場合との差は300万円前後です。

ただし、空き家の買取相場には公的な統計がありません。
5割〜7割という割合は各社が経験則から公表している目安であり、実際の金額は物件ごとに変わります。
目安の下限を下回るのは、地域の需要が薄い場合や建物の傷みが激しい場合です。

たとえば需要が厚い都市部と、買い手が限られる過疎地域では、同じ割合を当てはめても実勢とずれます。

そのため、割合はあくまで出発点として使い、最終的な金額は査定で確かめる進め方が現実的です。

【築年数別】空き家の売却相場の目安

【築年数別】空き家の売却相場の目安

空き家の売却価格は、築年数が進むほど建物部分の評価が下がります。
戸建てなら築15年〜20年で新築時の2割〜4割まで落ち、木造で築22年を超えると土地代が中心になります。

  • 築10年まで:建物にまとまった価値が残る
  • 築15年〜20年:下落が急になる
  • 築22年超:土地代が中心になる
築年数戸建ての市場価値の目安買取価格の目安
築5年新築時の7割〜8割市場価格の5割〜7割
築10年新築時の5割〜6割市場価格の5割〜7割
築15年〜20年新築時の2割〜4割市場価格の5割〜7割
築22年超建物はほぼ評価されず土地代が中心市場価格の5割〜7割

築10年までは新築時の5割〜8割で推移する

築の浅い空き家であれば、建物にまとまった価値が残っています。
築5年で新築時の7割〜8割、築10年で5割〜6割が一つの目安です。

事業者によっては築5年を5割程度とする公表値もあり、見立てには幅があります。
建物の構造や管理の状態、地域の需要によって評価が変わるためです。

築10年までであれば、買取だけでなく仲介での売却も現実的な選択肢になります。
買い手が見つかりやすく、市場価格に近い金額で売れる可能性が残っているためです。
急いで現金化する必要がなければ、まず仲介で様子を見る進め方もあります。

ただし、空き家のまま置いておく期間が長いほど評価は下がるため、判断を先送りにしないほうが有利です。
築年数が浅くても、長く閉めきったままの物件は劣化が進み、評価が下がる点には注意が要ります。

築15年〜20年で新築時の2割〜4割まで下がる

築15年前後から、建物の評価は急に下がります。
築15年で新築時の2割〜4割、築20年時点では1割程度まで落ち込むという目安もあります。

築15年〜20年で5割を下回るとする公表値もあり、下落幅の見立ては事業者ごとにまちまちです。
いずれにしても、築15年〜20年で価格が大きく動く点は各社の見立てに共通しています。

マンションは戸建てより下落が緩やかです。
築15年で7割前後、築30年で4割前後という目安が示されており、鉄筋コンクリート造の耐用年数が長いことが背景にあります。

空き家が戸建てかマンションかで、見積もりの前提は変わります。
同じ築年数でも、構造が違えば残る価値に差が出るのが実際のところです。
自分の空き家がどちらの下がり方に近いかを押さえておくと、査定額の妥当性を判断しやすくなります。

築22年を超えると建物の価格はほぼゼロになる

木造住宅の法定耐用年数は22年です。
築22年を超えると、査定上の建物評価はほとんど残らず、売却額は実質的に土地の価格になります。
鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年で、木造より長く設定されています。

ただし、耐用年数を過ぎた建物でも売却は可能です。
手入れが行き届いていれば住める状態の家は多く、リフォームを前提として買い取る業者もあります。
耐用年数は税務上の区分であり、実際の寿命とは別のものです。

築22年を超えた段階では、解体して更地にするか、古家付き土地として売るかの判断が価格に影響します。
更地にすれば買い手の幅は広がりますが、解体費が100万円を超えることも多く、手取りで比べる必要があります。

空き家の売却相場を左右する3つの条件

築年数が同じ空き家でも、査定額には差が出ます。
価格を左右するのは、立地・建物の傷み具合・再建築の可否の3点で、なかでも影響が大きいのは立地です。

  • 立地:駅からの距離と周辺の環境
  • 建物:傷み具合と管理の状況
  • 土地:再建築ができるかどうか

駅からの距離などの立地条件

空き家の査定額を左右する条件のなかで、影響が大きいのが立地です。
最寄り駅からの距離、バス便しかないかどうか、周辺に生活利便施設があるかどうかが、買い手の需要に直結します。

買取業者は、買い取った物件を再販できるかどうかで価格を決めます。
査定額には、地域の人口動向や中古住宅の需要の厚さが反映される仕組みです。
人口減少が続く地域では、建物の状態が良くても評価が伸びにくくなります。

同じ市区町村のなかでも、エリアによって差が出ます。
地方であれば、同じ駅から徒歩10分でも、生活圏の中心に近いかどうかが評価の分かれ目です。

自分の空き家がどの水準にあるかは、周辺の取引事例を確認すると見当がつきます。
査定を受けるときは、業者がどの範囲を比較の対象にしたかを聞いておくと納得しやすくなります。

建物の傷み具合と管理の状況

管理されていない空き家は、劣化が早く進みます。
雨漏りや外壁の傷みが進んだ物件では、補修にかかる費用が査定額から差し引かれる扱いです。
定期的に換気や清掃をしていた家と、何年も閉めきったままの家では、同じ築年数でも評価が変わります。

室内に家財が残っていれば、処分費も見積もりに織り込まれます。
残置物の量が多いほど、差し引かれる金額も大きくなるのが通常です。

放置には税金面のリスクもあります。
空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづき、管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れます。
住宅用地特例とは住宅が建つ土地の固定資産税を軽くする仕組みのことです。

特例が外れると、200平方メートル以下の小規模住宅用地では固定資産税の負担が最大で6倍程度まで上がります。
売却を先送りするほど、維持にかかる費用は重くなります。

【参考】空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov 法令検索

再建築ができる土地かどうか

土地の面積・形状・接道の状況は、再販の価値を左右します。
建築基準法が求める接道の条件を満たさない土地では、いまの建物を取り壊しても新しい建物を建てられません。
こうした再建築不可の物件は買い手が限られるため、相場より大きく下がるか、買取自体を断られやすくなります。

再建築不可の物件は、一般の買取業者では扱いにくい対象です。
訳あり物件を専門に扱う業者であれば、活用の見通しを立てて買い取れる場合があります。

市街化調整区域にある土地や、借地権付きの土地も評価が下がりやすい類型です。
市街化調整区域とは都市計画法にもとづいて原則として新たな建築が制限される区域のことをいいます。
売却を検討する前に、登記事項証明書や役所の窓口で土地の条件を確かめておくと、査定額の理由が読み解けます。

空き家の売却相場を自分で調べる4つの方法

空き家の売却相場を自分で調べる4つの方法

査定を申し込む前に自分で相場の当たりをつけておくと、提示された金額が妥当かどうかを判断できます。
公的な取引価格データ、売り出し価格、実際の査定を組み合わせると精度が上がります。

  • 公的データ:不動産情報ライブラリとレインズ
  • 民間データ:不動産ポータルサイト
  • 実勢の確認:不動産会社の無料査定
調べ方わかる価格費用向いている場面
不動産情報ライブラリ実際の取引価格無料土地値の当たりをつけたいとき
レインズマーケットインフォメーション成約価格無料値下げ後の着地を知りたいとき
不動産ポータルサイト売り出し価格無料上限側の目安を押さえたいとき
不動産会社の無料査定実際の査定額無料自分の空き家の金額を確定したいとき

不動産情報ライブラリで実際の取引価格を調べる

不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営する不動産情報のサイトです。
会員登録をしなくても利用でき、実際に取引された価格を地図上で確認できます。

使い方は、地図から調べたい地域を選び、物件の種類・築年数・面積といった条件で絞り込む流れです。
表示されるのは実際の取引価格なので、売り出し価格よりも実勢に近い数字が得られます。

土地と建物が一体になった取引価格が出るため、土地値の当たりをつけるのに向いています。
築古の空き家では土地の価格が売却額の中心になるため、取引価格のデータが有力な目安です。

掲載されるのは実際の取引にもとづくデータで、定期的に更新されています。
件数がまとまっている地域であれば、価格の分布から自分の空き家の位置づけを読み取れます。

レインズマーケットインフォメーションで成約価格を調べる

レインズは、国土交通大臣が指定した流通機構が運営する不動産流通標準情報システムです。
そのうち一般向けに公開されているレインズマーケットインフォメーションでは、不動産会社が登録した成約価格を閲覧できます。

戸建てとマンションのそれぞれで検索でき、成約時期・沿線・面積などの条件を指定できます。
売り出し価格ではなく実際に売れた価格がわかるため、値下げ後の着地水準を知るのに便利です。

会員登録は不要で、パソコンからもスマートフォンからも無料で利用できます。
直近の成約データが中心となるため、いまの相場を知るのに向いています。

掲載されるのは成約情報だけです。
取引の少ない地方では該当する件数が少なく、比較の対象が見つからない場合もあります。
件数が足りないときは、不動産情報ライブラリと併用すると補えます。

不動産ポータルサイトで売り出し価格を調べる

不動産ポータルサイトでは、いま売りに出ている物件の価格を確認できます。
同じ地域・似た築年数・似た面積の物件で絞り込むと、自分の空き家に近い水準が見えてきます。

ただし、掲載されているのは売主が希望する売り出し価格です。
成約価格は、売り出し価格から値下げされて着地するのが通常です。
ポータルサイトの数字をそのまま自分の空き家の価格と考えると、期待が高くなりすぎます。

買取の目安を知りたい場合は、売り出し価格の5割〜7割程度を見ておくと実態に近づきます。
価格の幅をつかむ手順は、上限側をポータルサイトで押さえ、下限側を買取の割合で見ることです。

掲載期間が長い物件は、いまの売り出し価格では買い手がつきにくいことを示しています。
売り出し価格だけでなく掲載期間まで見ておくと、値付けの精度が上がります。

不動産会社の無料査定で実勢価格を確かめる

データベースで調べられるのは、あくまで地域の平均的な水準です。
個別の建物の傷み具合、残置物の有無、接道の状況といった条件までは反映されません。

査定は無料で受けられます。
査定を受けても、依頼先に売却を約束する義務は生じません。
金額を知るだけの目的で依頼しても問題はありません。

1社だけの査定では、提示された金額が高いのか安いのか判断できません。
複数の会社に依頼して幅を確認するのが、妥当な水準を知る現実的な手順です。

査定には、現地を見ずにおこなう簡易査定と、実際に建物を確認する訪問査定があります。
空き家は建物の傷み具合が金額を左右するため、訪問査定まで受けると精度が上がります。

調べたデータと査定額が大きく離れているときは、金額の根拠を担当者に確認しておくと安心です。

空き家の買取価格が決まる仕組み

査定額は根拠のない数字ではありません。
買取価格は、市場価格から再販にかかる費用を引いた金額です。
市場価格そのものは、取引事例比較法と原価法という2つの方法で算出されます。

  • 再販費用の差し引き
  • 取引事例比較法
  • 原価法

不動産の査定では、土地に取引事例比較法、建物に原価法を使うのが一般的です。
土地は周辺の取引実績が参考になり、建物は建築費から目減りした分を差し引く考え方が馴染むためです。
空き家の場合は、土地と建物の評価を足した金額が市場価格の出発点になります。

仕組みを知っておくと、査定書に書かれた内訳を読み解けるようになります。
相場から大きく離れた金額を提示されたときに、どこで差がついたのかを確かめられるのも利点です。
査定額の根拠を確認できるようになれば、金額の高さだけで業者を選ばずに済みます。

買取価格は市場価格からリフォーム費用と諸経費を引いて決まる

買取業者は、買い取った空き家を再販することで利益を得ます。
そのため買取価格は、市場価格からリフォーム費用と諸経費を差し引いた金額という考え方で決まります。

諸経費に含まれるのは、販売活動にかかる費用、事務手数料、契約不適合責任を引き受けるリスク分などです。
市場価格の2割〜3割程度を見込むのが目安とされています。

リフォーム費用は建物の状態によって変わります。
戸建てなら1平方メートルあたり5万円前後、老朽化が進んだ物件では10万円前後が目安です。

老朽化が激しい場合は解体を前提とした価格になり、解体費も差し引かれます。

差し引かれる分だけ価格は下がりますが、売主の側にも利点があります。
契約不適合責任を免除されやすく、家財を残したまま引き渡せる場合が多い点です。

取引事例比較法で周辺の成約事例から算出する

取引事例比較法は、似た条件の物件が実際にいくらで売れたかを集めて価格を求める方法です。
土地の評価に多く使われる手法です。

たとえば、3年前に築20年の戸建てが500万円、同じく3年前に築30年の戸建てが400万円で売れていたとします。
築25年の物件であれば、およそ450万円という見当がつきます。
実際には、面積や接道の条件で補正を加えたうえでの数字です。

弱点は、取引事例が少ない地域では精度が落ちる点です。
年に数件しか取引がない地域では、比較の対象が古い事例に偏り、いまの水準を反映しにくくなります。

リフォーム済みの物件と未改修の物件が混ざっていると、比較の前提がずれる点も弱点です。
事例を見るときは、建物の状態が近いものを選ぶ必要があります。

原価法で建物の再調達原価から算出する

原価法は、同じ建物をいまから建て直した場合の費用をもとに、残っている耐用年数の割合を掛けて建物の価値を求める方法です。
計算式は「再調達原価×延床面積×(残りの耐用年数÷法定耐用年数)」で表されます。
再調達原価とは同じ建物を新築する場合にかかる1平方メートルあたりの費用のことです。

木造の法定耐用年数22年を前提に、築11年・延床面積100平方メートルの戸建てを試算します。
再調達原価を1平方メートルあたり15万円とすると、建物の評価はおよそ750万円です。
残りの耐用年数が半分に近づいた分、評価も目減りする計算です。

耐用年数を過ぎると、計算上の建物評価はゼロになります。
築古の空き家で建物に値がつかないと言われるのは、原価法の計算によるものです。

空き家売却で手元に残る金額の目安

相場を調べる目的は、最終的に手元へいくら残るかを知ることにあります。
売却価格から諸費用と税金を引いた金額が、実際の手取りです。

  • 売却時の諸費用
  • 譲渡所得税の税率
  • 3,000万円特別控除

諸費用は売却方法によって変わります。
買取であれば仲介手数料はかからず、解体費や残置物の処分費も業者側が引き受ける場合が多くなります。
仲介で更地にしてから売る場合は、解体費が先に出ていく形です。

税金は、特例が使えるかどうかで数百万円単位の差が出ます。
相続した空き家であれば、要件を満たすと譲渡所得から大きな控除を受けられます。
売却価格の比較だけでなく、費用と税金まで含めて比べる姿勢が大切です。

手取りがわかってはじめて、売るか持ち続けるかを金額で比べられます。
維持費と手取りを並べると、判断の材料がそろいます。

売却時にかかる費用の内訳

空き家の売却でかかる費用は、仲介手数料・印紙税・登記費用が基本です。
更地にするなら解体費、家財が残っていれば処分費が加わります。

費用項目目安額発生するケース
仲介手数料売買価格の3%+6万円が上限[税別・400万円超の場合]仲介で売る場合
印紙税1,000円〜3万円程度売買契約書を作成するとき
登記費用数千円〜数万円抵当権抹消・住所変更が必要な場合
解体費100万円〜200万円程度更地にして売る場合
残置物の処分費10万円〜50万円程度家財が残っている場合
測量費35万円〜80万円程度境界が確定していない場合

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法にもとづく告示で定められた水準です。
物件価格が800万円以下の低廉な空家等については、2024年7月1日から税込33万円までを受け取れる特例が適用されています。

解体費は建物の構造と延床面積で変わり、木造より鉄筋コンクリート造のほうが高くなります。
境界が確定していない土地では測量が必要になるため、売却前に登記の状況を確かめておくと安全です。

買取であれば仲介手数料はかかりません。
解体や残置物の処分も業者側で引き受ける場合が多く、売主が先に費用を負担せずに済みます。

【参考】宅地建物取引業法|e-Gov 法令検索

売却益にかかる譲渡所得税の税率

不動産を売って利益が出ると、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を引いた金額です。
取得費がわからない場合は、売却価格の5%を取得費とみなす扱いがあります。

税率は所有期間によって変わる仕組みです。
譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得になります。
税率は所得税15%・復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)・住民税5%の合計20.315%です。

所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率は所得税30%・復興特別所得税・住民税9%の合計39.63%まで上がります。

相続した空き家の場合、所有期間は被相続人が取得した日から通算できる扱いです。
親が長く住んでいた実家であれば、相続してすぐに売っても長期譲渡所得の扱いになる場合が多くなります。

【参考】No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁

相続した空き家で使える3,000万円特別控除

相続した空き家を売る場合、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特別控除を使える可能性があります。
要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円が控除されます。

主な要件は次の3点です。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

適用されるのは2027年12月31日までの譲渡です。
2024年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上いる場合、控除額は1人あたり2,000万円までに縮小されます。

耐震基準を満たさない建物は、売却前に耐震リフォームをするか取り壊す必要がありました。
2024年1月1日以後の譲渡からは、買主が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しをおこなった場合も対象に加わっています。

要件は細かく、証明書類の準備にも時間がかかります。
使えるかどうかは、売却前に税務署や税理士へ確認しておくと安心です。

【参考】No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

空き家を相場より高く売るための3つのポイント

同じ空き家でも、進め方によって手元に残る金額は変わります。
効果が大きいのは複数社の比較で、次いで家財の片付け、そして余計な費用を先に使わないことです。

  • 複数社に査定を依頼する
  • 残置物を片付けてから査定を受ける
  • 解体やリフォームを先行しない

複数社に査定を依頼して価格を比較する

買取価格は、業者が空き家をどう再販するかによって変わります。
リフォームして住宅として売る業者と、更地にして土地として売る業者では、同じ空き家でも評価は一致しません。
複数社に査定を出すだけで、数十万円から数百万円の差が出ることもあります。

査定を比べるときは、金額そのものだけでなく根拠を確認します。
どの取引事例を参考にしたのか、リフォーム費用をいくら見込んでいるのかを説明できる業者ほど、提示額の信頼性は高めです。

相場から大きく外れた高額査定には注意が要ります。
契約後に建物の傷みを理由として減額を求められる例もあるため、根拠を聞いておいてください。
査定額の有効期間は3ヵ月程度が目安です。
同じ時期にまとめて依頼すると比べやすくなります。

築年数が古い戸建てや再建築ができない土地は、一般の仲介では比較できる査定が集まりにくい物件です。
ベンナビ不動産売却では、訳あり不動産を扱う会社へまとめて無料で査定を依頼できます。

残置物を片付けてから査定を受ける

家財が残ったままだと、処分費が査定額から差し引かれます。
業者は残置物の量を見て処分費を見積もるため、片付いている家のほうが評価は上がります。

自分で片付けられる範囲は、査定の前に処分しておくと有利です。
室内を清掃し、換気して湿気やにおいを抑えるだけでも、査定担当者が受ける印象は変わります。
建物の傷みを確認しやすくなり、余裕を持った見積もりにつながるためです。

仏壇や神棚など、処分に手順が必要なものは早めに対応しておくと、引き渡しの日程を組みやすくなります。
写真や書類など、後から必要になるものが残っていないかも先に確かめておいてください。

ただし、大型の家具や大量の家財がある場合は、片付けの費用と査定額の上がり幅を比べる必要があります。
業者に処分を任せたほうが安く済むケースもあります。

解体やリフォームを自己判断で先行しない

売る前にリフォームしたほうが高く売れると考えて費用をかけるのは、避けたほうが無難です。
買取業者は自社でリフォームして再販する前提で価格を決めるため、売主が先に手を入れても評価に反映されにくくなります。

解体も同じです。
更地にすれば売れやすくなる場合はありますが、住宅が建つ土地に適用される住宅用地特例が外れ、翌年の固定資産税が上がります。
年をまたぐタイミングによっては、負担だけが増える結果になります。

解体するかどうかは、古家付き土地のままの査定額と、更地にした場合の査定額を両方取って比べてから判断してください。
解体の時期については、固定資産税の基準日である1月1日をまたぐかどうかが分かれ目です。
業者によっては、解体を前提とした価格を提示してくれます。

空き家の売却の悩みは「ベンナビ不動産売却」で解決しよう

空き家の売却を検討しているなら、「ベンナビ不動産売却」の活用がおすすめです。
「ベンナビ不動産売却」は、空き家をはじめとする訳あり物件を買い取るサービスです。

【ベンナビ不動産売却の特徴】

  • 訳あり不動産を専門業者が直接買取
  • 最短3日で買取に対応
  • 弁護士費用・登記費用・ごみ処理費用が0円
  • 司法書士・弁護士と連携し、複雑な権利関係にも対応
  • 300万円以下から1億円超の物件まで対応

築年数が古い、家財が残っているなど、ほかの業者では断られやすい空き家でも相談できます。
まずは「ベンナビ不動産売却」で、無料査定を申し込むところから始めましょう。

空き家の売却相場に関するよくある質問

  • 地方の空き家はどれくらい下がるか
  • 安い査定額を提示されたときの対応
  • 値段がつかない空き家の行き先
  • 売却にかかる期間
Q

空き家の売却相場は地方だとどれくらい下がる?

A

地域ごとの需要差が大きいため、全国一律の下落率は示せません。
不動産情報ライブラリで同じ市区町村の取引価格を確認すると、実勢に近い水準がつかめます。
取引事例が少ない地域では、複数社の査定を取って幅を確かめる方法が現実的です。

Q

査定額が相場より安いときは断ってもいい?

A

査定は価格を提示してもらう手続きで、売買契約とは別のものです。
金額に納得できなければ、理由を伝えずに断って問題ありません。
ただし、安く見積もられた理由を聞いておくと、次の査定を受けるときの判断材料になります。

Q

値段がつかない空き家はどうすればいい?

A

再建築ができない土地、事故物件、共有持分といった不動産は、一般の買取業者では断られることがあります。
値がつきにくい不動産でも金額が出るのは、訳あり物件を専門に扱う業者です。
売却が難しい土地については、相続土地国庫帰属制度という手放し方も用意されています。

Q

空き家を売るまでにどれくらいの期間がかかる?

A

買取なら数日から1ヵ月程度、仲介なら平均で半年ほどかかります。
買取は業者が直接買い取るため、買い手を探す期間が不要です。
3,000万円特別控除のように期限がある場合は、買取を検討する余地があります。

まとめ|空き家の売却相場は買取で市場価格の5割〜7割・最後は査定で確かめる

空き家の売却相場は、買取で市場価格の5割〜7割が目安です。
築年数が進むほど建物の評価は下がり、木造で築22年を超えると土地代が中心になります。
同じ築年数でも、立地・建物の傷み具合・再建築の可否で金額は動きます。

自分で相場を調べるなら、不動産情報ライブラリで実際の取引価格を確認し、レインズマーケットインフォメーションで成約価格を突き合わせる流れが実用的です。
売り出し価格を見るポータルサイトと組み合わせると、価格の幅がつかめます。

空き家を放置している間も、固定資産税と管理の負担は続いたままです。
金額を知ることから始めれば、売るか持ち続けるかの判断もつけやすくなります。

築年数が古い空き家や再建築ができない土地でも、ベンナビ不動産売却なら無料で査定を依頼できます。
まずは自分の空き家がいくらになるのかを確かめてみてください。

訳あり物件の売却なら
【専門の業者への依頼】がおすすめ!

訳あり物件の買取に強い【ベンナビ不動産売却】なら
他社では扱えないような物件でも 高額査定が期待できます!

\完全無料・約1分で入力!/

24時間受付中! 無料で査定してみる

監修者

株式会社アシロ 社内弁護士

所属:第二東京弁護士会

弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。